東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

92 / 163
ラ「新作が・・・あと少しで出来る・・・!」
真「お、おう。何で投稿遅れた?」
ラ「ゆっくり実況見てました!」
真「ふざけんじゃねえ!」
ラ「新作のタイトルが決まらないよう」
真「黙ってろ」
ラ「暁可愛いね!」
真「・・・はあ。てか、そろそろ終わりそう?」
ラ「いや全然」
真「シリアスすぎるんだよ!」
ラ「しょうがないじゃん!では、どうぞ!」
真「強引だな!」


第八章「暁の刻」
第八章第一話「近づく一歩」


まだ朝日も見えない早朝。

黒い衣に赤いマフラーを首に巻いた一人の少女が、森の中を走っていた。

 

濁った黒い瞳に、158cm程の体躯。

澄んだ清流を思わせる綺麗な黒髪は後ろで纏められており、走るたびに波打つ。

日本人形とも遜色ない美しさに、冷徹な表情。

殆ど表情が変わらない彼女は、腰に携えている小太刀に触れた。

柄は20cm程。

刃はおよそ75cmの小さな刀は、銘を村正と言う。

遥か昔に”妖刀”と言われる程の切れ味を持ち、不吉な過去を持つ。

不気味な、冷たい空気を纏わせるその刀を、少女はいつも持っていた。

 

父の形見だから。

呪術の達人でありながら、弟子の汚い罠に引っかかって死んだから。

 

 

自分はその弟子に逆らえないのだけれど。

少女ーーーー暁は、首に手を当てる。

赤いマフラーの下には、何かを抉り取られたような生々しい傷跡があった。

 

仲間って何だろう。

友達って何だろう。

強さって何だろう。

信頼って何だろう。

家族って何だろう。

世界って何だろう。

 

 

暁は幾つもの疑問を持ちながら、森を抜けたところで足を止めた。

柔らかい土をを足の裏で感じながら、少女はやっと明るくなり始めた空を見上げた。

 

 

 

人は、夜明け前を”暁”と言う。

人は、私の事を”暁”と言う。

それはきっとーーーー

 

 

「夜に、捕らわれているから・・・?」

 

少女は疑問を抱える。

何も映さない瞳には、茜色の大空さえ見えていなかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふう・・・。」

 

鍾乳洞が天井に連なっているのを眺め、男はため息を付いた。

まさか、大きな人里丸丸一個に呪術をかける事になるとは。

 

「全く、紫は人使いが荒いなあ。」

 

長身の男、黄昏は服のボタンを緩めながら呟いた。

 

まあ、準備は終わった。

後は博麗の巫女が霊力を流せば、人里が潰れるだろう。

 

「後何回やれば良いのかねえ。」

 

苦笑いを浮かべながら、夜の始まりを意味する黄昏の名を持つものは呟いた。

 

 

 

 

 

夜の始まり。捕らわれた夜明け。

明ける事のない夜に、光は差し込むのかーーーーーー

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「楼符[彼岸桜]!」

東の空がうっすらと明るくなり始めた頃、俺は紅魔館の庭で剣を振っていた。

やろうとしているのは渦を設置せずに、刀に纏わせた霊力で放つ彼岸桜。

そして、そこから繋ぐ妖夢のスペカ。

 

黒い花弁が宙に舞い、桜ノ蕾から放たれる。

完全に全てが射出され、刀から黒い霊力が無くなった瞬間、俺は叫んだ。

 

「剣伎[桜花閃々]!」

 

遠くに散っていた花弁達が急に閃光を放ち、そこから幾筋もの弾幕が放出された。

本来ならば二つとも別々のスペルカード。

しかし、同じ桜の花弁と言う形状を利用した上でのコンボ。

 

新たな技が形に成った事に歓喜しながら、俺は桜ノ蕾を納刀した。

目を閉じ、息を付く。

 

百鬼夜行からもう一週間。

11月に突入し、しかしまだ何も起こっていない。

 

本題は、その後。

今日。

 

 

・・・初めて、魔理沙に対しての面会が許された。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。