東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
いやあ、急に出かけるぞ!
とかなって帰ってきたのが十一時・・・。
短いです。
では、どうぞ!


第五章第十三話「目覚めぬは魂の世界故」

「お嬢様、大丈夫でしょうか・・・?」

「多分ね。あの医者の腕は確かだし、大丈夫だよ。」

咲夜が問いかけ、レミリアが答える。

ここは真が来てから良く通うようになった病院だ。

紅魔館の運営はパチュリーに任せ、レミリア、咲夜は何日間もここに留まっている。

新たに家族となった天音 真。

彼が再び大怪我をし、入院したのだ。

大量出血。粉砕骨折。神経、血管がブチブチに千切れている。

脳に被害を受けたか、単に疲労か。

ここ数日、真の容態は安定しない。

時折、苦しそうに唸る事があれば、安らかに眠っている時もある。

白いベッドの上、日焼けで黒くなった肌が白くなって行くのは、咲夜に不安を抱かせるには十分だった。

レミリアも、十分に疲れているだろう。

真が寝ているのならば、彼女は全く寝ていなかった。

ずっと置き続け、真の隣に座っている。

自身の眷属にすれば、直ぐに真は起き上がるだろう。

・・・彼に、魔力があったら、だが。

霊力と魔力は決して相容れない仲。

無理に同時使用すれば、それこそ体が吹き飛ぶだろう。

難しい顔をしながら、レミリアは己の無力さに嘆いていた。

 

(・・・もう少し、早く着けていれば。気づけていれば・・・!)

 

奥歯を噛みしめ、瞳を鋭く細める。

 

(いや、それは強者の驕りか。・・・私に、何も言う権利は無い、か。)

 

体から力を抜いたレミリアは、初めて椅子を立った。

「ちょっと外に出てくる。・・・咲夜、頼んだわよ」

「畏まりました。行ってらっしゃいませ、お嬢様。」

咲夜は深々と頭を下げる。

レミリアは病室のドアを静かに開け、閉める。

真と咲夜。

二人っきりの病室は、いささか寂しい物だった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「あんたはっ・・・馬鹿か!」

「ごめんなさい!」

幻夢が叫ぶと同時に、俺は頭を下げる。

白い世界。

魂が死に最も近づいた時に干渉できる。

あんな無茶をしたのだ。

まあ死にかけるのも当然。怒られるのも当然だ。

肩を竦めながら、俺は幻夢の説教を聞いていた。

「ったく・・・。少しは自分の事も考えなさい。」

「は、はい・・・。」

幻夢は流石に疲れたのか、ドサッと胡坐を掻いた。

俺も正座を少し崩す。

「はあ、暇だねえ。生憎ここには何も無いよ。」

「ですねー。 ・・・戦えます?」

俺が尋ねると、幻夢は素晴らしい笑顔で俺を睨みつけた。

「馬鹿かい?真。少し休みなさい!」

最後にボコッと殴り、幻夢は大きく息を吐いた。

「・・・ま、することも無い。かかって来な!」

立ち上がり、少し距離を取る。

幻夢が霊力を纏うのと同時に、俺も一言。

「バースト!」

霊力が、体に回り始める。

出力、5%。

 

「今回は、色々ダメなとこを教える。・・・ま、稽古だ。」

「はい。」

「さあ・・・・行くよっ!!」

「はい!」

 

逃げるな。攻めろ。

逃げるな。守れ。

幻夢の拳に掌底を合わせ、パアン!と高い音が鳴る。

そこから、霊力全開の猛攻が始まった。

 


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