ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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女子プロレス編 デビュー戦に限り地の文はハドラーの台詞ではなく
リングアナウンサーの台詞になっております


女子プロレス編 デビュー戦 中編

さあリングでにらみ合う小学生体型のジゼルと力士体型のミス十両!

十両のマスクからのぞく眼光がジゼルをしっかりとらえている!!

ここからは試合前に収録した両者のVTRを見ながら試合を見ていきましょう

 

『私たちはまだこの放送見てませんね』

 

「ジゼルはまだ踏み込むことをためらっている

しばらく動きはなかろう」

 

  ー東京女子プロレス興行ー

 

 第1試合 ジゼルデビュー戦 タッグマッチ

  青コーナー メアリ ノートン

        ジゼル

 

〔リトルドラゴン・ジゼルは女子プロレスラーである

彼女が召喚された日本は今もまだ女子プロレス戦国時代である

彼女は愛するパパのために今日からリングで戦うのだ!

じゃあジゼル 一言どうぞ!〕

 

[私はハドラー様の補佐竜ジゼル

偉大なるハドラー様をお支えし、いずれはそのお力を超えるために

この東女の門を叩きました

メアリをタッグパートナーにできたことで

早速、大きくて強そうなミス十両さんと戦う機会を得ました

私のレベルアップのためにその胸お借りします]

 

   ー東京女子プロレス興行ー

第1試合 ジゼルデビュー戦 タッグマッチ

  赤コーナー ミス十両

        染宮一二三(そのみやうたたね)

 

〔いきなり師匠と戦おうなんて 流石に20年早いよ

自分より強くて大きい相手を狙うその意気込みは買うし

個人的には応援したいけどね

ここはボクが相手してあげるよ

アメリカではボクも自分より大きな相手と戦い続け

いつも日高さんにしごかれてたんだ

そして日本に帰ってからはチャンコ部屋で師匠にもまれて・・・

強くて大きい相手と戦い続けた経験値ならボクもちょっとしたもんさ!

師匠との初コンビの初戦をこの大会場でやれる機会をくれたお礼に手ほどきをしてあげよう!〕

 

〔セッシャもスモウレスラーとしてこの体でリングにあがり続けた自負があるでゴワス

そのセッシャを見込んで胸を借りたいというなら望むところでゴワスが

成長著しいメアリも要注意でゴワス

ここは新弟子の一二三との新コンビで堂々と相手になるでゴワス〕

 

 

 

 

「なるほど ジゼルにとっては勝ち目の薄い難敵ではあるが

得るものの大きな戦いとなりそうだな」

 

『ジゼルは大丈夫でしょうか?』

 

やはり今日がデビュー戦のジゼルには厳しいのでしょうか?

 

「そうだな もしジゼルが勝てるとすれば・・・

まずメアリとのチームワークがうまくかみ合うことは大前提だ

そして一二三が新弟子で初タッグと言っていたあたりに隙があれば

後はジゼルが十両の弱点をつくことができれば

あるいは・・・」

 

弱点、ですか?

 

「あの巨体を支える下半身、特にヒザ だな

人間の弱点をつける悪魔の残虐さと大胆さを

オレから受けついていれば見抜くことができるが・・・」

 

    ジリ・・・

 

おおっと 十両がじわりとジゼルとの距離をつめていく

 

   ダダダダダダ!!!

 

ああっとジゼルが動いた!!

十両の周りを走ってグルグル回りだしたぞ!!!

 

 

「あれは・・・」

 

『回復呪文・・・ですよね?』

 

「なるほど十両をリング中央まで寄ってこさせ

リングを丸く大きく使うつもりか」

 

これは速い!このスピードは東女でもトップクラスか!?

 

「あいつは火竜ではあるが風竜仕込みのスピードもある

その気になれば空中も舞えるが・・・」

 

     ブン!

 

[うわ!?]

 

十両の張り手!

空振りするもジゼルが描いた円が大きくゆがむ!

 

「軽く見せた攻撃に反応しすぎだ

つかまれば危険だが あれだけ大げさに動けば

すぐに自分が体勢を崩すぞ」

 

〔ジゼル! ロープやコーナーも使えるんだ!

リングをもっと大きく使ってゆさぶるんだ!!〕

 

[よーーし!]

 

   バッ!!

 

ジゼルがロープへとんだ!!

 

    グイーーーン!

 

そのままロープの反動を利用しての・・・

 

[ドラゴンカッター(とびひざげり)!!]

 

〔ムン!!!〕

 

    ズドォ!!

 

「ほう!」

 

ジゼルのドラゴンカッターが十両の正面どてっぱらに炸裂!!

 

〔ハアッ!!!!〕

 

      バァン!!

 

[えっ!?]

 

  \\\\\\オーーーー!!//////

 

なんと十両 正面からジゼルのドラゴンカッターを腹筋だけで跳ね返した!!

 

『そんな!?さっきは効いたのに!』

 

〔うっ!?〕

 

  グラ・・・  ズン!

 

十両片膝をついた!

流石にノーダメージとはいかなかったようだ!

 

「一応効いてはいたようだが・・・」

 

〔ぐ・・・〕

 

〔師匠!?〕

 

[いける!?]

 

ジゼルが再び十両にとびかかった!

 

     ガシィ!!

 

〔ドスコーーーイ!!〕

 

十両 ジゼルをキャッチ!

そのままジゼルを抱え上げて・・・

 

〔ライオンカッター!!!〕

 

    ドォオン!!!

 

〔ぬうぅ・・・!?〕

 

メアリがカットに入った!!

ジゼル危機一髪で脱出!

 

  \\\\\\ほーーー・・・//////

 

会場からためいき!

まだまだ勝負はこれからのようだ!!

 

[やっぱり!間違いない!!!]

 

ジゼル非常に低い体勢での素早いタックル!!

十両の足をとった!!!

 

「今の攻防で気づいたか やつの弱点に」

 

『あそこから どうするのでしょうか?』

 

     パアア・・・

 

光ったあ!?

ジゼルがタックルでつかんだ足から光があ!!

これはまさか魔法なのか!?

レフェリーがかけつけ ジゼルを十両から直接引き離した!

いったい今の光は何を意味するのか!?

十両は動かない!ぼうぜんと立っているようですがマスクで表情がよめません!

ジゼルはニュートラルコーナーでレフェリーから注意をうけています

 

〔師匠!タッチだ!

魔法の正体がわからない以上いったん下がって!〕

 

〔・・・・・・これは、

ならば・・・セッシャは・・・・・・〕

 

〔ジゼル!こっちも交代を・・・〕

 

     ドドド!!

 

あっとレフェリーがジゼルから離れたところへ十両が突進!

 

「速い!」

 

『いけません!!』

 

[ひ!?]

 

      ズル!

 

         ブワ!

 

    バアン!!!!!!

 

必殺の十両張り手が ギリギリかわしたジゼルの頭上を突き抜けコーナーに炸裂!!

鉄砲音が会場に鳴り響いた!!!

 

「かわしたというより

腰が抜けて倒れこんだ上を通過しただけだが」

 

『あれが直撃したらただではすみませんよ!

見てくださいあの真っ青なジゼルの顔を!

あんなの初めて見ましたよ!!』

 

「どうやら眠れる獅子を起こしてしまったようだ」

 

〔ジゼル!!タッチだ!!!こっちへ!!〕

 

   バッ! ゴロゴロゴロゴロ・・・

 

ジゼルが青コーナーへ転がりながら脱出!

 

     パン!

 

メアリと交代だ!!

 

〔よーし!いっくぞーー!!〕

 

[ハー・・・ ハー・・・ ハー・・・

・・・・・・・・・・・]

 

「ジゼルの心が折れたか

いや 知った、と言うべきか」

 

『何をですか?』

 

「恐怖、だ

十両の本気の一撃で あやつは生まれて初めての

真の恐怖を味わったのだ

これは後で十両に礼を言わねばならんな」

 

『そんな!?

あの子は柱にしがみついて震えているのですよ!!』

 

「本当に心が折れ 恐怖につぶされていればあそこにはおるまい

ここにはオレがいて 後ろには敵がいないのだ 逃げ道はいくらでもある

リングの端で 震えながらもあやつなりに

逃げるか戦うかのギリギリでせめぎあってるのだろう

その中でこそ磨かれるものがある

オレのもっとも苦手とするあの力がな・・・!」




結局前中後編になってしまいました 短くまとめるのが苦手なウジョーです

いざ試合が始まると勝手に動き出すのでそれを全て書こうとすると
これでもまだ書ききれないのがなんとも・・・

コロナ騒ぎがおさまらないせいか リングドリームの新作はいまだはじまる気配がなく
キン肉マンは休載状態になり 近場の温泉は休業になったりと
楽しみがどんどん削られながらの春ですが
病気に負けず 疲れをださず 健康第一で乗り切りましょう
 

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