ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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超人一等祭 四本目 善と悪の共闘 フロシャイム大阪出張所

大阪城特設リングでの試合が終わり

闘っていたものたちの治療を終えた後

ジゼルから メアリやストロングマン達と

しばらく行動を共にしたいと言ってきた

ジゼルが珍しく自分からオレから離れて

だれかと共にいたいと言い出すとは・・・

本当にこの祭に参加した甲斐があったというものだ

 

『・・・これが親離れの第一歩というものですか

・・・・・・・・・・・・・・・寂しいです』

 

おまえはいい加減子離れしろ 

ジゼルにリリルーラで適当に合流するように伝え

身軽になったところで巡回でもするとしよう

とりあえずこの大阪会場を回るか

 

現在この超人一等祭は 超人に縁の深い場所を中心に

三箇所で同時開催をしている

この大阪城を中心とした大阪会場

甲子園球場を中心とした兵庫会場

金閣寺を中心とした京都会場だ

各会場とも街ごと巻き込んだ大規模なもので

その分トラブルも多く見込まれ

対策としてオレ達が巡回を任されている

もっとも オレは担当区域や時間などはなく

専門の担当者よりかなり緩い扱いではあるが

とりあえずオレがにぎやかしに誘ったものたちの

様子を見てくるか・・・

 

まずは近くにある屋台の見知った顔へ声をかけた

 

「ヴァンプ将軍」

 

〈ああ ハドラーさん!

リングではご活躍だったそうで

お客さんの間で噂になってますよ

今は おひまなんですか?〉

 

「・・・戦場視察というところだ

おまえには屋台をひとつ預けているからな

ム?」

 

【まいど ヴァンプはん~ それにハドラーはんも】

 

〈あれ?イエローさん?お久しぶりですーっ

あ、そういえば大阪はイエローさんの地元でしたね〉

 

「イエロー?たしかに黄色いが・・・

きむらたくや、と名乗っていなかったか?」

 

【あ~イエローいうんは 以前ヒーローやってたとき

ウェザーイエローって名乗ってたんや

んで 本名はきむらたくや

建築の仕事で会うときはそれは本名 名乗りますやろ】

 

〈イエローさんは昔レッドさんと組んで

戦隊ヒーローをやってたんですよ

ほら 以前ハドラーさんが勝ったあのレッドさんと〉

 

「ほう あの男の仲間か」

 

【おお!レッドはんに勝ったんかいな!

ごっついガタイしとるし あのサンシャインはんの

お仲間やから強い思ってはったけど~】

 

「どうだ?適当なリングで一戦やってみるか」

 

【いやいやいや わては現役離れた「元」ヒーローでっせ

レッドはんに勝ったようなお人と戦えまっかいな~

今のわてはこういった屋台やリングの組立が本業や

よく大阪のプロレス団体のレスラーと間違われるんやけどな】

 

〈まあまあハドラーさん かつてイエローデビルといわれた

イエローさんの現役時代の闘い方は 凶器の使い方とか

ちびっこには刺激が強すぎますからこういったお祭にはちょっと・・・〉

 

「そうか ところで屋台の戦況はどうだ」

 

〈思ったより料理が好評で 今材料が切れちゃって

買出しが帰ってくるまでちょっと洗いものにかかりきりで

屋台の方はちょっとお休み中です〉

 

【あっ ヴァンプさん!】

 

〈あ~ 赤井さん!?〉

 

「? 知らん顔だな」

 

『え!?レッドさんではないのですか?』

 

いや天体戦士サンレッドではない たしかに赤いが・・・

 

〈赤井さんは隣町に住んでる方で

たまにスーパーでお会いするんですよ

レッドさんのようにヒーロー協会に

属しているヒーローではないそうですよ〉

 

【これは どうもはじめまして

ヴァンプさんとはタイムセールで何度か

争ったことがあります】

 

【へ~ わてがおらんようになってから

そんな戦場があったんやな~

レッドはんよりよっぽどヒーローっぽく見えまっせ】

 

【ヴァンプさんからは

お漬物のご指南いただいたこともありますよ

今日は宇宙超人委員会からこのお祭に

お誘いいただきまして 折角なので

お祭り中はチケットで色々買えるのは面白いですね

イベントに参加するだけでもらえますし】

 

「ほう どのようなものに参加した?」

 

こやつ かなりの力を秘めているようだが・・・

 

【私は炊き出しの調理に参加して

青木さんが大食い大会に参加しました

迷子を保護したときにもチケットをもらいましたね】

 

・・・ああ そういう方向性か

 

『あなたが預かっているチケットを

ストロングマンさん達にいくつか渡しておけば

よかったですね』

 

あいつらはファイトマネーがあるからいいだろうが

オレとしては持て余したこのチケットの束を

押し付ける先を探す必要があるか

 

『いっぱいありますけど 一応主催者側ですからね

下手に扱うわけにはいかないのが難しいです』

 

〔ヴァンプ様! 買ってきました!!〕

 

ヴァンプ将軍の手の者が帰ってきたか

 

〈あー、ご苦労様ヴァイヤー君   

ふんふふんふん~・・・

ハ!? ヴァイヤー君!ウチでソースっていったら

ウスターじゃなくて 中濃ソースでしょ!〉

 

【あ~ヴァンプはん 大阪にはあんま中濃ソースは

出回っとらんのや しかも色んなソース工場があって

川崎とはソースの品揃えが全然ちがうんや】

 

〈へー そうなんですか

ごめんね そしてありがとうヴァイヤー君

やっぱり川崎と大阪じゃ 売ってるものが違うのか

私も後で行ってみないとね

あっ そうだせっかくなのでこのウスターソースで

さっと一品つくるので味見してもらえませんか?

お代はいりませんから みなさんどうぞ

ヴァイヤー君 洗い物 お願いしてもいいかな?〉

 

〔お任せください ヴァンプ様!〕

 

「ほう 味見ならジゼルが適任だったが・・・

ヴァンプ将軍の実力 再び味わうのも一興か」

 

ヴァンプ将軍の手早い調理は参考になる

 

【お~~相変わらずの手際でんな~】

 

【屋台の設備でささっと色々作れるのもすごいですね】

 

〈いえいえ電子レンジが使えますから本当に助かってます

それにつくるのは簡単なものばっかりですから〉

 

   チーン

 

〈最後にウスターソースをさっと一振りして

はい できあがり~〉

 

「ほう もうできたか」

 

【これは 食卓に一品加えるのによさそうですね

ヴァンプさんどうしてこんな料理を思いつくんですか?】

 

〈だって私 一日の殆ど料理のことばっかり考えてるから

材料はヴァイヤー君に買ってきてもらったものだけど

お好みでアレンジを加えるのもいいですよ

とってもヘルシーでご家庭でもオススメです〉

 

【いや~~ うまいです~ ヴァンプはん~

おっと お客はんも集まってきてまっせ】

 

〈あら大変!?〉

 

【ヴァンプさん 私もお手伝いします!

エプロンは持参してますから】

 

「なぜある」

 

『あなたも持ってますよね』

 

【あ!ほなわてはコンロと鍋の追加を手配しまっせ

なにわのきむたく 本業で協力や さっきのお礼に】

 

〈うわ~ 助かります~〉

 

「オレはこの後も巡回があるから手を貸せんが

これを使え 適当に山分けする程度はある」

 

オレはチケットを1束渡し屋台の前をあけた

 

  \\あ!屋台にヒーローがいる!//

 

【〈え!?どこどこ?〉】

 

 \\\\ここや!!!////

 

【お客はんからの総ツッコミ おいしいですな

ヴァンプはんに赤井はん~】

 

・・・次に行くか

 

『そうですね』




ドカベン終了が寂しいウジョーです。
あぶさんがでなかったのは残念でしたが はじまりの三人の回想には
(このときリアルタイムでは私は生まれてすらいませんが)
色々とこみあげてくるものが・・・

タグが飽和状態で書けませんでしたが
今回登場の赤井さんは「居候の赤井さん」の主人公
主婦力MAX見た目は戦隊レッドな台所の守護神です
単行本2巻で終わってるのは惜しい面白さでした

早い梅雨明けに猛暑かと思ったところに記録的な長雨と
なんとも厳しい天候 お疲れの出ませんように

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