ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

19 / 80
超人一等祭 七本目 電光石火 御面頂戴

[ジゼルダーイブ♡]

 

    ば!!

 

'お ひらりとかわした'

 

〔あまりお店の前で騒いでほしくないんだけど〕

 

[トベルーラ!!]

 

   ビュン!!

 

「むん!」

 

『ジゼルをうけとめてあげてくださいよ』

 

いや こやつ いつもと違うぞ

オレの胸ではなく 頭をねらって飛んできた

 

[えい!]

 

  パシュ

 

「ふん!」

 

ジゼルがとばしてきた玉状のものを

つかんでみたが

 

    パシュン!!

 

たやすく割れた 水風船かこれは?

とびちる水しぶきに目をつぶったが

 

[いただきます!]

 

「あまいわ!

その程度の動き 目をつぶってもかわせるわ!」

 

         ブン!  

 

なんだかわからんがジゼルがオレの首を狙うとは

・・・面白くなってきた!

 

  ヒュンヒュン!!

 

“本当に目をつぶったままかわしてる

あれって難しいのよね・・・”

 

'ってことは さすが武闘家 おまえもできんのね

おっかねえなあ・・・'

 

《ジゼルまだ手に何か持ってるね》

 

“お面・・・かしら?”

 

『ジゼルはどういうつもりでしょうか?

あの手にもっている仮面のようなものを

あなたにかぶせようとしているみたいですが』

 

ふむ・・・

たとえば 「般若の面」というものがあるが

体を強力な呪いで守備するかわりに 理性を失わせる道具だ

あの面からは何らかの力を感じる

オレにかぶせることで何かしらの効果を見込んでのことか?

 

[う~~ん やっぱりハドラーさまには届かない・・・]

 

    バチ!!

 

[あっ!?]

 

〔あら?

屋台のライトが消えちゃった

あ 発電機が止まってる〕

 

《あ!あれ!!ジゼルのスピードがあがってる》

 

 ギュンギュン ギューーーーン!!!

 

たしかに 電気をとりこみスピードは上がったが

この程度なら・・・

 

〔〔〔ペンチ・クロー!!〕〕〕

 

〔〔〔次鋒レオパルドンいきます!!〕〕〕

 

〔〔〔ゴアアアアア!!!〕〕〕

 

〔〔〔今だ兄貴!!!!〕〕〕

 

  ガシィ!   ガチィ!

 ガッ!!     ガシィ!!

 

「なにぃ!!?」

 

いきなりあらわれた超人たちに両手両足を押さえられた

こやつらはストロングマン一家の!?

 

〔〔強力スロー!!!!!〕〕

 

  ブオン!!!

 

[ジゼルダイブスペシャル!!!]

 

「くっ!?」

 

ストロングマンに投げられたジゼルが

凄まじいスピードでオレの顔面をめがけて飛んできた

これは避けきれん!

 

「いけ 蜘蛛の糸!!」

 

オレの左手からのびた蜘蛛の糸がジゼルを絡めとった

 

「まったく大したやつだ

数人がかりとはいえ オレに奥の手をださせるとは」

 

『ヘルズ・チェーンと違って

これなら殺傷力0ですからジゼルも大丈夫ですね

あのときの聖人おふたりに感謝です』

 

〔〔強力スロー!!!!!〕〕

 

  ブワン

 

〔メアリィキィイーーック!!〕

 

「なにぃ!?」

 

   ズゴア!!!

 

オレの顔面にメアリのドロップキックが刺さった

くっ こちらが本命か?!

強力超人4人が力づくで体捌きを封じ

ストロングマンを発射台にしたジゼルの突撃で注意を引き

見事オレに会心の一撃をあびせた

 

「だが!!」

 

   グアッ

 

〔うわあ!?〕

 

「なかなかいい鍛え方をしている!

小兵の人間とは思えん一撃だったが!」

 

首の力だけでメアリの蹴りを跳ね返した

!?

 

「しまった!!

今の隙にジゼルが蜘蛛の糸から脱出していた!」

 

    フッ

 

[ジゼルダイブ・改!!]

 

いきなりジゼルがオレの胸元にあらわれた

オレの体はまだ動かせない!

 

「ヘルズ・チェーン!!」

 

右手から伸ばした鎖が・・・

 

『いけませんっ!!』

 

    スパン

 

ジゼルのもっていた仮面を切り裂いた

 

[ああ!!?そんな!?]

 

〔〔そこまでだ!!〕〕

 

ストロングマンのさらに後からストップがかかった

そこにいたのは二人の超人

 

〔〔グロロー ハンゾウ 気持ちのいい勝負だったが

こういう場合はどうなるんだ?〕〕

 

〔〔トートトト 流石にここまでムキになる者がいるとは

想定外だったが・・・ お面が割れては失敗扱いだ〕〕

 

「どういうことだ?」

 

〔〔オレは元ノーリスペクト#2鬼畜超人ハンゾウ

この祭ではこの京都地区で 趣味を活かし

お面と折り紙の販売を行っている〕〕

 

〔さっきフォークの紹介で ハンゾウのとこで

ボクたちお面を買ったんだけど・・・〕

 

[その時に家族向けのゲームに誘われました

ゲームの内容を明かさずに家族の顔に買ったお面を

かぶせたら もう一つおそろいのお面をプレゼント

というものでした]

 

〔〔名付けて・・・御面頂戴!

トーーットトト!!〕〕

 

「ああ それでオレの顔を狙っていたのか

その仮面をかぶせることだけが目的だったと」

 

〔ボクのパパ(ストロングマン)は肩車を頼んだら

あっさりひっかかってくれたけど

ジゼルのパパは簡単にはいかないだろうと思って

いざとなったらみんなで協力しようってことになったんだ〕

 

「オレは子供相手に全力を惜しまん男だ!」

 

'大人げねえな・・・'

 

「おまえが言うか ポップよ

オレは オレの10分の1も生きていないおまえたちに

散々負けた上に 何度も死んだ男だぞ」

 

“まあまあ お互いケガもなく終わってよかったわ

ジゼルは残念だったけど またがんばろうね”

 

『ところであのハンゾウがつけているのが

例の般若の面、でしょうか』

 

たしかに見た目はそのとおりだが・・・

やつの仮面の奥からは多くの修羅場を経験しながらも

他者への敬意 不屈の魂を秘めている

般若の呪いにとりつかれた者ではありえんことだ

さて・・・

オレがまっぷたつに割った仮面を拾ってみた

 

「これは 緑色の魔族の顔か」

 

『あなたにまけないくらい 凶悪そうな顔ですね』

 

〔〔そいつは「違う世界の大魔王」の面だ〕〕

 

「ホウ それは他人とは思えんな

しかも不思議な力を感じる・・・」

 

〔〔トートトト、違いのわかる男だ

それも含め ひとつひとつがオレの手製

オレの超人パワーがうつったのだろう〕〕

 

一応 顔の右半分となった面を装備してみた

 

〔あ そうだハドラーさん!

その状態で魔王らしいことを なにか一言!!〕

 

「きさまの息の根をとめてやる!」

 

    \\おお~~!//

 

[ハドラーさま~ おそろい おそろい]

 

左半分となった面を装備したジゼルがはしゃいでいる

 

'おいハドラー

こんな店先で魔王の威厳とかだすなよ

お客さんが逃げちまうぜ'

 

「そうか では晩飯でも食いに行くか

ストロングマンたちもどうだ?

この京都にオレがサンシャインと出会った居酒屋がある」

 

〔よし!行こう!〕

 

《またね ハドラーじいちゃん!

聖母竜ばあちゃん!!》

 

『ええ また!』

 

〔〔まてジゼル ゲームの努力賞だ〕〕

 

 サ  サ   サ

 

“この店のチラシを一枚使って

何かの形に折り始めたわ”

 

〔〔ハンゾウ流 極意 雅! 風船玉ーーーっ!〕〕

 

   プオーーーーッ

 

〔〔もっていけ〕〕

 

[ありがとう!

見て見て ハドラーさまー!]

 

「ああ・・・見事な紙風船だ

では ここは任せたぞ黒川、

そして アバンの使徒どもよ」

 

異世界を越えた店主の屋台を後にし

オレたちが向かうのは・・・

異世界につながる店 居酒屋「のぶ」

 

 

 

 

  ジゼルは帯電体質をおぼえた




残暑お見舞い申し上げます
手術を明後日に 日付が変わったらもう明日になってしまうウジョーです
ついつい小説を書いたりしていましたが 現実からは逃げられません

まだまだ暑い日がつづきますがお疲れのでませんように

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。