東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
っべえ・・・やっべえよ・・・!
あ、ブーイングは受け取って無いです(震え
・・・ま、まあ物語を盛り上げるためと思い、許してくらさい。
フラン好き、咲夜好き、爛漸苦好き(!?)は注意!
おうふ。ぐっろ。
では、どうぞ!


第四章第五話「弱虫」

「どうもです、真さん。」

爛漸苦は後ろ手に扉を閉め、にこやかに話しかけてくる。

「・・・こんばんは、爛漸苦。」

俺はベッドに座りながら答える。

・・・今日のこいつは、気味が悪いほどに丁寧だった。

「いやあ、フランさんの腕を斬ったのは貴方なんですっけえ?」

「ああ、そうだが・・・?」

爛漸苦はポケットから赤黒い錆のような物がこびり付いた、ナイフを取り出す。

「この、赤黒いの。何だと思います?」

「分かんないな。慣れない料理でもして自分の指でも切ったか?」

「ああ!惜しいです!」

手を顔に当て、大げさに仰け反る。

手を放した爛漸苦の顔には、醜い嘲笑が浮かんでいた。

「これ・・・フランの腕を斬った時の血ですよお?」

俺は目を見開く。

爛漸苦は俺に目線を合わせるように屈み、更に続ける。

「いやあ、良い声で鳴いてくれるんです。足も切り落とそうと思ったんですけどね?」

ナイフを弄びながら顔を歪め、あいつが憎い、と言う感じで言い放つ。

「あのガキ無様に抵抗してきてねえ?面倒だから腹蹴り飛ばしてやりましたよ」

気味が悪いくらい清々しい笑みを浮かべ、爛漸苦は口を開く。

「蹴り飛ばしたら吐きやがって・・・靴についたんで、あのガキの服で拭いたんですよ!」

「てめえ・・・!」

俺がバースト、と言う前に爛漸苦は懐に潜りこみ、俺の首にナイフを当てていた。

「はははっ!髪を掴んで持ち上げると顔を歪めながら泣いてるんですよ!腕から血をボタボタ垂らしながらさあ!

本当に面っ白かったですよお!!!」

爛漸苦は急に真顔に戻り、俺の眼をのぞき込む。

「綺麗でしたよ?その顔。真さんにも見せたかったです」

俺の首からナイフを離し、爛漸苦はドアを開ける。

「・・・咲夜さんとか、レミリアさんのそういう顔も見たいなあ」

クックックと笑い、爛漸苦は外に出て行った。

手のひらから、血が滲み出す。

気づけば俺は、強く手を握り締めていた。

「くそ野郎・・・!」

俺は立ち上がり、扉に手をかざす。

手から黒い奔流が飛び出て、扉を粉砕した。

何も出来なかった。

自分自身に、怒りを覚えながらーー

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

紅魔館の廊下を、バーストを使いながら走る。

俺の体には黒い霊力が回っていたが、気にせずある場所を目指した。

「レミリア様・・・!」

角を曲がると、紫色のフリルが沢山付いた服を着た少女がいた。

ーーーレミリア様だ。

「レミリア様っ!!」

俺が声をかけ、彼女は振り返りーー

紅の槍が、俺の頬を掠った。

「なっ!?」

レミリア様は更に紅い弾幕を作り、高速で飛ばしてくる。

その様子は、まるで感情の欠片も無いロボットだった。

俺はナイフを抜き、上に向かって放り投げる。

「八咫烏っ!!」

黒い烏が渦を巻き生成されーー

る前に、紅い弾幕が中心のナイフを粉砕し、集まっていた黒い霊力を散らす。

・・・嘘だ、ろっ!

俺は廊下の角に飛び込み、もう一度投げられた槍を躱す。

そしてそのまま廊下を走りだす。

勝てない。

逃げろ、逃げろーー!

そのまま大食堂、大広間を抜け。

玄関ホールで見たのは・・・

「あ、どうも真さん。」

爛漸苦が、咲夜さんの腹の中心に腕を貫いている。

思いっきり腕を引き抜くと、咲夜さんは崩れ落ちた。

「し・・・ん・・・?」

咲夜さんは今にも消えそうな声で声を出す。

が、爛漸苦は咲夜さんの顔を蹴り飛ばした。

「がっ・・・」

蹴られた咲夜さんは地面を転がり・・・動かなくなった。

「どうしたんですか?真さ・・・」

俺は爛漸苦の横を駆け抜け、玄関を開ける。

そしてナイフを宙に投げ、叫ぶ。

「八咫っ烏ううう!!」

黒い霊力がナイフにまとわりつき、烏の形を生成していく。

俺はそれに飛びつき、一緒に空へ羽ばたいた。

「・・・臆病ですねえ」

爛漸苦は舌打ちし、もう一回咲夜を蹴り飛ばす。

後ろを振り返らず、俺は飛ぶ。

どこかなんて考えない。

とりあえず、離れた処にーーー!!

後ろに、とてつもない量の魔力が現れる。

振り返ると、それは夜でも分かるほどはっきりしている深紅の槍だった。

俺は八咫烏を横にスライドさせるが、間に合わず。

羽が槍に当たり、一部が消し飛ぶ。

片翼となった八咫烏は、バランスを崩し落ちていく。

地面にクレーターを作るほどの大穴を開け、その衝撃で俺は暗闇に落ちていった。

 

「おおっ!?なんだぜ!?」

全身真っ黒の一見泥棒ーー(所々白は入っている)

の金髪魔法少女、霧雨真理沙はクレーターに訪れ。

 

ナイフを抱いて倒れている、真を見つけた。

 

「・・・わーお」




・・・わーお

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