真「お、おう。何で投稿遅れた?」
ラ「ゆっくり実況見てました!」
真「ふざけんじゃねえ!」
ラ「新作のタイトルが決まらないよう」
真「黙ってろ」
ラ「暁可愛いね!」
真「・・・はあ。てか、そろそろ終わりそう?」
ラ「いや全然」
真「シリアスすぎるんだよ!」
ラ「しょうがないじゃん!では、どうぞ!」
真「強引だな!」
第八章第一話「近づく一歩」
まだ朝日も見えない早朝。
黒い衣に赤いマフラーを首に巻いた一人の少女が、森の中を走っていた。
濁った黒い瞳に、158cm程の体躯。
澄んだ清流を思わせる綺麗な黒髪は後ろで纏められており、走るたびに波打つ。
日本人形とも遜色ない美しさに、冷徹な表情。
殆ど表情が変わらない彼女は、腰に携えている小太刀に触れた。
柄は20cm程。
刃はおよそ75cmの小さな刀は、銘を村正と言う。
遥か昔に”妖刀”と言われる程の切れ味を持ち、不吉な過去を持つ。
不気味な、冷たい空気を纏わせるその刀を、少女はいつも持っていた。
父の形見だから。
呪術の達人でありながら、弟子の汚い罠に引っかかって死んだから。
自分はその弟子に逆らえないのだけれど。
少女ーーーー暁は、首に手を当てる。
赤いマフラーの下には、何かを抉り取られたような生々しい傷跡があった。
仲間って何だろう。
友達って何だろう。
強さって何だろう。
信頼って何だろう。
家族って何だろう。
世界って何だろう。
暁は幾つもの疑問を持ちながら、森を抜けたところで足を止めた。
柔らかい土をを足の裏で感じながら、少女はやっと明るくなり始めた空を見上げた。
人は、夜明け前を”暁”と言う。
人は、私の事を”暁”と言う。
それはきっとーーーー
「夜に、捕らわれているから・・・?」
少女は疑問を抱える。
何も映さない瞳には、茜色の大空さえ見えていなかった。
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「ふう・・・。」
鍾乳洞が天井に連なっているのを眺め、男はため息を付いた。
まさか、大きな人里丸丸一個に呪術をかける事になるとは。
「全く、紫は人使いが荒いなあ。」
長身の男、黄昏は服のボタンを緩めながら呟いた。
まあ、準備は終わった。
後は博麗の巫女が霊力を流せば、人里が潰れるだろう。
「後何回やれば良いのかねえ。」
苦笑いを浮かべながら、夜の始まりを意味する黄昏の名を持つものは呟いた。
夜の始まり。捕らわれた夜明け。
明ける事のない夜に、光は差し込むのかーーーーーー
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「楼符[彼岸桜]!」
東の空がうっすらと明るくなり始めた頃、俺は紅魔館の庭で剣を振っていた。
やろうとしているのは渦を設置せずに、刀に纏わせた霊力で放つ彼岸桜。
そして、そこから繋ぐ妖夢のスペカ。
黒い花弁が宙に舞い、桜ノ蕾から放たれる。
完全に全てが射出され、刀から黒い霊力が無くなった瞬間、俺は叫んだ。
「剣伎[桜花閃々]!」
遠くに散っていた花弁達が急に閃光を放ち、そこから幾筋もの弾幕が放出された。
本来ならば二つとも別々のスペルカード。
しかし、同じ桜の花弁と言う形状を利用した上でのコンボ。
新たな技が形に成った事に歓喜しながら、俺は桜ノ蕾を納刀した。
目を閉じ、息を付く。
百鬼夜行からもう一週間。
11月に突入し、しかしまだ何も起こっていない。
本題は、その後。
今日。
・・・初めて、魔理沙に対しての面会が許された。