オールシーズン掛布団一枚の俺氏に死角は無かった。
今日寒いですか?
俺としては丁度いい感じです。
窓から入る日差しが良いですねえ。
さっきゅんとみょんみょんが修羅場~。
今回、主人公目線で行くと幽々子様にム、とするかもしれません。
(しかし俺氏に文才はないので気にしなくて大丈夫です。)
夜にもう一本・・・行けるかなー?
では、どうぞ!
「妖夢が連れてきたのだから、貴方の強い意思、強くなるであろう可能性は疑わないわ。寧ろ、話を聞く限り妖夢がキチンと稽古を付けれるか心配になってる。」
幽々子さんはそこで言葉を切り、扇子を再び開いた。
「心配なのは、その覚悟。」
その一言が告げられた瞬間、とてつもない威圧感が空気を重くした。
レミリア様を遥かに凌駕する威厳に、俺は言葉を詰まらせる。
「今の貴方は、霊力が全く使えない普通の少年。そんな子が、初代が一人で行く事案を解決できるとでも?宿主、貴方にも言えない程危険な事なのよ?運が悪ければ、貴方が対して強くなれなかったら。死ぬかもしれない。」
再び月光が幽々子を照らす。
扇子に隠された顔には、冷たい眼差しが浮かんでいた。
澄んだ清水のように、全てを見抜くような紫色の瞳は俺を一直線に貫いている。
鼓動が段々と速まるのを感じながら、乾いた口を動かそうとする。
しかし、それよりも先に幽々子の口が開いた。
「でも、これは私の勘違いかもしれない。貴方には十分な覚悟と意思があるかもしれない。じゃあ、それをどうやって確かめる?教えてもらう?」
幽々子が自分自身に問いかけ、少しの静寂が場を支配した。
「”答えは簡単。貴方に答えて貰えば良い。”」
そう告げた幽々子は、自身の左手を軽く握った。
そして、ゆっくりと開く。
鮮やかな紫紺の奔流が手の上で渦巻き、蝶を生成した。
羽を動かし、掌の上で飛び続ける蝶は不気味な程に綺麗で、清々しいほどに恐ろしい。
すうっと左手を上げ、指先を俺に向けた幽々子は口を開く。
「答えは近くに。貴方自身の中に存在する。」
紫の蝶が飛び立ち、俺の心臓部分に触れた。
「解き放ちなさい。貴方の魂魄をーーーーー!」
静かに、強く放たれた言葉と同時に蝶は俺の体内へと入り、直ぐに俺の視界が黒に染まる。
糸が切れたように動かなくなった真を見つめた幽々子は、とある霊を呼んだ。
「貴方には、これからも迷惑をかけるわねえ。」
白い体を宙に漂わせる霊に、幽々子は手を乗せる。
「宜しくね。・・・・西行寺 幽々子。」
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「お嬢様ー!真がまた居なくなりましたあああ!!」
「落ち着け咲夜ああああああ!!」
バアン!!と扉を打ち破り入ってくるや突然叫んだ己の従者に、レミリアは叫び返す。
しかしその従者は凄いもんで、手にもつ紅茶は一滴も零していない。
というか、揺らしてもいない。
「んとね、真は今白玉楼よ。」
「・・・あの絶壁魂魄め(ボソッ」
ああ、言っては行けないことを言ってしまったかしら。
レミリアは自身の犯した過ちに頭を痛めながら、従者の殺気を抑えようとする。
「さっき、幽々子から連絡があったわ。少し預かるわよー、だって。」
「どんくらいですかね?」
間髪入れずに帰してくる咲夜は、紅茶をテーブルに置く。
そこまでは良いのだが、次は懐中時計と銀のナイフをフルセットで持って来たではないか。
「・・・・さあ?」
「お嬢様、休暇を貰っても宜しいでしょうか?」
・・・小さいころから一緒に居るからか、こうなった咲夜は止められないとレミリアは分かっていた。
しかしそれでも主。
一応聞いてみたりしてみる所が、レミリアの良さだろう。
「・・・どのくらい?」
それを聞いた咲夜は懐中時計の文字盤から目を離し、レミリアに体を向ける。
そして殺気に満ち溢れた微笑を浮かべ、一礼した。
「少し、です。」