ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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受け継がれるもの

サンシャインらと別れ土産を手にデルムリン島へもどってきたが

ある光景を目にしたことでオレはあやつらのもとへ

 

         フッ

 

\\\\ ハ・・・ハドラー!!!! ////

 

「・・・ククッ 久しいな我が宿敵アバンの使徒よ・・・」

 

『ごきげんようダイ』

 

そこにいたのはダイ、ポップ、マァム、ブラスの4人

あのゴールデンメタルスライムがいないところを見るとまだ捜索の旅中か

 

〈ハドラーさま どうしてこのようなところに?〉

 

ブラスの疑問への答えに

 

「・・・実はデルムリン島に強力な竜があらわれてな

ヒュンケルとヒムが対応したがすでに・・・

クロコダインも加わったが長くは持たないだろう」

 

'なんだって!?そんなバカな!?ヒュンケルにヒム

クロコダインのおっさんの3人でも手に負えないなんて'

 

“まさか大魔王級の竜が!?”

 

《いそいで帰ろう!!デルムリン島へ!!!》

 

「よしおまえたち オレの手をとれ 案内する ・・・ルーラ!!!」

 

――――

 

《え おれんち!?ここにいるの?》

 

「気配を消してここから様子をうかがえ 迂闊に声をだすなよ」

 

ダイたちがそうっ と窓から家の中をのぞきこむ そこのいたのは

 

馬になってジゼルをあやす笑顔のヒュンケル

爆笑しながらそれを囲むヒムやクロコダイン、獣王遊撃隊たちだった

 

'え?なにこれどういう状況?'

 

“あんな顔で笑うヒュンケルはじめて見るわ”

 

混乱しつつも オレにふりむいたダイたちへ言ってやった

 

「別に嘘は言っておらんぞ やつらすっかり骨抜きになっているだろう

ちなみにヒュンケルの背にいる子供が術で姿を変えている子竜で

オレと聖母竜の娘 ジゼルだ」

 

〈なんとハドラーさまのご息女!?〉

 

'いつのまに!?'

 

“じゃあアルビナスたちの妹!?”

 

《聖母竜ばあちゃんの娘!?

えーと だとすると父さんの妹でもあるから・・・

なんていうんだっけ?》

 

『ダイからみると叔母にあたりますね』

 

「そしてブラスよ・・・ ジゼルを背に乗せている男を知っているか?」

 

〈ヒュンケル君ですか?

・・・ダイの兄弟子でアバンどのの一番弟子と聞いておりますが

ヒュンケル・・・ヒュンケルか・・・

そういえばどこかで聞いた名のような気も・・・・・・・〉

 

「バルトスの息子だ」

 

〈・・・そうかっ・・・ヒュンケル!!

その昔 魔王ハドラーさまのつくりだした軍最強の地獄の騎士

バルトスどのが育て上げた人間の少年の名が・・・

・・・ヒュンケルじゃった!!

あの地底魔城に光をもたらしていたあのときの赤子が

・・・バルトスどののご子息が・・・立派に・・・本当に立派になって

まさかわしの家で ハドラーさまのご息女をあやしているとは

・・・なんと・・・いう・・・・・・・まるであのときにかえったようじゃ〉

 

《ブラスじいちゃん・・・》

 

ブラスが泣き崩れ ダイが支える

 

「ポップ、マァムすまんがここに1000ゴールドほどある

これでやつらをねぎらう宴の買出しを頼めるか

ジゼルの世話の礼にと土産は用意していたが

これだけの人数がいてはとても足らん」

 

“わかったわ よろこんで”

 

サンシャインたちの祭りの支援に所持金の大半をあずけ

残った分をポップたちに押し付けた

まさか大魔王バーンもかつての拠点の金がダイたちのために

使われるとは思ってもいないだろう

持ち帰りに包まれたクシカツや煮込みの入った小鍋などは

オレがあたためておくとして・・・

 

「とりあえず中に入るか いくぞダイ ブラス」

 

'おっと 今のうちにヒュンケルをからかっておくか

買出しはその後でも・・・'

 

“・・・ポップぅ!また意地悪なことしないでよっ!!”

 

'・・・んなこと言われてもねェ・・・ケケケッ'

 

「やれやれにぎやかなことだ クククッ」

 

『フフッ 久しぶりにダイの楽しそうな顔が見れてなによりです』

 

その後宴の席でダイ達にサンシャイン達の開催する祭りへの参加と協力をとりつけ

それと引き換えに死者へ手紙を送る【お焚き上げ入稿】を伝授した

オレも今日のことはあらためて煙に乗せておくるとしよう

・・・オレが生み出しオレより先に死んでいったオレの子たちへ

 




超人一等祭にはやく手をつけくてちょっと駆け足気味のウジョーです

ハシゴの旅ネタはまた機会をみつけて書きたい気もしますがとりあえず前回で一区切り
今回はジゼルが生まれたときからいつか書きたかったブラス老とヒュンケルのおはなし
もっとじっくり宴のシーンも含め書ききれない気持ちもありますがどうにも難しい

一段と寒さ深まりまるで一気に冬になったような気さえしますが
風邪やインフルエンザがしのびよる一段と注意が必要な時期でもあります
お疲れのでませんように。

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