東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
うん、この章すっごい蛇行しそう!
終わりのセラフ、面白いですね。
シノア可愛いです。異論は無しです。
短い、ですね。
技は完全オリジナルです、被ってたら偶然です。
であ、どうぞ!


第六章第九話「半月」

そして、一か月が経った。

来る日も来る日も真は剣を振り続け、自身に力を付けようとする。

咲夜もうどんげも、そして妖夢もとことん付き合った。

強くなろうと言う事に対しての真摯な姿勢に、彼女たちも全力で応えた。

桜ノ蕾は微塵も欠ける事無く、寧ろその鋭さを増して行っている。

しかし、魂魄剣術の壁は高い。

真は未だに二つしか覚えておらず、一回も勝てていない。

しかし、今日妖夢は決意した。

彼に、もう一歩踏み込ませようと。

超えられないなら、切り倒そうと。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「よーい、どん!」

いつもと同じように、昼飯が終わってからの手合わせが始まった。

相手はうどんげ。

気さくで良い人で、直ぐに仲良くなれた。

しかし戦闘能力はかなり高く、その兎の様に赤い瞳にはとある能力が備わっている。

それは、”狂気を操る程度の能力”。

厳密に言えば、”波長を操る程度の能力”だ。

波長、それは全ての物に備わっている物。

彼女は全ての波長を知り、自身が干渉出来るのであれば全てを支配する。

例え、人の脳であっても。

彼女の妖力弾は、常に深紅だ。

その弾に当たるとたちまち波長を操られるため、戦闘上絶対に当たってはならない。

というか、目も見てはならない。

そこで妖夢が編み出したのが、【頑張ろう修行】。

ルールは簡単。

目隠ししたまま妖夢の斬撃を耐え切ろう、だ。

常に心を落ち着かせ、相手の殺気に反応しなければならない修行は、大分辛かった。

 

 

 

今日からそれを実践投入している。

俺は桜ノ蕾を抜刀せずに、目を閉じる。

 

波一つ無い、静かな海岸。

そこに波紋を起こす、小さな小さな異分子をーーーーーーーー

 

 

全て、ぶった斬れ。

 

俺は右手をしならせるように引きながら、徐々に握る力を強くする。

剣が抜けると同時に全力で握り、それを振り払った。

風が唸り、確かな手応えが俺の腕に伝わる。

そのまま駆け出した俺は、一直線に振り下ろした。

 

魂魄一刀流、半月。

綺麗に半円を描くように繰り出された剣激は、直ぐに躱された。

しかし、ここからだ。

更に前進しながら、刀を全力で振り上げる。

「っ・・・!!」

うどんげが呼吸を詰めながら紙一重で躱すが、そこにも斬撃が繰り出された。

チッ、と刀の先が服を掠めるが、当たらない。

そのまま次の斬撃を放とうとする俺に、数回衝撃が入った。

 

それは勝負を終わらせる合図。

刀を納刀し、俺は口を開いた。

 

「ありがとうございました。」

「ん、ありがとうございました!」

 

ふー、と息を付き目を開けると、そこには勝ち誇った顔をしているうどんげの顔があった。

 

「まだまだだね、少年。」

「ち、ちくせう・・・!」

 

いやー、しかし危なかったよー!

と続けるうどんげを回避し、妖夢が近づいて来た。

 

「お疲れ様です。半月、綺麗でしたよ。」

「うん、ありがとう・・・。負けたけどね・・・。」

俺が絞り出すように答えると、妖夢は突然真剣な顔になった。

 

「すいません、少し付いて来てくれませんか?」

「え、あ、分かった。」

 

俺は妖夢の後ろを追いかけ、その場を後にした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は心臓を刺されていた。

「真さん、悪いですけど・・・死んでください。」

そう言って彼女は申し訳なさそうな顔をする。

深く突き刺さる楼観剣を携えるのは、白髪の少女。

 

 

ーーーーーーーーーー魂魄 妖夢だった。

 


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