東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
はい、最終話ですねー。
おや・・・?
これくらい投稿が早いと言う事は・・・?
では、どうぞ!


第四章最終話「終結」

大爆発。

右腕から大量に溢れ出した霊力は純粋な力の波となり、辺りの物全てを消し去った。

地面には大穴、周りの草木は全て根元から倒れている。

光の余韻を残しながら、俺は右腕を垂らす。

恐らく骨は全て折れているだろう。

血管も千切れているだろう。

言葉では表せない程の激痛が、俺の右腕から体全体を蝕む。

動かない。

動けない。

俺は右腕をそのまま、痛みに耐えつつ魔理沙を呼ぼうとするがーーー

 

「おっと、動いちゃダメだぜ」

 

もう魔理沙は俺の隣に来て、回復薬を準備していた。

「これは・・・すげえキッツイかもだけど頑張って飲むんだぜ!」

コルクを親指で弾くようにして開け、俺の口の中に緑のドロオとした液体を流し込む。

・・・不味い。

何も言えない。ただただ、不味い・・・。

その分、体が楽になるのを感じた俺は顔を上げる。

爛漸苦は、あの爆発で大ダメージを負ったはずだ。

・・・仕留められたか・・・?

そんな俺の思いを他所に、遥か遠くの方で地面が盛り上がった。

べゴ、ズブと。

土をかき分け、泥を押しのけ出てきたのは。

・・・爛漸苦、だった。

でも、あっちも無傷ではなく、腕をダランと下げ、背を曲げながら足を引きずるように歩いてくる。

最早魔力を使うことも出来なくなっていた爛漸苦は、背を伸ばす。

腹にはーーー大穴。

最後の魔力を引き絞ったのか、傷口には無残な火傷がある。

そのおかげ、と言うべきか血は止まっていた。

「まだ・・・まだ・・・まだだ・・!」

爛漸苦の体に、混沌が集まり始める。

今迄から見たら、子供のお遊びみたいな量の混沌が。

それを見た俺は、体を無理やり起こす。

背中がバギバギ言い、全身が嫌な音を出す。

そして、左手に全力で霊力を流し始める。

薄くなり始めていた蒼い霊力は、また息吹を取り戻す。

こちらもさっきまでの量とは行かない。

右腕をダランと垂らしたまま、俺は構えた。

爛漸苦に混沌が纏わり、そのエネルギーが爛漸苦を加速させるーーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

トン。

 

 

 

 

 

突如、上空から赤と黒の閃光が太陽の光を反射しながら落ちてきた。

そして、加速しようとしていた爛漸苦の。

 

首を、胴体と離した。

 

地面に音もなく着地したのは、一人の少女だった。

半分が赤、半分が黒。

髪を簪で纏め、後ろで下げている。

162cm程の小柄な少女は、かなりの美少女で。

 

でも、その眼は破壊の時の俺より、黒くて、底が見えなくて。

 

マフラーをたなびかせながら、朝日を背に少女はこちらを向いた。

その右手には少女には似合わない武骨な日本刀。

紫色の焔を立ち昇らせている。

 

「・・・誰だよ・・・お前・・・」

強い。

その少女の見えない強さに圧倒されつつ、俺は尋ねた。

少女は刀を鞘に納め、口を開く。

「暁。」

それを言い終えた少女の眼は、とても悲しそうで。

俺が何も言えずに居ると、その少女はぶつぶつと何かを唱える。

すると、紫色の焔が暁と名乗る少女を包み込み。

それが消えると、少女は居なくなっていた。

 

俺の、目の前が暗くなっていく。

「真!?おい、真!」

魔理沙の声と共に、俺は深い闇に落ちていった。


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