東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
眠い・・・。
フランとレミリアって可愛いですよね(突然のロリコン発言
まあ、本命は勿論妖夢ですがね!(聞いていない

え?ヒロインが本当に妖夢なのか?
・・・出てきてないだけです。はい。
大丈夫!次の章では出てくるよ!
では、どうぞ!


第四章第十二話「覚醒」

気づけば、俺はまたそこに立っていた。

暗く、奥が見えない空間。

隣にあるのは青白い大きな水晶。

俺は水晶に近づき、手を当てる。

・・・水晶は、今までの輝きを忘れたように、ただただ其処にそびえ立っていた。

光の無い闇の中で、唯一光っていたそれは、その面影を残していなかった。

混沌に飲み込まれ、俺はそれに押しつぶされたんじゃないのか?

何で、ここに来ている。

「よう、俺」

右の方から、自分の声が聞こえてくる。

そこには一枚のガラスの壁のような物、そしてその向こうには。

やはり、黒い俺がいた。

あっちにある水晶は黒く、黒く、光っていた。

今の力の本質があちらにある事がわかる。

「さあ、混沌に飲み込まれて、ここに来たわけだが。」

黒い俺は離し始める。

「あっちに戻った直後に、混沌を自分の体から吹き飛ばさないと・・・ま、」

 

「死ぬな」

当たり前のように告げられた事に、俺は背中を震わせる。

爛漸苦の、力・・・最大の必殺技であろうこれを、吹き飛ばす?

無理だ。

鬼丸、羅刹の生成が間に合わない。

右腕を犠牲にして放つ霊力の大規模爆発も、体全体に纏わりつく混沌を消し去るのは不可能だ。

いや、出来ないことも無いかもしれない。

でも、チャンスは一瞬。

あまり悠長に、不確定要素を試している時間はない。

俺がそこで考えていると、黒い俺は一つ、提案をする。

「まあ、このまま破壊に身を委ねれば混沌も全て破壊してやるよ。その分、全てを壊すまで止まらねえけどな」

 

「・・・それじゃあ、ダメなんだよ。」

俺はつぶやく。

「俺は、壊すために力を使わない。守る為に力を使うんだ・・・一瞬かぎり自分を守ったって、次に皆を倒しに行くなら、それは間違った力の使い方だ。力のある者が、どうやって力を扱うか、で色々変わるんだ。」

暗闇の中、俺は向こう側の俺を睨みつける。

「お前のは、一番ダメなやり方だ。」

「じゃあ、どーすんだよ?」

向こう側の俺は乱暴に頭を掻きながら問いただしてくる。

「爛漸苦も、こっちの俺も。照らさないで暗闇にするんだ。今のお前の理論は、白い霊力しか使えないぜ?」

つまり、今のままでは力が足りないと言う事だ。

でも。

俺の理論は。

”絶対理論”は、そんなんじゃない。

「・・・あのさ、俺。変な事言うぜ?」

一回深く息を吸い、吐き出す。

本末転倒だ。

さっきまでの俺を否定している。

でも、行きつく先は同じ。

「光も、闇も。・・・照らせると、思うんだよ。」

「は?」

「それに、光で、闇にすることも出来ると思うんだよ。」

俺は一歩、ガラスの壁に近づく。

「光は、照らしたい所に光を当てれば、照らせる。・・・闇は、照らしたい所以外を塗りつぶせば、一部分を明るく・・・照らしてる。」

更に一歩、踏み出す。

右手を上げ、力を入れながら。

「光は、闇にしたい所以外を照らせば、一部分を闇に出来る。・・・要は、力の使い方だ。」

 

「光も闇も!破壊の力も、守る力も!紅魔館を照らす事が出来るんだよ!」

 

「折角、照らせる力が二つあって、力が使えて、使い方がわかるんだ!助けたい人がいるんだ!」

 

ガラスの壁に一歩近づき、手が届く範囲に来たところで、俺は右手を高く振りかぶりーーー

思いっきり、壁に拳を打ち付ける。

バギィィ!!

と轟音が鳴り、壁にひびが入る。

散った破片は空に舞い、高い音を立てて地面に落ちる。

俺の思いに呼応してか、水晶が再び輝きを取り戻す。

煌々と輝き始めた青白い水晶は、暗闇を照らす。

「お前の力をーーー」

俺は再び、右手を振り上げる。

「俺に、寄越せええええ!!」

渾身の力で放った拳は、壁にぶつかりーーーそのまま、吹き飛ばす。

散った破片は水晶の輝きを反射し、煌めく。

向こうの俺は、驚いた顔をしてーーー直ぐに、ニヤッと笑う。

「闇でも、照らせる、か・・・面白いやつだな、俺。」

向こうも此方に近づいて来て、俺に向き合う。

「良いぜ。力をお前に渡す。・・・ここまで言って、お前と正反対の俺の力をお前に渡すんだ。」

俺の左胸にドン、と拳を打ち付けてくる。

「負けんじゃねえぞ」

俺は向こうの俺の胸に拳をドン、とぶつけ返す。

「わーってるよ!」

ニッと笑う俺は、段々と世界が回り始めるのを感じていた。

二つの力が、一つになる。

世界が加速し、廻り始めるーーー!!

 

 

俺は、目を開いた。

迫りくる混沌に目を向けつつ。

自分の中で今にも暴れだしそうな程の莫大な力を感じる。

 

さあ。今。

 

解き放てーーーー!!

 

「バアアアアストオオオ!!」

蒼い光が、俺の体を包み込むーーーー!

 


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