超人一等祭に呼び集めたダイや黒川たち協力者を送り届け
会場の片付けも一区切りついた
サンシャインたちは次の祭りも視野にいれて動いているようだが
オレはそこまでこの世界に関わる気はない
この世界を去ることを伝え 祭りの主催者の一人として
サンシャインに預けた金の分の分け前を受け取ったが
正直この世界の金は特に使い道がない
かさばってもしょうがないと次の祭りにでも使えと返せばカードになって戻ってきた
いまだにこの世界のことはわからないことが多いが
とりあえず この世界でやることはなくなった
そして忙しさに追われているときはそれほどではなかったが
「く・・・・・・」
アバン戦での敗北の口惜しさが今になって染みる・・・
『え!?今頃ですか!?』
「悔しいものは悔しい
やはり強さを磨き続けねばこの悔しさは晴れん・・・」
[ハドラー様・・・私も、私も強くなりたい!
メアリやキン肉マングレートよりも!!]
ジゼルも祭りでの悔しさを忘れていないようだな
「そういうことなら自分を見つめ直すためにも
一度 元の世界に帰るか」
[コーセルテルですか?]
「いやオレや聖母竜が元々いた世界だ
デルムリン島に連れて行ったことがあるだろう
あの世界だ」
[あ~ ヒムちゃんたちのいた わかりました]
「ではいくぞ」
[はい!ハドラー様♡]
ガシィ!
「・・・そこまで抱きつくな
ギューーーーン!
オレはルーラで世界を越えた
目的地はバルジ島
かつてパプニカ王家が最後の拠点としたことから
フレイザード率いる氷炎魔団が制圧し、オレ自らが魔王軍を率い
ダイ達と戦い・・・敗れたところだ
今はあの戦いで死んだフレイザードを含めた
オレの子らの墓地となっている
そういえばかつては
「バルジ島をやつら(ダイ達)の墓場にするのだ!!」
などと言ったおぼえがあるが、皮肉なものだ
『あなたもそこで一度死んだのでしょう』
それはさておき アバンとの戦いでオレの体が崩れていたあのとき
たしかに・・・オレの体は我が子らに支えられた
あれだけではない
かつてのダイとの最終決戦時 アバンストラッシュクロスを受け
剣折れ 一度は倒れながらも もう一度立ち上がり
オレが悔いを残すことなく最後の超魔爆炎覇をだすことができたあのとき
・・・そしてバルジ島でヒュンケルがオレを殺したあの心臓への一撃
あの力を振り返るために あやつらに会いに行くとしよう・・・
ブオン!!
~バルジ島~
✨
ドーーーーーーーーン!!
[とお~~~ちゃく~~~!あ~なつかしいかんじ]
世界を超えオレたちはこの世界に帰って・・・
!?
「馬鹿な!?あれは バルジの塔だと!?」
オレはたしかにバルジ島に着いたのだがそこにはバルジの塔があった
[バルジ島にバルジの塔 どこか変ですか?
たしか紙芝居にもありましたよね
ここのことではないんですか?]
ジゼルの疑問に答えながら現状を把握していく
「あの塔は
更地になったこの島には黒の核晶コアが入っていた柱があるのみだった
だからこそ価値を失いオレの子らの墓地にできたのだ
しかもその墓がない!」
[え?え?]
そこにないはずなのに現存するバルジの塔
あるはずなのに消滅したバルトスやフレイザードらの墓と柱
そして・・・
「このヒュンケルのグランドクルスがつくった底なしの十字の崖はある
・・・・・・一体どういうことだ?」
更地となった後でもこの十字崖はのこっていた
かつての激戦の爪跡でありヒュンケルの成長の証でもあるこの十字崖の近くに
オレとヒュンケルでバルトスらの墓をつくっていたのだ
そして今、この島での戦闘は起きていないようだが
あの戦の跡がほかにも生々しく残った 更地になる前の見覚えのある景色であり
世界を覆う邪悪な大魔王の気配をたしかに感じる
もしやここは過去の・・・
!?
「馬鹿な!!?今!ここに近づいてくるこの気配は!?」
~某所~
‘’なんで俺が子守なんか……ブツブツ……
にしても人間のガキじゃないだけまだマシか
魔族のガキだとまだ手間が少なくて助かるぜ
全く、魔族のガキでこれだけ手間がかかるんだ。
バランの野郎はダイをあやすのに苦労したんだろうな
あのバルトスの兄貴はどんだけすげえのやら‘’
\ふやぁー!ふやぁー!/
‘’今度はなんだってんだ?
今度はオムツかよ、しかもでけえ方
お袋、出来れば早く帰ってきてくれ
あん?!この気配は・・・‘’
~バルジ島 十字の崖~
ザシャッ
[あ!あれは・・・
ひょっとしてこの間の紙芝居にでてた!]
オレの前に降り立った男は間違いない
「フレイザード!!!???」
かつて魔王軍 氷炎魔団の軍団長を任せた
オレの息子 氷炎将軍・・・フレイザード!
だがやつはダイとの戦いによりこのバルジ島で戦死したはず
しかもオレの知るやつよりも明らかに体の炎は煮えたぎるマグマのように熱く
氷の体も凍てつくように一段と強い!
さらに禁呪法で生みだしたやつとオレとの魔力のつながりがない
もしや別個体なのか?
‘’ハドラー様!
これはまた一段と いや・・・
そんな次元じゃないほどにパワーアップされたようで・・・‘’
オレを知っているということは やはりオレの知るフレイザードなのか?
だが同時にたしかな違和感もある ここは
「出迎えご苦労・・・!
フレイザードよ 今までおまえは何をしていた?」
とりあえず直接聞くことにした
もう何を聞いても驚かんぞ
‘’あれ?聞いてないんですかい お袋から?
ハドラー様の娘 俺からすりゃ妹を預かってますぜ‘’
「なんだと!!!!!?????」
『おもいっきり驚いてるじゃないですか』
[??]
墓参りにきたはずのオレ達は
死んだはずの息子に案内されるまま
消滅したはずのバルジの塔へ
存在しないはずの娘に会いに向かった・・・
令和あけましておめでとうございます
令和最初の更新は家族旅行の定番 墓参りを兼ねた里帰り編
・・・のはずですがいきなりの迷子です
久しぶりに帰ってみると微妙に景色がかわっていたり
変な道に入り込んでしまったり 知らない建物があったり なくなってたり
案内してくれる息子も雰囲気ちょっと変わって戸惑ったり・・・
まあそんなこともあるよねと次回に続きます