東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
・・・明日は!長くします!
テストを一日中やって、精神がズタボロなんです・・・
すみません。
鍋、美味しいですね。
では、どうぞ!


第四章第四話「紅き瞳は闇夜に呑まれ」

俺は、ナイフの練習をした後、真っすぐ自室に帰った。

それまでの道も、話した人も。

全て鮮明に残っている。

・・・じゃあ、何故。

何で俺がーーー

 

 

 

「フランの右腕を斬ったのは、何故?」

 

 

 

フランの右腕を斬ったことになっているんだ!?

レミリア様の部屋で、俺はドアのすぐ前に立っている。

そして、奥に居るレミリア様は俺をじっと睨んでいた。

「フランの右腕を・・・斬った・・・!?」

俺は目を見開く。

何故あの純粋で無垢なフランドール・スカーレットの腕を、俺が斬らなければならないのか、と。

「俺はそんな事やってません!何かの間違いです!」

必死に弁解するも、レミリア様は視線をそらさず、俺を睨む。

「嘘を吐くな」

彼女の口から出た言葉は、一瞬でその場を凍り付かせた。

その紅い瞳はすべてを見透かす、神の審判の眼だった。

俺はまだ弁解しようと口を開くーーが、

俺が話そうとした矢先、レミリア様の槍が俺の心臓すれすれに突き出される。

見た目からは到底思えない力で跪かされた俺は、レミリア様の口から出た言葉に更に頭がこんがらがる。

「・・・分かってるわよ、貴方がやってない事くらい。今、この場所ではやったって事にして。」

「わ、分かりました。」

小声で囁かれる。

その声には、どこか警戒してるような感じ、安心させようとしている事が伝わってきた。

俺は腹をくくり、外にも聞こえるくらい大きな声で告げる。

「そうですよ!俺がやりました!」

レミリア様が急に槍を爆発させ、あたかも槍を投げたかのような音を出す。

彼女は良くやったとでも言うように親指を立てる。

「・・・もう大丈夫。楽にしなさい。」

俺は息を大きく吐く。

レミリア・スカーレット。

この大きな館の主であり、大きな力を持つ紅き夜の帝王。

たとえ演技だとわかっていても、威圧されているのは落ち着かない・・・

レミリア様は自分の椅子に座り、俺にもソファに座れ、と言ってくる。

俺はレミリア様に向き合うように座り、背筋を伸ばす。

「突然悪いわね、真。・・・フランの腕が斬られた事は事実よ。」

自身の肩の下を人差し指でなぞる。

「こんなふうに、ね。今は咲夜が病院に連れて行ってる。」

レミリア様は大きくため息をつくと、険しい表情になる。

「・・・こんな事は、合ってはならない。私が居ながら、こんな事になるなんて・・・!」

机をドン!と叩き、その小さな拳を震わせる。

「何としてでもやった奴を見つけ出して、腸をぶち抜いて殺す・・・!!」

その小さな体に、一体どれだけの悲しみと苦労が積み重なっているのか。

まだ15年しか生きてない俺にはわからない。

レミリア様の眼が、血のように紅く染まり魔力が渦を巻き始める。

が、彼女が息を吐くとそれまでの魔力の高まりは消えていった。

「・・・悪かったわね。真。今現在自由に動ける戦闘人員が貴方だけだったのよ。身勝手だけど、お願いするわ。

フランの腕を斬った犯人を、見つけ出して頂戴。」

彼女の深紅の瞳は覚悟、訴え、焦燥などが浮かんでいる。

・・・もう紅魔館のみんなは家族同然、そうレミリア様は言ってくれた。

家族を傷つけたやつをーーー

「必ず。やりましょう」

許すはずはない。

俺はソファを立ち、レミリア様に一礼。

ドアを出て、小走りに自室へ急いだ。

 

 

「早く、早く・・・!」

レミリアは机に自身の体を預け、荒く呼吸をする。

「早く・・・!私が、呑まれないうちに・・・!」

苦しそうな眼は、いつもの月のように輝く鮮やかな深紅ではなく。

赤の絵の具に黒をぶちまけたような、濁っている汚い目をしていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

自室で俺はナイフの練習をしていた。

そこに、ドアがノックされる。

「・・・どうぞ。」

ドアを開けて入ってきたのは、爛漸苦だった。


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