ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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超人一等祭 十一本目 ジゼルのお祭堪能記 3

  せがた三四郎      ウィンダム

 |――――――――――――――|

せ|ウルトラセブン |         |

が|ライダーRX   |せがた三四郎|ア

た|ゲシュペンスト |上様      |ギ

三|ガンダム    |         |ラ

四|          |         |

郎|――――――――――――――|

   せがた三四郎      ミクラス

 

 

{それは なんというかとんでもないのう}

 

【どうやっておさまるんだ それは・・・】

 

〔オレもその場で 将軍かよーー!!

とか言いたかったな〕

 

〔大将 本当に自重してよ・・・〕

 

「オレもその場にいれば乱入したかもしれんな」

 

『あなたも自重してください』

 

「遊びの道を極めた男と、民を統べる身で剣を振るう男か

我が宿敵を思い出すからな」

 

『あの人ですか 私には結びつきませんが』

 

(それで どうなったんですか?)

 

〔うん 一度はヒーローがみんな倒れて

これまでかも、て雰囲気になったけど・・・〕

 

[なんとか たちあがろうとするヒーローに

会場中からすごい応援があったの]

 

〔〔あれはすごかったな

まるで超人オリンピックの決勝戦ような

すさまじいもんだった

メアリもジゼルもノドが枯れるほど 

エールをおくってたぞ〕〕

 

〔いや~ あこがれのヒーローがボクたちの声に

応えてくれるてるみたいで もう必死だったよ〕

 

[ついつられちゃいました]

 

『ジゼルが私達や身内と無関係な者に

それほどの声援をおくるなんてはじめてのことでは?』

 

たしかに そうかもしれんな

 

〔そこから ついに・・・〕

 

 

 

“まだ立ち上がろうとするか・・・

三四郎よ これを使え”

 

    スッ

 

"上様!?"

 

“徳川の伝家の宝刀だ

お主なら使いこなせるだろう

一太刀で決めよ”

 

"ははっ!!

この居合いで いぇええええええい!!!!!!"

 

刀をうけとり胴着にたすきがけをした せがた三四郎の

目にも留まらない一閃をうけボールも斬撃のように飛んだ

 

〈リボルクラッシュ!〉〈ヴァンピーアレーザー!〉

〈ファンネルバリア!〉〈アイスラッガー!〉

 

    バチィイイン!!!!!

 

〈〈〈〈うおおおおおおおおおおお!!!!〉〉〉〉

 

・・・・・・・・・

 

会場そのものを揺るがす その日一番の衝撃

リング上ではヒーローが4人がかりで

ボールをキャッチしていた

 

"・・・俺の負けだ"

 

〈え!?〉

 

“民たちの声に応え 立ち上がり

仲間たちと協力し命がけで脅威に立ち向かった”

 

"だからこそ人は君たちをスーパーヒーローとよぶ

俺はその姿に感動したっ"

 

“民の平穏を守る者たちとこれ以上闘う道理はない”

 

スッ       ガチッ

 

せがた三四郎と将軍からの握手にヒーロー達も応じた

 

〈ありがとうございました せがたさん 上様〉

 

〈せがた先輩 あんたのキック 忘れねえぜ!〉

 

〈あなたがたに光の祝福のあらんことを〉

 

〈ありがとうございました オレは・・・

みなさんのおかげで かつてのわだかまりを越えて

また彼らと共に戦うことができました

オレが過去に犯した罪を生きて償うことができます

この実験室のフラスコの中で!〉

 

"おめでとうギリアム君

君の夢はこれからつながるんだ"

 

“ふふ どんなに時代がかわったとしても

絆とは絶えず続いていくもの

だからこそ顔を上げ 友と共に歩いていけばよい”

 

リングで交わされる握手とともに

バトルドッジボールは終了した

 

 

 

「それほどの激闘か やはりオレも直接見たかったな

しかし 握手か・・・」

 

『「さらばだ勇者ダイ 最期にせめてオレを倒した

その腕にふれさせてくれ」でしたっけ?』

 

やかましいぞ聖母竜!思い出さんでいい!!

 

{真剣勝負を通じてわかりあい そして握手}

 

〔まさにヒーローの王道だよね!!

ボクもリングで試合の後に握手をしたことがあるけど

あれがいい!!

断られちゃうこともあったけど だからこそ!!〕

 

{・・・昔 握手しようとしたバッファローマンが

悪魔に完全にとりつかれ いきなり襲われたり

悪魔将軍が握手のときに地獄の九所封じその八で

思考能力を奪われたりと、すんなりいかないことも

たびたびあったが だからこそ・・・

友情の握手は特別なものなのだ}

 

キン肉マンが自分のタコだらけの手をじっと見ている

 

サンシャインやミート ストロングマンたちも

自分の手に何か 思うことがあるのだろう

 

〔それでその後は リングの上だけじゃなくて

会場中のみんなで手をつないで歌って踊ったんだ!〕

 

〔オーレ手をつなごう♪〕[大切を 伝えるために♪]

 

歌いながらジゼルがオレの手もつないでくる

 

「オレはその場にいなくてよかった」

 

『さっきと言ってる事が違いますよ

いくらあなたが歌や踊りが残念だからって』

 

〔せがた三四郎はすごかったね

真剣に遊ぶことで強くなるんだもん〕

 

[あれからお祭も真剣に楽しみました]

 

〔今度セガサターン用のボタン電池を買っておこう〕

 

〔ボクも新しいパワーメモリーがほしくなっちゃった〕

 

{しかしドッジボールか ワシはやったことないのう}

 

〔俺は子供のとき学校でやってましたね〕

 

〔私もそうでしたね〕

 

{ワシが一方的に石を投げられたりしたことは

よくあったがのう}

 

〔キン肉マンが昔すごい苦労していたのは

有名な話だけど本当なんだね〕

 

{まあのう 幼いときにパパにブタと間違えられて

地球、日本に捨てられてからというもの・・・

誰も知る者も頼る者もいなかったこの世界は

けして やさしいものではなかった

人間たちからダメ超人ドジ超人とうしろ指をさされ

つまはじきにされつづけた生活はつらく惨めなものだった}

 

〔それは いつのまにか異世界につながった

この居酒屋どころではないですね〕

 

キン肉マンが酒を手に 涙ながらも

はっきりと語りだした

 

{だが・・・ウルトラマンに憧れ

牛丼を愛し プロレスを愛した

あの頃のわたしがいたからこそ

異邦人であるわたしに大和魂を教えてくれた

この国があったからこそ

今のワシがあり キン肉星大王としての務めを

果たすことが出来ている}

 

(王子、いえ大王様 本当に立派になられて

グス・・・・・・)

 

『本当に苦労していたのですね』

 

産み落とした後は死ぬまで人任せを

延々繰り返していた聖母竜が何を言うか

 

〔・・・ねえパパ、ううんストロングマンさん

キン肉マンさん ジゼル 聞いてくれる?〕

 

〔〔どうしたメアリ!?今更なんの遠慮がある

オレたちはもう身内だ!なあみんな!!〕〕

 

   \\おう!!!//

 

〔ペンチマン、レオパルドン、ゴーレムマン、

キャノンボーラー、フォーク・ザ・ジャイアント

ありがとう みんな・・・

えっとね ボク カナダ出身で天涯孤独だったんだ

一応保護者はいたし 命の危険とかはなかったから

キン肉マンさんに比べれば、全然恵まれていたよ〕

 

[・・・・・・]

 

ジゼルの表情が変わった あんな神妙な顔は珍しいな

 

〔向こうの学校では無視と意地悪の毎日で

ボクもケンカばかりしてさらに孤独になっていった

そんな逃避もあってか 特撮やアニメにのめり込んで

強い、ヒーローに憧れた

そう。弱いモノの味方で・・・

悪をバッタバッタとなぎ倒す、その姿に憧れたんだ

最初の頃は、助けてほしかった

いつか、ボクの前にもヒーローが現れて

ボクを守ってくれないかなって思ってたんだ〕

 

ポン、とメアリの頭にストロングマンが手を乗せた

 

〔でも日々は何も変わらなかった

ヒーローは日本にしかいないのかなって、

落ち込んでいたこともある、

結局、ボクは一人なのかって〕

 

ジゼルがオレを握る手に力が入る

 

〔そうしているウチに考え方がだんだん変わっていって

いくら待ってもヒーローが現れないなら

ボク自身がヒーローになれば良いんじゃないかなって

ヒーローになって、困難に立ち向かえば良いって!〕

 

ジゼルやストロングマン、キン肉マンらだけではない

サンシャインやシノブ、エーファまで泣いている

 

〔そんな時 ネットで日本の女子プロレスラー募集を見て

すぐ応募して それにはまわりも協力的で

追い出されるようにカナダを出て日本に来たんだ

そして、日本で・・・ボクは出会ったんだ

大切な仲間に。友達に。

ボクが今日ここにいるのはそんな大切な友達と

リングで精一杯闘って、勝ち抜いたご褒美

キン肉マンやウルトラマン、仮面ライダー達に憧れて

ボクはこの国に来て本当に 良かったよ〕

 

メアリの笑顔が ジゼルの何かに触れたのか

メアリにとびつくように抱きついた

 

『ああ・・・ ジゼルが自分から抱きつくなんて

私やあなたを除いては はじめてのことでは?

うう、寂しいです・・・』

 

そうだったか?

ええいメソメソするな聖母竜よ

他者との交流で得るものは大きい

おまえも知っているはずだろう

 

〔〔メアリ 改めてオレから言わせてほしい

おまえさんはもう自分の2本の足で逆境と闘う大人だ

若手とはいえ現役の女子プロレスラーとして活躍する

立派な社会人にこういう言い方がいいかはわからんが

オレはもうおまえさんを実の娘だと思っている

そしてストロングファミリーはみんな家族だ

これからもオレのことをパパと呼んでほしい!〕〕

 

〔ありがとう!パパ!!〕

 

    ガシィ ガシィ ガシィ

 

握手が次々とつながっていく

盛り上がっているな あいつら

ダイやヒュンケルは赤子の状態で

ブラスやバルトスに拾われ親子となったが

こういったケースははじめて見る

 

『いろんな親子のかたちがあるものなのですね』

 

{サンシャイン 礼を言わせてくれ

この祭がなければ彼女たちの出会いはなかった

そしてわたしもこの日本に恩返しをする機会を得た

だからこそ言いたい ありがとう}

 

【グオッフォフォフォ

正義超人の代表とも言えるキン肉星の大王が

悪魔超人に礼など言うものではない

それに悪魔には悪魔の思惑があり

おまえ達はそれに利用されているだけにすぎん

明日 祭の最終日におまえ達は知ることになる

せいぜい未知の恐怖に震えるがいい

グオッフォフォフォ~~~】

 

{ヒエ~~~おっかないのう

ワシは本場の上方落語のハシゴをしたいのだがのう

まあそれはさておき今日は思う存分

食って飲もうやサンちゃん

大将!牛丼おかわり!!}

 

(ぼくも おかわり!!)

 

そう!明日だ!!

このオレがサンシャイン達の企みに乗り

この祭に裏方として協力していたのは

明日のそのときのため・・・

クククたのしみだ 久しぶりに血が騒いできたぞ

ふたたびオレの手をつよく握ってきたジゼルに

 

「おまえにも働いてもらうぞ我が補佐竜ジゼルよ」

 

[はい ハドラーさま♡]




体育の日を前日になって思い出したウジョーです
10月10日のイメージが抜けてませんが折角なのでドッジボール編を書き上げました
書いているうち興が乗って当初の構想よりも思わぬところが膨らみすぎましたが
次は祭の最終日か、逆に開催前の祭の準備回をいれるかも

9月は涼しく10月の方がかえって暑いような気もする妙な気候に
昼夜の温度差と夏の疲れで体調が崩れやすいこの時期
おつかれのでませんように

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