ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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超人一等祭 五本目 ここだけの感動と興奮

さて 別の地区も見て回るか

京都はルーラで行けるが兵庫はまだ行った事がない

トベルーラで飛んでいってもよいがどうせなら・・・

 

「・・・ムッ」

 

随分と見知った顔がいた

 

゜・・・これは主催者殿・・・

ずいぶんとヒマそうで・・・

わざわざおいでになるとは・・・何用だ?゜

 

「・・・巡回というところだ ヒュンケル

兵庫地区への移動ついでに電車とやらに

乗っておこうと思ってな・・・」

 

゜ジゼルはどうしたハドラー まさか・・・

迷子になったのを放っておいたのではあるまいな!゜

 

「やつはストロングマンたちに預けてきた

ジゼルがあやつらのリングでの戦いに随分と魅せられてな・・・」

 

゜なんだとっ!!?

クッ!

こんなことならオレもリング担当にするべきだったか!?゜

 

こいつはたしか見世物のように戦えるほど器用ではないと

裏方に回ったと聞いていたが・・・

 

『ジゼルにいいところを見せたくなったのですね

その気持ちはよくわかります!』

 

゜・・・あいにくとこの電車は人間や飛行が苦手な者

土地勘のない者達が利用するための物だ

既に満席 わざわざおまえの為の席は用意できん

上・・・ならば乗ってもいいが゜

 

「・・・いいだろう」

 

電車・・・

オレたちの世界で使うトロッコに近いが

規模がかなりでかい

かなりの数の人間が乗っていた箱の上にオレは乗り込んだ

そこには1人だけ先客がいた

 

【ヘイ!ハドラー!

ここに座りな いい眺めだ】

 

ギクッ!

 

「・・・ア・・・テリーマンか」

 

この祭の準備に早くから参加している超人界の重鎮であり

サンシャインたちの宿敵である正義超人(レジェンド)のテリーマンがいた

 

【たまにヒュンケルも同じような顔をしているな

そんなにオレの声はユー達の知り合いに似ているのかい?】

 

「・・・そうだな 腐れ縁だが

一応この祭にも誘ったが・・・

奥方に にらまれて来れなかった男だ」

 

【ヒュ~~ッ そんなところもオレといっしょか!

会ってみたかったな その男に】

 

゜・・・テリーマン先生 この仕事が終わったら

オレにスピニング・トゥーホールドのかけ方を

教えてくれないか?゜

 

【オーケー ボーイ!リングに興味が湧いたかい

ユーなら、マイサン キッドのいいライバルになれそうだ】

 

たしかこの男の息子も超人レスラーだが今は旅立って

不在と聞いている

 

『息子さんが無事帰ってくることを信じているのですね』

 

――超人特急甲子園行き 間もなく発車いたします

危険ですから白線の内側までお下がりください――

 

【さあ時間だ ヒュンケル 頼んだぜ】

 

゜・・・ああ

ぬうううううううっ!!!

うおおおおおおおおおーーーーーーッ!!!゜

 

    ゴオオ

 

ヒュンケルが電車を手で押し滑走させた

 

「なかなかのスピードだな

やつの力ならこの程度はこなせるか」

 

【ハドラー わかっている筈だが

オレたちの役目は 線路上に何かあった場合の対応だ

いざというときは力づくで電車を止めることもある】

 

「無論その程度問題ないが・・・

現役を退いたとはいえおまえは超人界の重鎮なのだろう?

ずいぶんと地味な役割だな」

 

【この役割の必要性を言い出したのはそもそもオレだ

それに事故を未然に防ぐのは大事なことだ

この大阪は本来息子テリー・ザ・キッドが防衛を任され

愛する妻ナツコの故郷でもある大事な土地だ

キッドが留守の間はオレが最善を尽くすまでさ】

 

・・・この男 明らかに全盛期を過ぎた体のはずだが

とてつもない闘気を秘めている

 

『そんなところもアバンに似ていますか?』

 

一度は闘ってみたいものだ

 

   ゴオオオ

 

『せっかく面白い移動手段を使ってもジゼルがいなくては』

 

まあジゼルは一々いい反応をするからな

張り合いが違うのは確かだが

おまえはいい加減子離れをしろ

 

【この川を越えれば間もなく到着さ

スピードも落ちてきた いい力加減だ

前日まで特訓した成果だな

彼ならレスラーとしても教え甲斐がありそうだ】

 

「オレはやつを赤子の頃から知っているが

元々はたしかに普通の人間のはずだった・・・

やはりオレの息子がやつを拾い育てたのが

人間離れの切欠か・・・」

 

【たとえ人間の体でも 不屈の魂があれば

超人以上の力を発揮することがある

オレの最初の弟子・・・

ジェロニモがオレ達に教えてくれたことだ】

 

「サンシャインが言っていた元人間の勇者か

・・・ム 線路の先にだれかいる

あれは クロコダイン!」

 

【もうついたか お客さん!!

椅子にしっかり座って手すりにつかまり

ブレーキに備えるんだ!】

 

   ガシィ

 

〈・・・ようこそ 悪魔の棲む聖地 甲子園球場へ〉

 

【ナイスキャッチだったクロコダイン

ほとんどショックのないユーの強さと優しさ溢れる

やさしいブレーキだ】

 

〈それは光栄だ テリーマン殿

だが・・・ ここにはオレ以上の力自慢がいる

ハドラー殿も 退屈はするまい〉

 

「それは楽しみだ

純粋な力では魔王軍軍団長最強であった

獣王が認めるほどの豪傑か」

 

かつてオレが地底魔城でこしらえた闘技場に

つくりが近いが・・・

 

  \\\\ワー!!!ワー!!!////

 

この歓声 ・・・万単位の数の熱狂か

そしてこの甲子園球場とよばれたこの建物の禍々しさ・・・

 

『神々しさも感じますよ』

 

いったいどれほどの恐怖や絶望

歓喜と希望を生み育ててきたのか・・・

 

『お祭は大盛況のようですね』

 

「では いってくるか 腕が鳴る」

 

  ボキボキボキ

 

オレが客席に入ったところでちょうど何かイベントが

はじまるところだったようだ

球場の中心でマイクを持った男女の二人組みが

この会場を仕切っているようだ

あの巨漢の男 どうやら牛の獣人のようだが

見た目以上にとてつもない力を持っている

 

「あれがクロコダインの言っていた男か」

 

やはりその体は全盛期を越えているのだろうが・・・

百戦錬磨と苛烈な修業を経験し

千を超える傷と神をも越える力を秘めている・・・

 

『あなたより強いのですか?』

 

・・・・・・

 

【これより!!

ホームランダービー 2分間シングルマッチをおこなう

球数は無制限 ホームラン数のみを競う

主審はこのオレ

正義超人(レジェンド) 現ヘラクレスファクトリー教官

バッファローマン!

レフトポール線審は元ノーリスペクト

ボーン・コールド!!

ライトポール線審はボーンの父 怪人

キン骨マンだ!】

 

  \\\\ワー!!!ワー!!!////

 

【そして麗しのウグイス嬢は

元東京女子プロレス猛牛軍リーダー 筋肉参謀

バッファロー北村!!】

 

〔麗しのなんてはじめて言われたよ

しかもあのバッファローマンに なんだか照れくさいね・・・

ふふ これも筋肉の巡り合わせってやつかね

じゃあ早速打席に入ってもらうよ!!

スーパースターズ 1番 サード 岩鬼 正美!!

背番号5!!〕

 

〔ぬおおおおーーーー!!

世界のスーパースター男・岩鬼に自己紹介は不要やろ!!〕

 

 \\\\ワー!!!ワー!!!////

 

木の棒を10本ほど振り回しながらハッパをくわえた大男が入場してきた

 

『またいかにも力がありそうな人?が入ってきましたね』

 

ああいった規格外の人間は稀にいる

大抵は化け物扱いされるが 大した人気ではないか

 

〔さあ このホームランダービーで強打者二人に

対しますピッチャーは・・・

野球界のレジェンド 永遠の18番 岩田 鉄五郎!!!〕

 

 ドドオ ドオ ドオ

 

 \\\\\ワー!!!ワー!!!/////

 

一際でかい地鳴りのような声援がおきた

どうみても人間のおいぼれだがその名前におぼえがある

 

『たしか大虎で・・・』

 

ああいった古強者は手強い

マトリフ ブロキーナ・・・

やつらを彷彿とさせる歴戦の風格がある

 

〔わしの球は中学生でも打つで!!

打てなきゃユニフォームを脱げえ!!!〕

 

〔やったろうやないか!!!

わいが全球 場外へほうりこんだる!!!〕

 

【プレイボール!!!】

 

〔にょほほほほほほ!!!〕

 

独特なおたけびをあげる あのおいぼれ

だが投げた球に込められた強烈な闘気

やはりただものではない

 

『ものすごく遅い球に見えますが・・・

あれ蝿が止まっていませんか?』

 

だがあの岩鬼とやらはあきらかに体勢を崩した

あれではまともな反撃は・・・

 

〔喝!〕

 

 グワラグワララグアグワグワキーーーン!!

 

!?

すさまじい打球音とともに崩れた体勢のまま

棒で打ち返した球がこの球場の外へ飛んでいった

 

【ホームラン!!!】

 

その後も激しい攻防は続いた

空振りした勢いで投げた棒が中央にそびえる得点板に直撃し

観客席に入った打球に観客が群がり

 

 グワラグワキィーーーーン!!

 

〈ムヒョヒョ~~~!!?〉

 

 バーーーーン!!!!

 

キン骨マンに打球が直撃し体がバラバラになった

 

『あれ大丈夫なんですか!?』

 

みたところ骸骨系の怪人 コナゴナに砕けなければ問題なかろう

見ろ 逆方向にいる息子のボーン・コールドが大爆笑しているぞ

その一球、一打に球場が大いに沸いた

わずか2分の闘いだったがオレも手に汗を握る激しいものだった

 

『あなたが実際握ってるのビールですよね』

 

いつのまにか つい買っていたがそれはどうでもいい

 

〔にょほほほほほほほほほ ほ!!!〕

 

速い!!

時間的に最後の1球だろうが これまでで一番速い

 

〔ぬおおおおおおおおおーーーー!!!!〕

 

 グワラグワガキィーーーーーーン!!!

 

打球はバラバラになっているキン骨マンの真上

高くのびた棒の近くへ大きく曲がっていった

 

〈ファーーーーーーールだわさ!!〉

 

『頭だけでよくあんな大きな声が出せますね』

 

シャレコウベだけのモンスターもいるからな

 

〔岩田はん 今の1球 わいの完敗や

このとおりバット折られて球に押されてファール

ユニフォーム脱いで本気で引退考えるで〕

 

〔なにをぬかすかこわっぱが!!

折れたバットであれだけ飛ばした化けモンが

引退口にするのは50年早いわ!!〕

 

あのおいぼれ、岩田鉄五郎はそれ以上の化け物だがな

 

『やっぱり人間ってすごいですね』

 

 \\\ワー!! ワー!!!!///

 

〔今の岩鬼選手のホームラン数は10本

さあ 興奮冷めやらないうちにこの記録に挑むのは

バッター 景浦 安武! 背番号90!!!〕

 

〔きたーーー ムコどの~~~!!!!〕

 

〔いったれやあぶさん!!〕

 

〔あぶ~~~ 若造にもおいぼれにも負けんなー!!〕

 

『あ あちらの客席に大虎のみなさんが』

 

「あやつら大阪会場で見ないと思ったらここにいたのか」

 

あの男 年の頃なら岩田と岩鬼のちょうどあいだぐらいか

岩鬼ほどの大男ではないが無駄の無い筋肉と

長い棒を持ち静かに会場入りしてきた

 

「む?」

 

    グイ

 

何かをとりだし口にしていた あれは酒か?

 

  ブフォオ;`;:゙;` ;`;:゙;`

 

!?酒しぶきの奥からすさまじい眼光が見えた

あの鷹のような目と闘気 なるほど・・・面白くなりそうだ

 

『大虎のみなさんからあれほど信望されてましたから』

 

〔あぶ・・・ おまえには絶対に打たせん

わしがおまえをプロにスカウトしたが

この年寄りが投げよるのに 引退しおってからに

あぶ~~!!

わしに負けたら わしのチームにきてもらうで!!

しかもコーチや助監督なんぞで楽はさせん!

四番レフトでこきつかったる!!〕

 

〔・・・・・・〕

 

〔にょほほほほほほほほほ〕

 

 ビュシュ   ククク

 

球が落ちた!?まだあんな球が投げれたのか

 

 カキーーーーン

 

!!

 

一閃 あの男が持っていた木の棒が

まるで伝説の名剣のような切れ味を見せた

岩鬼のようなどんな体勢からでも豪腕で振りぬくような打ち方ではない

磐石の体勢から長い棒で的確に球を捉えた鋭い打球が

左翼の客席に突き刺さった

 

【ホームラン!!】

 

 \\\ワー!! ワー!! ワー!!!!///

 

『とんでもない騒ぎですね

お客さんもこれだけ巻き込むほどの魅力が

彼らの勝負にはあるのですか?』

 

 カシィ!!  カキーーーーン! ビシュ!!

 

〔ラスト一球! これでしまいじゃ あぶ!!

トシなんざ関係あるかい!野球は魂でやるもんだ!!

にょほほほほほほほほほほほ ほ!!!〕

 

〔!!〕

 

オレはすっかりこの師弟対決に見入っていた

・・・ジゼルにもこれは直接見せてやるべきだったか

 

『ふふっ あなたの心にも・・・

ジゼルは切り離せないようですね』




キン肉マンビッグボディの活躍がたまらないウジョーです。
メイプルリーフクラッチかっこよすぎる!
これはまたなにか書かねばおさまらないところですが
とりあえず8月発売のファイプロ最新作でエディット作成せねば・・・

連日の猛暑で気が遠くなりそうですが
しっかり食べて寝て夏を乗り越えましょう
無理せずお疲れのでませんように

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