えーっと、キリが良いので短めです。
明日は結構長く書きます。
5000・・・行くかな?
では、どうぞ!
二つの流星が飛び立つのを、爛漸苦は感じた。
自分を超える魔力、今まで感じたことのない量の霊力は。
彼の神経を逆なでるには、十分すぎた。
「・・・来ましたか・・・!!」
爛漸苦は苦虫を噛み潰したような顔で呟く。
紅魔館の分厚いドアを蹴破ろうとし、彼は一つのことに気づく。
「っち・・・誰だ・・・!!」
しかし今はそれがメインではない。
爛漸苦はドアを開け、空に向かって右手を向ける。
「アンロック」
魔力が右手に集まり、渦を巻く。
黒い渦は段々と大きくなり、風を騒めかせる。
漆黒の輝きを放ち続けるそれは、一瞬煌々と煌めき。
爛漸苦は、叫ぶ。
「魔竜[ドラグニル・アーク]・・・ランス形態!!」
彼の右手から黒い竜が一瞬で飛び立つ。
いまだ渦を纏わせ、大きな翼をたたみ漆黒のオーラを槍のようにして突っ込む8m程の竜は。
二つの流星にーーー!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あっちから、魔力で出来た竜が飛んでくる。
単純な破壊力ならレミリア様のランスと同格。
でも。
これくらい、ぶっ飛ばしてやる・・・!
「バーストオオオ!!」
俺の体に青白い霊力が回り始める。
いつもより輝きを増しているそれは、周囲の空気を焦がす。
竜が目の前に迫る。
しかし俺は、冷静にそれを見ていた。
ヒュオオオっと。
俺の右腕に、青白い光の奔流が渦を巻き始める。
それは、いつか見た光だった。
「魔理沙!俺がやります!」
「・・・分かった!私は今来たレミリアをやるぜっ!!」
魔理沙はそう言って更にスピードを上げる。
俺は八咫烏を竜に突っ込ませ、その上に立った。
竜がぶつかる、その刹那。
俺は青白い大きな光を纏う右手を、思いっきり振り下ろす。
「霊刀[羅刹]---!!!」
一瞬で剣に生成された羅刹は、そこで止まらず。
刃を10mまで伸ばし、竜のど真ん中に一筋の線を引く。
俺の目の前で、漆黒の竜が爆散する。
そのまま爛漸苦に向かって八咫烏ごと加速する。
「爛漸苦ゥゥゥ!!」
「・・・っ!」
紅魔館の庭にドゴォっと突っ込んだ八咫烏は、まだ消えていなかった。
大穴を開けた俺は振り返り、羅刹をヒュンと振る。
砂埃が晴れると、そこには爛漸苦が立っていた。
「・・・今更、来たんですか。遅かったですねえ?」
爛漸苦はあくまでもいつも通りの、にこやかな態度で話しかけてくる。
「そうだね、遅かったかもしれない。でも、さ」
俺は爛漸苦を睨みつけ、言い放つ。
「この紅魔館に、お前みたいな奴はいらない。」
「くっ・・・ハッハッハ!!」
爛漸苦は腹を抑えて笑い、治まった所で顔を上げる。
「この希望の無い、紅魔館?とやらに何を求めるんです?もう前の紅魔館では無いんですよ。ここは僕の城になるんです。・・・相応しいでしょう?」
俺は爛漸苦の言葉をじっと聞き、笑い飛ばした。
「ハッ・・・そんなもんか。」
羅刹を爛漸苦に突き付け、俺は声を張り上げる。
「俺、馬鹿だからさ!」
風が強く吹き、草木を揺らし、月が雲によって隠れる。
「俺自身が希望になる。明りになってやる・・・。それしか考えれないんだよ!」
爛漸苦の顔が歪み、俺はもう一度口を開く。
「紅魔館メイド長補佐兼お手伝い長、舐めんなよ」
暗き月夜に、青白い光が灯るーーー
果たして真は。
暗闇を照らす光と成れるか・・・?