真「おーい陽炎ちゃん。」
陽『陽炎ちゃん言うな!』
真「だってそんくらいの歳じゃん。」
陽『ほほーう?よし真、お前何歳だ?』
真「15歳だ!」
陽『私は18だ。敬え。』
真「・・・えっ」
ラ「合法ロr(殴」
真・・・真
陽・・・陽炎
ラ・・・ラギア事俺氏
それは、夢だった。
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幻夢は大きな敵の拳を避けていた。
それでも、当たる。
体が岩や土で出来た山の様な妖怪は、腕の色んな所から岩石を飛ばしたり、新たな腕を粘土の様に作ったりしている。
幻夢が霊力で壊しても、直ぐに治りその隙に攻撃されていた。
ああ、助けなければ。
そう思い、俺は走り出す。
でも、動けない。
『無駄だよ。』
「・・・陽炎。」
俺がそこに立っていると、空気が揺らめき陽炎が現れる。
そのまま陽炎は口を開き、淡々と言葉を紡いでいく。
『この世界は幻夢の魂の世界だ。・・・まあ、これが今の幻夢だよ。魂が魂の現状を確認する事なんて、本当にあるんだね・・・。』
「なあ陽炎、ここじゃ何もできないのか?」
『いや、私の能力があれば今すぐここに行けるよ。』
「じゃあ、早く『ただし、魂だけだけど。』
『私の能力は上書きされた現象を潰していくだけ。前提条件は潰せないから、魂でしかそこに行けないよ?簡単に言うとあんたが死ななきゃ行けない。行った所で何も出来ないだろうけど。』
「・・・じゃあ!ここで傍観してろって言うのか!?これは今実際に起きてるんだろ?なら、早くいかなきゃじゃないか!!」
『分かってるよ!少し黙れ!』
俺が叫ぶと、陽炎も叫び返した。
キッと俺を睨みつけた陽炎は、口を開いた。
『・・・場所は妖怪の山。遠いね・・・。今からあんたの眼を覚ます。』
「陽炎・・・!」
ため息をついた陽炎は、その体を空気に溶け込ませた。
そして俺は吸い込まれるようにして、意識が飛んで行った。
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簡単に着替えを終わらせた俺は、桜ノ蕾を掴んで走り出した。
皆を起こさない様に、それでもかなりの速度で白玉楼を走り抜ける。
『地面に着地する時に私を呼べ!それまでは自力で空を舞え!」
「了解・・・っ!!」
俺は靴を履くのももどかしく一気に玄関を飛び出した。
そして、長い長い階段の先にある黒い穴に躊躇なく飛び込む。
突如俺を襲う浮遊感、吹き付ける寒風。
そのまま地面に向かって突っ込んでいく俺は、幻想郷で一番高い山を望んだ。
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「蘭、少し出かけて来るわ。」
その女性は急に立ち上がった。
扇子を上品に携えたその女性は、一つの勾玉のペンダントを懐に入れる。
日が出ても無いのに日傘を取り出した彼女は、最後に付けたす。
「・・・霊夢達に言っといて。」
「天音 真は今日消えます、って。」