東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

35 / 163
どうも!ラギアです!
ふう、チートチート。
鬼丸ェ・・・
うーん、盛り上がるのは次・・・か次の次ですね。
ああ、また少し減速してきやがった・・・
動け!我が発想力のエンジン!
では、どうぞ!


第四章十一話「闇夜に光を・惨」

鬼丸は黒い霊力を煙のように立ち昇らせながらその存在感、攻撃力を支持している。

吹き飛ばされたレミリア様が少し身じろぐほどに。

俺は少し身を屈め、足の指で地面を掴む。

地面が割れ、俺はそれと同時に思いっきり地を蹴った。

突如の、急加速。

鬼丸を構え、走りながら横に薙ぐ。

レミリア様は急いで槍を生成する。

さすがだ。この加速に目が追いつくだなんて。

でも。

ーーー遅いですよ

 

俺は鬼丸に破壊の霊力を、ぶつかる瞬間に最大限流した。

重さが増し、俺は両手で鬼丸を持った。

ゴオオオオ!

と空を切り振り回された大剣は紅の槍を砕き、その柔い横腹に刃を入れる。

「・・・っ!!」

しかし俺は刃を今までとは逆の方向に振る。

俺は、何をしてるんだ・・・。

敵は、爛漸苦だけだろうが・・・!

破壊の思念を保てなくなった事で、鬼丸に亀裂が入る。

代わりに、右手が青白く、淡く光始める。

胸の奥から湧き出る破壊の力は、守る力を消し去ろうと更に多くのエネルギーを体に流す。

黒い力が、白い力を押しのけていく。

鬼丸のひびは段々と消えていき、右手も黒くなり始める。

・・・チャンスは、一瞬。

届け!

俺は精神を振り絞り、右手に白い霊力を集める。

レミリア様がまた飛びかかってくるのを躱し、胸の真ん中に手を当てる。

「封っ・・・印・・・!!」

爛漸苦の魔力を、封印できれば。

解放できるはずだ・・・!

 

以前、霊夢に封印の種類を教えてもらった。

一つは、干渉型封印。

魔理沙のマスタースパーク時にも使った封印。

そしてもう一つがーーー

 

干渉型永久封印。

これは、ただの干渉封印とは比べ物にならない霊力を消費する。

が、その分永久に干渉したものの一つを封印できる。

ちなみに、自分のエネルギーが封印したい物のエネルギーより大きくなければ封印できないと言う大前提は変わらない。

そして更に多くの霊力を消費するのだ。

並大抵の人間では出来ないが・・・

俺なら。

無限とも呼べるほどの霊力を持つ俺なら。

爛漸苦の混沌くらい、封印出来る・・・!

 

しかし。

白い霊力が途中で切れてしまう。

それによって、封印も途絶える。

封印は、自分の本来の意思の霊力で作る。

破壊に飲み込まれれば、封印は作れない・・・!

そんな俺を嘲笑うように、黒い霊力が俺の体に再び回り始める。

 

・・・敵ダ。

 

俺の右手はまだ、レミリア様に触れている。

右手から黒い霊力が大砲のように撃ちだされ、レミリア様の小さな体を吹き飛ばす。

ダメだ・・・ダメだよ!

俺は、心のどこかでそう叫びながら。

更に追撃を加えようと、地面を足の指で掴んだ所でーーー

 

「マスタアアアアアーーーースパアアアアク!!!!」

 

虹色の太いレーザーが、凄まじい魔力の高鳴りとともに撃ちだされた。

俺はそれを右手で受け止めようとするが、余りの高火力に体ごと吹き飛ばされた。

砂煙を立たせながら、俺は地面を転がる。

もはや完全修復してしまった鬼丸を地面に立て、強引にブレーキをかけた俺は顔を上げる。

そこに立っていたのは、魔理沙だった。

服のあちこちはボロボロで、切れていれば焼けているところもある。

綺麗でいつも笑っている顔は煤まみれで。

恐らく、パチュリーとレミリア様、二人からの攻撃を受け続けていたであろう魔理沙の眼は。

まだ、輝きを失っていなかった。

「・・・馬鹿野郎!何をやってるんだ!」

魔理沙が声を張り上げる。

「お前、さっき言ったよな・・・?照らすって。紅魔館を、助けるって!」

「何で!助けるはずの人を攻撃してるんだよ!!」

助ける人?

違ウ。こコに居ルノは。

 

敵ダケ、だ。

俺は目の前の少女を標的と定め、鬼丸を振り下ろす。

しかし魔理沙は避けず、箒の柄でそれを受け止める。

魔力による補正を受けている箒は、ミシミシと音を立てながら、それでも主の思いに答えるように決して折れはしない。

 

「何でだ!答えろよ!」

魔理沙は箒で鬼丸を押し返し始めている。

この少女の力が、突然強くなったのか。

違う。

俺の破壊が、弱くなっているのだ。

「目先の力に飛びついたって!何も得られはしないんだ!限界まで、上り詰めろよ・・・進み、続けろよ!そこに、自分の求めるものはある!その力を使って、また新たな限界にチャレンジするんだ・・・!」

しかし、魔理沙の箒はついに折れる。

俺は折れた反動で少し押し返される。が、

無慈悲に。

魔理沙を切り倒すために鬼丸を上段に構えーーー

「なあ!本当にお前は、紅魔館の皆を助けたいのかって!聞いてんだよ!」

それでも魔理沙は、睨みつける。

俺を。

全てを水の泡にしようとしてる、破壊者を。

そして、鬼丸は魔理沙の頭に吸い込まれるように、その刃をーーー

砕き、散らした。

俺の体は、以前黒い霊力が回っている。

でも、胸の奥には。

ドクン、ドクン、と。

光が、エネルギーが脈を打っている。

「助けたいよ・・・!」

俺は右手を持ち上げる。

黒くて、血に汚れて、泥にまみれて、醜くて。

「でも・・・今の俺じゃ、力が足りないんだよ!もっと、強い力に頼らなきゃ!」

魔理沙は、そう言った俺の右手を優しく包み込む。

「・・・力ってのは、自分で使いこなせて初めて力って、言えるんだぜ?さあ・・・その気持ちがあるなら、」

いつもの笑みを浮かべた魔理沙は、言い切る。

「大丈夫だ。勝てる。さあ、助けようぜ・・・!」

俺は胸の奥に眠る力を、解放する。

体が、青白く光り始める。

黒い光が、段々と弱くなってくる・・・

 

「さあ、真さん。」

突然、爛漸苦が口を開く。

「死んでください」

「は・・・?」

グオオオオ!!と。

俺の周りを取り囲むように、黒い”混沌”が噴水みたいに地面から噴出される。

それは段々と俺に近づき。

俺を、混沌の狭間に落とした。

「真ーーー!」

魔理沙のその言葉を最後に。

 

俺の意識は、くろ




あ、最後のわざとです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。