ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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アニメ鑑賞編 ヒュンケル対ハドラー

[ハドラー様~❤❤]

 

     ぴょ~~~ん

 

   ぺシ!

 

いきなり飛んできたジゼルを叩き落とした

 

あの二人の原稿作業を手伝いを終えるとちょうど夜が明けていた

そのついでに聖母竜があまりにもうるさくせがむため東女寮に来てみたが

呼び鈴を鳴らす前に寮の窓からジゼルが飛び出してきた

 

「やれやれ 踏み込みからの跳躍のキレはよくなったようだが・・・」

 

『お久しぶりですねジゼル

元気なようでなによりです』

 

[あけましておめでとうございます ハドラー様 お母様]

 

「ほう この世界では年が明けていたのか」

 

〔もう年明けから1ヶ月以上たってますけどね

お久しぶりですハドラーさん 寮長の田中です〕

 

「ああ ジゼルが迷惑をかけているようだな」

 

〔ジゼルは ウチでは割と良識ある方ですが まあ今はひとつだけ

ジゼル 窓から出入りするな! ご近所さんが見たらびっくり・・・

するようなことは普段から色々やらかしているやつもいるが

食事中にとび出すやつがあるか

ウチの台所の守護神の逆鱗にふれるぞ!〕

 

[あー・・・チヨコお姉ちゃん 

笑いながら怒るから ちょっとこわい・・・]

 

「どうやら間が悪かったか

出直してもいいが」

 

〔いえ ある意味すごいいいタイミングですハドラーさん

この後お時間あれば そこの道場へどうぞ

最近ウチで恒例になっている 面白いものが見れますよ〕

 

「ほう」

 

その言葉に少し興味をひかれ案内された道場で・・・

 

    \\ わいわい ガヤガヤ //

 

「なんだこの状況・・・」

 

道場の中心部に据えられた大型の悪魔の目玉・・・

この世界でいうところの【テレビ】の前に

メアリをはじめとする大勢のレスラーが集まっている

 

[もうすぐはじまりますハドラー様!]

 

その最前列で座るオレの膝の上に座ったジゼルが画面を指さすと

 

『ダイ!?』

 

何やら耳に残る歌とともにダイの姿が映し出された

続いて奇岩城の前で魔王軍6団長とともに立つ

魔軍司令時代のオレの姿があった

 

「なんだこれは?

ダイ達がまたこの世界にやってきたのか?

いや このダイやオレ達は今よりもやや若い・・・」

 

続いて流れていく映像はまさにオレ達が敵として戦っていたときのものだ

 

〔そうです ちょうどこっちでは週に一度

この土曜日の朝 こうやってハドラーさん達の世界のことが放送されているんです

それで みんなこうしてこの道場で見るようになったんです

サンモニならともかく 前じゃまずなかったことなんですけどね〕

 

〔ボクはこうやってみんなで見て楽しむの大好きだな♪〕

 

〔セッシャも毎週 楽しみにしているでゴワス〕

 

「メアリ マルシア・・・」

 

   \\ 十両さんが本名で呼ばれてる! //

  \\ あのウワサは本当なの!? //

 \\ 十両さんが親方からおかみさんに!? //

 

ひそひそ話 にしては大きな声で話しているレスラーたちがいるが

そんなことよりも 歌が終わり画面がかつてのオレの顔のアップになって間もなく

 

「【ヒュンケル対ハドラー】だと・・・」

 

見過ごせない言葉が画面に踊った

 

〔因縁の一戦ですね〕

 

[ハドラー様・・・]

 

「これはバルジ島のあの時か

よく、おぼえているぞ・・・!」

 

〔先週はすごくいいところで終わりましたからね

今日が待ち遠しかったですよ〕

 

〔ヒュンケルめっちゃくちゃカッコイイ登場ですよね〕

 

〔あたしはポップの方が好きだな〕

 

砕かれた氷魔塔の破片が舞うなかマァムを抱きかかえるヒュンケルと

投げつけられた薬草を食いながら愚痴るポップにレスラーたちの感想がもれる

このときポップが食っていた薬草があの大穴で生えていたやつだな

映像はクロコダインがヒュンケルを救った場面に変わった

 

 

【・・・ヒュンケルよ・・・

オレは男の価値というのは どれだけ過去へのこだわりを

捨てられるかで決まると思っている

たとえ生き恥をさらし万人にさげすまれようとも

己の信じる道を歩めるなら それでいいじゃないか・・・】

 

     !!

 

死にぞこない 泣きながら己を悔いるヒュンケルに対し向けたクロコダインの言葉が

今のオレの心にも響いた

 

「やはり当時の魔王軍にとってクロコダインを失ったのは大きいな

ヒュンケルは魔王軍にいるのが不思議なぐらいだったが・・・」

 

〔このときのハドラーさんも「信じられん」って言ってますね〕

 

「ああ 本当に惜しい男を失った」

 

〔あ クロコダインさんが炎魔塔をあっさり壊した〕

 

[フレちゃんガッカリしてるね]

 

「かつてのオレが不甲斐ないばかりに・・・

すまなかったなフレイザード」

 

〔ハドラーさん この前のお祭りでも この塔をつくってましたけど

あれって結局どんな効果があったんですか?〕

 

「あれは特に効果はない

塔自体はそれなりに力を込めていた本物だがな」

 

〔え!?〕

 

「氷炎結界呪法は二つの塔とフレイザードの核コアにも使った

氷炎岩があってはじめて効果がある禁呪だ」

 

〔じゃあ盛り上げるための演出だったんですね

・・・なるほどウチの興行の参考になるかも〕

 

〔あ いよいよ戦いがはじまりますよ!〕

 

〔あ!このときのハドラーさん

バルトスさんとヒュンケルさんの二人が親子なのをちゃんと認めてるんですね〕

 

「当然だ 酔狂とはいえ かつてバルトスが望み

オレが直々に認めたことだ

それに当時の様子を見ればどう見ても親子だった

親子で姿形が違うのは怪物の世界では珍しいことではないしな」

 

[バルトスお兄様・・・]

 

〔ヒュンケルにとってハドラーさんは

育ての親バルトスの生みの親つまり祖父であり

バルトスを直接処刑した仇であり

師であるアバン先生の仇でもあるんですよね〕

 

「・・・ああ 加えて元上司でもあるぞ」

 

〔それは盛り過ぎなくらいの因縁ですね〕

 

〔あ!ハドラーさん ヒュンケルの剣を爪でうけるとき目をつぶってますよ!〕

 

「馬鹿をいえ ちゃんと片目で見てから止めたわ」

 

『片目はつぶったのですね』

 

〔すごい打ち合いですね

剣と爪の息詰まる攻防、互角に見えますけど〕

 

「あの鎧のせいで呪文がまったく効かん

オレの本来の戦い方ができない分不利だったと言える」

 

〔ああっ!?

ハドラーさんの体が貫かれた!?〕

 

      ビク!!

 

膝に抱えていたジゼルが震えた

だがこれは・・・

 

〔ああっ!?

ハドラーさんが死んだふりで油断させて爪をヒュンケルの胸板にぶち込んだ!!〕

 

〔おおっ いいなあアレ 悪役(ヒール)はこうでなくっちゃあ

今度やってみようかな〕

 

〔油断しすぎだろヒュンケル〕

 

〔ヒュンケルが驚いて【急所を貫かれてなぜ動ける】って言ってるけど

お前が言うなッ て感じだよね〕

 

〔いや どっちもおかしいだろ!〕

 

『色々な感想があるのですね』

 

それだけ多様なレスラーがいるということだろう

 

「オレのヘルズクローはたしかにやつの体を貫き

メラゾーマまで流し込んだ

こいつの不死身ぶりは(バルトス)祖父(オレ)を超えたな」

 

〔なんという筋金入りの不死身の男・・・〕

 

〔うわあ ハドラーさんのベギラゴンかっこいい!〕

 

このとき どう見ても直撃して貫いた穴からダメージが通ったはずだが・・・

 

〔あれをうけて立ち上がるとはとんでもない御仁でゴワスな〕

 

〔ヒュンケルが師匠の言葉を胸に立ち上がるとこ

私もリングで覚えがある〕

 

〔普段の厳しい稽古やトレーニングを思い出したりするんだよね〕

 

〔あれってちょっとした走馬灯かもね〕

 

『ダイも戦いの中でだれかを思いながら戦っていましたね』

 

それもまた あやつらの強さ、か

そして画面ではヒュンケルの最期の大技を見せる

 

「これは・・・」

 

嫌な汗が流れた 直接目にしたあのときを今でもハッキリと思い出せる

 

       グランドクルス!!!

 

ダイやポップがその光を目にしてアバンのメガンテの輝きとそっくりだと語っている

・・・道理でオレの冷や汗が止まらぬわけだ

 

〔あ ハドラーさん 部下でちゃっかりシールド防御してる〕

 

〔これはひどい・・・〕

 

「いや 直撃は避けたがオレもダメージはあったぞ」

 

〔ああ 抜け殻状態のヒュンケルに近づいて・・・〕

 

〔ちゃんとトドメは刺すんですね〕

 

〔うわあトドメの直前に ハドラーさんが復活の呪文を唱えてますよ〕

 

〔獲物を前に なんという死亡フラグ・・・〕

 

「そんなつもりはなかったのだがな・・・

ただ死に逝くものに当然のことをいっただけで」

 

〔子供状態のヒュンケルが先生と父を追いかけるとか

これこそ走馬灯だよね〕

 

       ドガ!!

 

[!!??]

 

画面いっぱいにヒュンケルの剣がオレの二つ目の心臓を貫いた映像が広がった

 

『・・・私までどこか痛いような』

 

   ギュウ・・・!!

 

ジゼルは汗びっしょりになりながらも画面から目をそらさない

オレの腕にしがみつきながら眼前で崩れ落ちるオレの最期の言葉を聞いている

 

「 「見事だ ヒュンケル 貴様こそ・・・真の戦士」 」

 

かつてのオレと今のオレの言葉が重なる

震えているジゼルにはあえて声をかけず続きを見る

 

フレイザードがオレの敗北を感じ取るとともに

ダイ達が一段と手柄首としての価値を上げたことに闘志を燃やしていたところで

今日の放送は終わりだそうだ

 

「なるほどたしかにいいところで止めてくるものだ

これはオレも結果を知っているとはいえ次も見たくなる」

 

〔ぜひ来週も!

というより毎週来てくださいよ!

会社の許可はとりますから!〕

 

「・・・それはありがたいが

ジゼルならまだしも なぜお前たちがそこまで」

 

〔じつは このアニメがはじまったとき

ジゼルも本当に楽しみにしていたのですが

いきなりハドラーさんがアバンストラッシュで倒されるところからはじまりまして・・・〕

 

「ぐ・・・」

 

〔そのショックでジゼルが一日中泣きまして・・・

ハドラーさんの出番はかなり多いはずなので

それからも毎週見たがるものですから

ジゼルを心配してみんな集まるようになりました〕

 

『ああ それでここに大勢いるのですね

ジゼルが大事にされているようでなによりです』

 

〔ハドラーさんの紙芝居でこのあたりの話までは

すでに知っているそうですが

ハドラーさんがバルトスさんを処刑するシーンがある回は

ジゼルの視聴をやめさせようか議論したりもしました〕

 

「・・・面倒をかけたな

オレがいることでジゼルが安定するならばできるだけ都合をつけるとしよう

オレのかつての不始末が原因だからな」

 

『私もいずれでてくるのでしょうか?』

 

おまえはでてもどうせ役に立たん

 

『その現実とは後で向き合います』

 

    あむあむあむ    ベリ!

 

いつのまにかオレの腕をあまがみしているジゼルを引きはがし

 

「かつての戦いを見て少し動きたくなった

ちょうどいい ジゼル お前のここでの修行の成果を見てやろう」

 

[はい❤ハドラー様!!]

 

〔せっかくなのでリング使います?

壊さない程度に加減してもらえればいいので〕

 

「感謝する ありがとう」

 

  \\ おお!! //

 

 \\ ありがとうって言える魔王はじめて見た! //

 

そんなことで盛り上がってどうする

 

〔さっきまでテレビで見た人の戦いが見れるなんて・・・〕

 

〔どちらかというとプロレスラーのセッシャたちが言われる立場でゴワスな

後でまたセッシャもケイコをつけてもらいたいでゴワス〕

 

〔ボクも頼んでみようかな

最近パパたち忙しくて練習相手の都合つかないし〕

 

「・・・さてジゼル 言っておくがバルジ島でのオレとは一味違うぞ」

 

手始めに軽く闘気で威圧してみたが

 

[最初から全力でいきますよハドラー様!!]

 

逆に闘志を燃やしてきた

 

「フフフッ!!!それでいい!!

それでこそ我が娘・・・!!!」

 

[ジゼルダーーーイブ!!!]

 

     ギュワン!

 

「結局それかーー!!!」

 

    ガシィイ!!    ズゥン!!!

 

      ドスン!!!

 

コーナー最上からとびついてきたジゼルをボディスラムで迎撃しエルボーで追撃した、が

 

    バ!!   ガチィ!

 

すぐに復活したジゼルがオレの首を締めに来た

 

「クククどうやら オレたちのしぶとさもしっかり受け継いだようだ

・・・血は争えんな・・・

フッフッフッ・・・!」

 

    スンスンスン

 

『あなたのにおいを嗅いでいるだけでは?』

 

・・・結局この後ジゼルの相手をしながら道場にいたレスラー全員を相手にすることになった

 

強くなるぞジゼルは いい仲間に恵まれてな

・・・あの世から 見てくれ我が子らよ




書き始めてから時間かかりすぎてるウジョーです
本当はアニメ見てからすぐに投稿したかったのですが書きあがるのに10日以上かかりました
その間ずっとモヤモヤするのになかなか アニメもVジャンプの連載も面白いので余計に
次はフレイザードの最期か聖母竜登場回か・・・あくまでアニメを見た時の気分次第ですが

節分もすぎた二月の半ばで急な冷え込み しっかり防寒して風邪などひかれませぬよう

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