ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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女子プロレス編 デビュー戦 後日談

ーチャンコ部屋前ー

 

    ピンポーン

 

「たのもう」

 

     ガチャ

 

〔ようこそハドラー殿 お待ちしておりもうした〕

 

チャンコ部屋をたずね呼び鈴を鳴らすとミス十両が出迎えてきた

先日のリング上で見たマスクとは逆に口元を隠すマスクをしているが

素顔ははじめて見たな

 

『試合の時にはわかりませんでしたが

おだやかで優しそうな方ですね』

 

「ああ 先日はこやつが世話になった」

 

背中に担いでいるジゼルを見せ挨拶を交わす

 

〔ジゼル殿は寝ているのでゴワスか?〕

 

「あの試合で魔力も体力も使い果たしたからな」

 

〔なんと!?あの試合からずっと寝ているのでゴワスか!?

あれからもう何日もたっているのにそれは!?

あの試合の後はコロナショックで興行が自粛となって

無観客試合ばかりのせいでジゼル殿の試合がないのかと・・・〕

 

「気にするな

これは【卵がえり】といってな

回復するまで眠りが深くなるものだ

東女寮では何日も寝込んだままで不安になった田中から連絡を受けたが

こうやってオレにしがみついていればいずれ目を覚ます」

 

〔そ そうでゴワスか・・・

しかし今は新型コロナの流行で外出すら自粛を求められているでゴワス

寮よりも親元の方がよいという配慮では〕

 

「オレもジゼルも根本から人間とは違う

病気にかかることもうつすこともない

卵がえりのように種族特有の問題はあるがな

それより本題だ」

 

     スッ

 

オレが差し出した手を十両がややためらいながらも握り返してきた

 

「これは先日の試合の礼だ

回復魔法(ホイミ)

 

      パアア・・・

 

\\\師匠!!!///

 

    バタバタバタ!!

 

チャンコ部屋の奥からレスラー達が駆けつけてきた

先の試合で十両と組んでいた染宮一二三を含め6人か

 

「染宮もいたか ちょうどいい

お前もジゼルが世話になったからな

ケガがあるなら治療するぞ」

 

〔治療?今の光が、ですか?〕

 

〔たしかにセッシャの体からあらゆる痛みが消えたでゴワス!

あの試合、ジゼル殿の不思議な光でヒザの痛みが消えたでゴワスが

今のは他の痛みや疲労までなくなったでゴワス!〕

 

「オレのホイミはジゼルが戦いのどさくさに紛れて使った

ベホイミとは魔法力が違う 経験が違う 制御力が違う

オレもかつて伊達や酔狂で魔王などと名乗っていたわけではない」

 

〔なんと では本当に痛みだけではなく全てのケガが完治した

ということでゴワスか!?〕

 

「そうだ お前の戦いを見て思ったのだが

実に惜しく感じてな」

 

〔惜しい、とは?〕

 

「ジゼルがベホイミを使った前後の戦い方で言えば

回復前の経験を感じさせる巧みな技

回復後の体格を生かし気迫を全開にし圧倒した力技」

 

『あれは見ていて怖いものがありました』

 

〔わざわざ試合中に不思議な術を使ったからには

ジゼル殿はああいった戦い方が望みなのかと思ったもので

セッシャなりに応えてみたのでゴワスが・・・〕

 

「上出来だ

お前ほどの実力と実績のあるものが

ジゼル相手にあれほど力を見せれば

大抵のレスラーは下手な遠慮をしなくなる、これは大きい

そしてジゼルは恐怖を知った

あやつはこれまで直接的な敵意にふれる機会がなかった

・・・だからこそ 礼はこれで終わりではない」

 

〔え?〕

 

「オレが相手をしてやろう

全力でかかってくるがいい」

 

〔なんと!?〕

 

   \\\ちょっとまった!!!///

 

染宮らが十両の後ろから前にでてきた・・・

 

「そういえば 活動自粛中のレスラーにしては

頭数が多いな 全員お前の弟子か?」

 

〔たしかにセッシャの弟子ですが

全員集まっているのは・・・

その、ハドラー殿からのあの・・・〕

 

「どうした?」

 

〔チャンコ部屋の鏡にいきなり血文字で師匠に

お礼参りをする、てメッセージがきたから

師匠は警察を呼ぶのはまずいって言いますし

とりあえず皆で集まろうってことになりました〕

 

「・・・鏡を使った通信呪文のことか

人間の言葉で書いたから内容は伝わっていたようだが

どうも認識に齟齬があるようだな

たしか文面は・・・」

 

〔スマホにとってますよ えーと、

”今宵 先日の試合の件で礼に参上する 腕を振るい馳走しよう ハドラー„

これが今朝突然でて それを見たボクが皆に連絡したんだ〕

 

「たしかに 文面だけ見れば試合結果の逆恨みによる襲撃予告にもとれるか

そういえば元々宣戦布告に使うことが多い呪文だったな」

 

『あなたはたまに私と同じくらい世間知らずになりませんか?』

 

「・・・どうやら迷惑をかけたようだな

夕食を馳走する程度の意味だったのだが」

 

〔申し訳ないハドラー殿!

不快にさせてしまい 何とお詫びすれば〕

 

〔師匠のせいじゃないです!

ボク達が勝手に集まっただけなんです!〕

 

十両に続き弟子たちが頭を下げてくる

やはりこの十両 器が大きく人望もある

獣王クロコダインを彷彿とさせる

 

『なるほど あなたにとって

武人として最大級の評価 ということですか』

 

「気にするな これはオレの落ち度だ

それよりもお前のことだ

はっきり言ってここにいるお前の弟子たちでは

今のお前が全力をぶつけてはそうそう持つまい

体に不調を抱えながら実戦で磨いてきた技術と全開の力

これを両立させる勘を養う為オレを利用すればいい」

 

〔たしかに業界全体が興行自粛の中

切磋琢磨する相手に不自由はありもうすが

ハドラー殿にそこまでしていただくのは・・・〕

 

「オレはお前がブラッディ井上やスペシャル小原に匹敵

いや 超える可能性を秘めた逸材とみている

お前が強く大きい存在でいればジゼルの成長につながることになる

敵としても味方としてもな」

 

〔セッシャが!?

セッシャのことをそこまで・・・

ハドラー殿 改めてこの道場で胸を貸してほしいでゴワス!〕

 

「よかろう では上がるぞ」

 

オレはチャンコ部屋の道場で十両と相対した

 

〔ハドラー殿 ジゼル殿を背負ったままで?

稽古の間は弟子たちに預けていただければ・・・〕

 

「この状態のジゼルはしがみついてて外れぬのだ

・・・お前がオレを本気にさせれば オレの発する魔炎気を吸って

ジゼルが早く目を覚ますかもしれんぞ

さあ かかってくるがいい」

 

〔・・・それでは  ハッケヨイ・・・ノコッタ!!〕

 

     パァンン!!

 

十両の張り手を胸で受けた

 

〔おお! 師匠の張り手を正面から受けてビクともしてない〕

 

〔あれが超人レスラー・・・〕

 

「どうした?あの試合では空振りでジゼルの心を折ったようだが

このとおりオレの背のジゼルはまったく動じていないぞ」

 

〔ぬうう・・・ハァーーーーッ!!!〕

 

   ガシィ!!

 

〔ヌ!!クッ!〕

 

   バッ!!ザッ!!!

 

〔すごい!師匠のぶちかましにも

つかんでからの投げにもまったく動かない!〕

 

〔一歩も動かないだけじゃない最小限の体の動きであの師匠の技を封じている〕

 

「試合の後 ウルフマンの相撲部屋をたずねて

少々相撲技を盗んできた そう簡単にオレを本気にさせられるかな?」

 

〔セッシャのためにそこまで・・・!?〕

 

「勘違いするな

この世界の格闘術に興味があっただけだ

さあッ!!

ガンガンかかってこいッ!!!」

 

〔ドスコーーーイ!!!!〕

 

   ドガァン!!!

 

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

 

〔ハー ハー ハー・・・〕

 

   ボタボタボタ・・・・・・

 

息を切らせた十両の汗が床を濡らしていく

しかしオレの足はまだ一歩も下がってない

肝心の力と技がどうにも一致しない

もう一息のようだが 目の焦点があってないな

ここは一度間をとるか・・・いや 十両の目

この目はオレをみていない?ならば

 

「十両よ

おまえの中に理想の強者がいるのだろう

師か、ライバルか、先達か、それは知らぬが、

上には上がいる おまえの前にいる者はそれよりも強い

その相手に繰り出す全身全霊の一撃を見せてみろ!!!」

 

   ゴオオオオ・・・

 

闘気を開放し十両を誘う

 

『あなたにしては女性の誘い方が優しいですね』

 

黙っていろ聖母竜 わざわざアバンのかつての台詞を持ってくるな

ムウッ?

十両の闘気が研ぎ澄まされていく

やはりまだ上があったか

 

〔・・・ドスコーーーイ!!!!〕

 

    ズバァアン!!!!!

 

             ズズッ

 

「グ・・・グハハハハッ!!!」

 

〔おおっ!ついに師匠の張り手でハドラーさんが半歩下がった!!!〕

 

「ククク 体力の限界が近いようだが今の一撃はよかった

さあ力尽きるまでつきあってやろう

ここからが本番だ!!!」

 

[ん~・・・]

 

背中でジゼルがもぞもぞしだした

 

   かぷっ・・・ ちうちう・・・

 

ジゼルがあまがみをしてきた

まだ寝ているようだがオレや十両の闘気に反応しているのだろう

 

〔ごっつあんです!!!〕

 

十両が最後の力を振り絞るように再び向かってきた

 

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

 

    ズズン・・・!!

 

  \\\師匠!!///

 

力尽きるようにオレに倒れかかりながら十両が沈んだ

 

「どうやらオレの見込んだ通りのようだ」

 

体の慣らしとしては十分だろう

とりあえず部屋の脇にでも寝かせておこう

 

    グッ

 

  \\\おお~~~~!!///

 

〔スーパーヘビー級の師匠を軽々とお姫様抱っこ!〕

 

〔これはちょっと真似できそうにないわ〕

 

〔師匠 意識があるのかな?〕

 

〔ちょっとでも 表情が見えないかな〕

 

「さて 次は・・・」

 

〔ちょっと待った!!

師匠がこうまでいいようにされてそのまま帰らせるわけにはいきませんよ

チャンコの弟子筆頭・紅蓮篤美(ぐれんあつみ)お相手仕ります!〕

 

〔同じく チャンコの一番弟子・古代(こだい)ウズメ!〕

 

〔同じくチャンコの弟子・京須心美(きょうすここみ) 私の蹴りを刻んで見せます!〕

 

〔WOODSの3人の後はおいら 磯部かんきちが相手だ!〕

 

〔このボク 染宮一二三(うたたね)もいるよ〕

 

〔私が一番最後に入門した鹿野瑠璃(しかのるり)です

私たち元日高一派新弟子三人衆が逃がしませんよ〕

 

十両の弟子達がオレをぐるりと取り囲んだ

背中で寝たふりを続けているジゼルをやつらに放り投げ

 

「いいだろう

全員まとめてかかってこい

ジゼル いい機会だ おまえも混ざれ

試合で見せた力が全てではないところを見せてみろ」

 

[はい!ハドラー様♡]

 

十両の弟子にジゼルを加えて7人が総がかりでかかってきたが

 

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

 

全員もれなく倒れ伏した

 

〔つ、強すぎる・・・〕

 

〔はあ はあ まさか ここまでとは〕

 

〔ーーー もう動けません・・・〕

 

「こんなところか

やはりまだ十両ほどの実力者はいなかったか」

 

未熟だがこれからの成長次第か

これでしばらくは立てまい

 

「さて仕上げだ

調理場を借りるぞ おまえたちはそのまま寝ていろ」

 

〔え そんな お客さんにそこまでしていただくわけには!っぐ・・・〕

 

「今更そこを気にしてどうする」

 

[ベホイミ!]

 

     パアア・・・

 

倒れていたジゼルが起き上がった

 

[ハドラー様お手伝いします♡

そうだ!

寮でハドラー様のエプロンを縫ってました

是非着てください!!リリルーラ!!]

 

    フッ

 

    フッ

 

手縫いのエプロンをもってやってきたジゼルの頼みを聞き

仕方なく着てみたが

 

〔ショッキングピンク・・・〕

 

〔フリフリのレースがいっぱい・・・〕

 

「エプロンに無駄な装飾が多いが」

 

[エプロンを縫うって言ったら寮のお姉ちゃんたちから

布やレースをいっぱいもらいました]

 

〔みんなジゼルが着ると思ったんだろうね〕

 

「まあいい さっさと とりかかるぞ」

 

[はい!ハドラー様♡]

 

下拵えをすませた持ち込んだ食材をだし

久しぶりにジゼルの力を借りた竜術で手早く料理し鍋に入れた

 

〔はやっ!〕

 

〔何をいれてるのかもほとんどわからない・・・〕

 

〔魔王がつくるちゃんこ鍋か、

いいにおいがするだけに余計に気になる〕

 

〔セッシャも動けないとは 不甲斐ない・・・

霧島殿のような戦々恐々とした料理でないのが救いでゴワス・・・〕

 

『戦々恐々とした料理とは一体・・・?』

 

知らん

後は加熱のみとなった鍋のひとつをジゼルに任せる

 

      グツグツグツ・・・

 

[ハドラー様 いつのまにこのような料理を?]

 

「おまえがいない間に この世界での料理屋で食した

竜の女王が週一回欠かさず食べにくるほどの料理と聞く

せいぜい楽しみにするがよい」

 

[はい!ハドラー様♡]

 

十両一門はまだうごけないようだがそろそろ料理できる

鍋をやつらの中心に置き 人数分の皿を用意する

 

「ジゼル 蓋をあけろ」

 

[はい!ハドラー様!]

 

     カパ・・・

 

〔うわあ いいにおい!ビーフシチューだったんだ!〕

 

においに誘われるように十両たちが体を起こしてきた

 

〔汗くさい稽古場のにおいが一新しましたね〕

 

〔はっはっはっ 我ながら現金なものでござるな

においだけで動けるようになるとは

ハドラー殿 稽古をつけていただき

またチャンコの支度までしてかたじけなく・・・〕

 

「礼はいい そのまま食え」

 

十両の礼の口上が長くなりそうだったので切り捨て

ジゼルに味見をさせる

 

[おいしいです!ハドラー様♡]

 

「よし 完成だ 食らうがいい」

 

    \\\いただきます!!!///

 

〔!なんと濃厚なうまみ!!〕

 

〔おいしい!〕

 

どいつもこいつもさっきまでくたばっていた割には大した食いっぷりだ

 

〔いいお肉をつかってそうですね〕

 

「水を足さずに竜術で食材からの水分のみでできる濃厚さだ

そして牛肉はテリーマンの牧場の肉だ

先日あの強さの元を探りに行った結果

牧場仕事を手伝う羽目になってな

その謝礼がわりにうけとった」

 

〔これはご飯がほしいですね〕

 

「米も今 炊けた

適当に混ぜて食うがいい」

 

〔あ 玄米ごはんだ〕

 

〔これは濃厚なシチューにちょうどいいですね〕

 

〔これはもうビーフシチューではなく

ハヤシライスなのでは?〕

 

「林フレンダのハヤシライスも参考にしている

スパイスはやつが使っているものに近い

米と野菜はウルフマンからおまえたちにと預かったものだ

やつの地元の食材と聞いている」

 

〔なんとあのレジェンドの超人スモウレスラーからとは!?

セッシャのことをご存じとは光栄でゴワス〕

 

「十両のファンと聞いている

活躍を期待している、とな」

 

〔よかったですね 師匠が憧れていた

超人横綱で親方のウルフマンさんからなんて〕

 

〔一層おいしく感じるでゴワスな〕

 

〔異世界の食材は使ってないんですか?

異世界ちゃんこ的な・・・〕

 

〔食材はすべてこの世界のものだ

オレやジゼルが平気でもおまえたち人間に無害とは限らないからな〕

 

「ウルフマンのところで過去の試合の映像もみてきたが

体の具合はどうだ十両

ケガを気にせず全力を出すのは久しぶりだろう」

 

〔はい まったく問題ないでゴワス!

ハドラー殿にはいくら感謝をしてもし足りないでゴワス〕

 

「そうか」

 

〔あの ハドラー殿

できればよいのでゴワスが・・・

こうしてリングを下りてマスクも外している今は

リングネームの十両ではなく本名のマルシアと

よんでいただきないのでゴワスが・・・〕

 

「いいだろう マルシアよ」

 

〔お、師匠ひょっとして・・・〕

 

〔あのマネージャーにすら全くなびかなかった師匠がまさか!?〕

 

〔あ、いや そういえば今のご時世ではこうやって

鍋を囲むことすら自粛を求められておりもうすが

セッシャの大きな体のせいで部屋の密度上がってしまうでゴワスな!〕

 

やや自虐的な笑いでごまかそうとしているマルシアだったが

 

「その恵まれた体は おまえを育てた親の慈愛や器量によるものだろう

そういう言い方をするものではない

その体がおまえの何よりの武器であり防具であろう」

 

ヒュンケルやダイのたくましさはアバンの指導もさることながら

何よりバルトスやブラスの育児があってこそだ

けっして恵まれた育児環境ではない

怪物しかいない地で人間の赤子を丈夫に育て上げたその器量

まったく オレの部下でありながら オレよりも遥かに大きいではないか・・・

 

『本当ですよね 私も尊敬しますよ』

 

・・・む?

 

    カアア・・・

 

マルシアの顔が鬼面道士よりも赤くなっていく

 

〔師匠、師匠!〕

 

〔これは本気で惚れた?!〕

 

〔流石子守り魔王

強くて お料理上手で 父性まであわせ持つなんて・・・〕

 

〔あの堅物な師匠に春が!?〕

 

〔これは全力で応援しないと!!〕

 

ひそひそ話のつもりのようだが丸聞こえだ

 

〔師匠 師匠 ここは積極的に寄り切らないと〕

 

〔な!?何を言っているでござるか!?

そんな妻子ある方に失礼でござるぞ!!〕

 

「語尾が変わっているぞマルシアよ

オレに子はいるが妻はいないが・・・」

 

[ハドラー様の妻になるのは私!!]

 

『あらあら あなたがジゼル以外からモテるなんて

この世界は面白いですね』

 

〔ハドラーさん ハドラーさん!

チャンコ部屋の専属トレーナーになりませんか!〕

 

〔そうですよ 稽古相手ができて ちゃんこが作れて

魔法でケガの治療ができるなんて天職ですよ!!〕

 

〔そしてゆくゆくは師匠と・・・〕

 

「オレはそこまで人間となれ合うつもりはない」

 

〔ええーー、ここは居心地の良いですよ〕

 

〔やめるでゴワスよ おぬしたち

気持ちは嬉しいがそのような無理を言っては・・・〕

 

「まあ断るかわりに マルシアよ

おまえがさらに強くなるためひとつだけ助言をやろう」

 

〔助言!心して聞くでゴワス!〕

 

マルシアが姿勢を正し耳を傾ける

 

「ウルフマンの所で見たお前の過去の試合だが

一時期から明らかに低迷していたが

その要因はケガだけではない

それを理由に強者との真剣勝負が減ったことにある」

 

    \\\!?///

 

〔特に弟子を持って弟子とのタッグ戦が増えてからは

弟子に合わせたような格下相手が多い

弟子の成長に目を見張るものがある一方で

おまえ自身の動きが試合中に精彩を欠く一方だ

先の組手でわかっただろうがおまえは自分よりも強い相手にこそ

自らを高め真価を発揮する」

 

〔たしかに女帝直下の皆と切磋琢磨し

神崎殿に挑んていたときがセッシャがのびていたのを実感していたでゴワスが・・・〕

 

「このまま指導者として生きていくのであればいいが

戦士として生きていくつもりなら・・・〕

 

〔部屋を解散しろと・・・?〕

 

〔そんな師匠!?〕

 

〔私たちにも師匠に何かできないんですか!?〕

 

〔くすぶっていた私たちを引き上げてくれたのは

間違いなく師匠のおかげです!!〕

 

〔アメリカから帰ってきて東女で途方に暮れそうだったオイラたちを

あたたかく迎えてくれた師匠に恩返しできないなんて江戸っ子の名折れだぜ!〕

 

「簡単なことだ おまえたち弟子がミス・十両よりも強くなればいい」

 

    \\\あ・・・///

 

「師にとって弟子が強くなり自分を越えることは念願であるが

師にとって最も負けたくない相手でもある

そういった切磋琢磨ができるかはおまえたち次第だ」

 

[私はハドラー様に勝つために強くなりますよ!

そしてハドラー様と結婚・・・♡]

 

〔あ ジゼルのそれってガチなんだ〕

 

「まあ それはありえんが

たしかにそれほどの力を見せれば

見る目が変わるのは確かだが」

 

〔ムムム・・・〕

 

〔師匠 そのムムムは何ですか?〕

 

〔・・・ハドラー殿

このコロナ騒動が落ち着き業界が動き出してからの話となりもうすが

セッシャがKOM王者 スペシャル小原殿に挑戦することができたら

その試合を見届けていただきたいでゴワス!

セッシャが弟子達と共に磨き上げた力を見てほしいでゴワス!!〕

 

〔おお師匠が積極的に!〕

 

〔もちろん私たちが全力でサポートします!!〕

 

〔このコロナ騒ぎの間にチャンコ部屋が急成長するチャンスにするよ!!〕

 

〔もちろん 篤美おねえちゃん!〕

 

〔ここでいきなりのおねえちゃんよびはやめて!〕

 

にぎやかなことだ

 

『本当にここのお世話をする仕事はしないのですか?

ジゼルがいないと退屈なのでしょう?』

 

今のジゼルには オレが近すぎては成長の妨げになる

見ろ オレの膝の上で飯を食っているこのたるんだ顔を

 

[おいしいです♡ハドラー様♡♡]

 

『幸せそうないいお顔ですね

いいじゃないですか あの試合のご褒美でこれぐらい』

 

こんな調子ではオレは倒せん 絶対にな

 

『倒されたら結婚するのですか?』

 

絶対に負けん

 

『そういって何度も負けて死んでるあなたの言葉より

私はこの笑顔の方が信じられますよ』

 

こ・・・こいつ・・・!!

 

『ふふっ あなたをひるませられるとは はじめてあなたに勝った気がしましたよ』

 




「ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編」ついにネタ切れとなりましたウジョーです

まあ来月発売のダイの大冒険Blu-rayBOXや ダイの大冒険新作アニメやゲームで
すぐまた書きたくなるでしょうが・・・
他にも書いてたコーセルテル編など 長いこと放置中の作品もあるのでしばらくはそっちに注力するつもりです

夏の暑さに雨の湿気に寒暖差と厳しい季節になりました
おつかれのでませんように

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