実は・・・コラボしそうです!
まだ何時になるかは未定ですが、是非読んで下さいな。
真君の好物は缶詰です。隔です(意味深)
ゲフンゲフンなんでもないです
今回は短い&進まない
です。うわ、ダメじゃん。
では、どうぞ!
人里の、何の変哲も無い夜。
治安の良い大通りには、沢山の人で賑わっていた。
夜ご飯を食べに来たもの、はたまた遅めの買い物。
寺子屋や塾の帰り等か。ちらほらと子供の姿も見える。
何時もと同じ。
全てが平穏なまま、今宵も終わりを告げるのか。
否。
それらは一つの異分子によって壊される。
寺子屋の帰り、一人の幼い少女はそれを見た。
遥か上空。夜の闇に溶け込む様にして、次元が捻じ曲げられる。
沢山の眼が次元の隙間から人里を覗き込みながら、それは災厄を人里に齎した。
「お父さん、あれなーに?」
「どうしたんだい・・・?」
少女に話しかけられた父親は少女が指さす先、上空を見上げーーーーーー
ただ単に、叫んだ。
「ゥああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
その声に釣られ、人々は皆同様に空を望む。
一拍の間。
そしてもたらされるは、大いなる混乱。
人里中に色々な物が落ちる音、ぶつかる音、鳴き声や叫ぶ声。笑い始めた者まで居た。
彼らは何を見たのか?
簡単だ。
八つの長い首、大きな四足。
先が割れている舌を突き出し、そこから垂れる唾液は塩酸の様に地面を溶かす。
恐怖で身が竦む以前の問題。
人々は本能に逆らうことなく逃げまどう。
何も持たない人でも感じ取れる程の圧倒的な妖力。
威圧感。
そして、夜に人里の外へ出たらどうなるか。
『キシャアアアアア!!』
これもまた答えは簡単だ。妖怪に襲われる。
ただ、それでもまだ彼らは人里から逃れようとする。
たった一人の、少女を置いて。
「っ・・・って・・・待って・・・・よお・・・。」
かひゅ、かひゅと掠れた息を漏らし、少女は小さく弱弱しい手を伸ばす。
父親には見捨てられ。
人々には置き去りにされ。
更には体のあちこちを踏まれ、蹴られ・・・。
惨めに、無様に手を伸ばす事しか出来ない少女を嘲笑うかのように、八岐大蛇は隙間から這い出ようとする。
彼女の手を握る者はいない。
世界は無慈悲だ。
これが運命。止まる事のない歯車。
八岐大蛇が隙間から完全に体を出した。
その巨体で手を伸ばす少女を潰そうと。
真っ赤な花を咲かせようと。
「たすけてよーーーーーーー!!」
最後の叫びも空しく。
壱輪の真っ赤な花弁が、人里に美しく咲いた。
「”八岐大蛇の足を拒絶”しろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
赤き、全てを拒絶する霊力が花の様に少女を覆う。
あたかも、死ぬ事を”拒絶”しようとした彼女を護る様に。
紅の赤き霊力の花は、八岐大蛇の足を吹き飛ばした。
黒い鴉に乗った黒髪の少年は、蒼い光で周囲を照らしながら夜空を切り裂いていた。
そして、少年は蒼い光にその身を包みながら人里に降り立つ。
大通りに着地した瞬間加速した少年は、瞬く間に少女を抱きかかえていた。
そして、天音 真は優しく笑みを浮かべる。
「助けに来たよ。」
空を揺蕩い、誰にも握られることの無かった小さな掌は。
空を翔けた、一人の少年の手に包まれた。
八岐大蛇が大きく咆哮する。
人里を響かせる様な大声を、真は平然と受け流す。
大きく息を吐いた少年は、目を鋭く細める。
八岐大蛇を鋭く見据えるその眼は、憤怒に染まって居た。