東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

75 / 163

真「おーい陽炎ちゃん。」
陽『陽炎ちゃん言うな!』
真「だってそんくらいの歳じゃん。」
陽『ほほーう?よし真、お前何歳だ?』
真「15歳だ!」
陽『私は18だ。敬え。』
真「・・・えっ」
ラ「合法ロr(殴」

真・・・真
陽・・・陽炎
ラ・・・ラギア事俺氏


第六章十一話「出陣」

それは、夢だった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

幻夢は大きな敵の拳を避けていた。

それでも、当たる。

体が岩や土で出来た山の様な妖怪は、腕の色んな所から岩石を飛ばしたり、新たな腕を粘土の様に作ったりしている。

幻夢が霊力で壊しても、直ぐに治りその隙に攻撃されていた。

ああ、助けなければ。

そう思い、俺は走り出す。

でも、動けない。

 

『無駄だよ。』

「・・・陽炎。」

 

俺がそこに立っていると、空気が揺らめき陽炎が現れる。

そのまま陽炎は口を開き、淡々と言葉を紡いでいく。

 

『この世界は幻夢の魂の世界だ。・・・まあ、これが今の幻夢だよ。魂が魂の現状を確認する事なんて、本当にあるんだね・・・。』

 

「なあ陽炎、ここじゃ何もできないのか?」

 

『いや、私の能力があれば今すぐここに行けるよ。』

「じゃあ、早く『ただし、魂だけだけど。』

 

『私の能力は上書きされた現象を潰していくだけ。前提条件は潰せないから、魂でしかそこに行けないよ?簡単に言うとあんたが死ななきゃ行けない。行った所で何も出来ないだろうけど。』

 

「・・・じゃあ!ここで傍観してろって言うのか!?これは今実際に起きてるんだろ?なら、早くいかなきゃじゃないか!!」

 

『分かってるよ!少し黙れ!』

 

俺が叫ぶと、陽炎も叫び返した。

キッと俺を睨みつけた陽炎は、口を開いた。

 

『・・・場所は妖怪の山。遠いね・・・。今からあんたの眼を覚ます。』

「陽炎・・・!」

 

ため息をついた陽炎は、その体を空気に溶け込ませた。

 

そして俺は吸い込まれるようにして、意識が飛んで行った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

簡単に着替えを終わらせた俺は、桜ノ蕾を掴んで走り出した。

皆を起こさない様に、それでもかなりの速度で白玉楼を走り抜ける。

 

『地面に着地する時に私を呼べ!それまでは自力で空を舞え!」

「了解・・・っ!!」

 

俺は靴を履くのももどかしく一気に玄関を飛び出した。

そして、長い長い階段の先にある黒い穴に躊躇なく飛び込む。

突如俺を襲う浮遊感、吹き付ける寒風。

そのまま地面に向かって突っ込んでいく俺は、幻想郷で一番高い山を望んだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「蘭、少し出かけて来るわ。」

その女性は急に立ち上がった。

扇子を上品に携えたその女性は、一つの勾玉のペンダントを懐に入れる。

日が出ても無いのに日傘を取り出した彼女は、最後に付けたす。

 

「・・・霊夢達に言っといて。」

 

 

 

「天音 真は今日消えます、って。」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。