東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
・・・ああ、寒い。
書いてると腰が痛くなってきます。
二晩煮込んだカレーは美味しい。
では、どうぞ!


第四章第二話「破壊の力・影と光」

俺の腕は青白く光ってなく。

・・・黒く、ただただ黒く光っていた。

「なっ・・!?」

霊夢が駆け寄ってくる。

そして俺の腕をつかみ、早口でまくしたてた。

「真。何があったのか、全部話しなさい。」

レミリア様も心配そうにこちらを見ていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

場所はレミリア様の部屋。

おれはそこで霊夢、レミリア様と向かい合って座っていた。

「何があったのか、良くわかんないんです・・・でも、俺の霊力は青白い光でした。」

「・・・黒い霊力か・・・」

霊夢とレミリア様は話始める。

そして、レミリア様が近づいてきた。

「・・・真、目を閉じていて。」

神妙な顔でそう言った彼女は、俺の額に人差し指を当てる。

俺は目を閉じ、一切の有無をレミリア様に任せた。

 

ドクン!

と心臓が鳴り、目を開けた。

しかし、そこはレミリア様の部屋ではなく。

俺が霊力を引き出す時に来た、あの大きな空間だった。

俺の目の前には変わらず青白く光る結晶がそびえたっている。

しかし、俺の右には。

鏡のようなものがあり、そこに写っているのはーー

黒く光る結晶と、目が黒い俺だった。

「・・・誰だよ・・・!」

俺は黒い俺を見て呟く。

そいつは俺で。

俺じゃ無かった。

「はっ。自分に向かって誰だよ、か・・・」

そいつは首を鳴らし、こっちを見てくる。

「俺は天音真さ・・・ま、お前と正反対だけどな」

俺はそいつの言っていることの意味を何処かで理解していた。

ーーーそして、今の俺よりあっちの俺の方が強いことも。

「・・・正反対、だって?」

「ああ。お前の方にある、」

黒い俺は青白く光る結晶を指さす。

「その結晶は、[守る力]だ。」

俺の、今使っている力。

「そして。俺の方の黒い結晶。これはーー。」

黒い俺はその結晶に手を当てる。

「[破壊する力]だ」

俺は無意識にそいつを睨んでいた。

「・・・何故今の俺に回っている力が黒い、[破壊の力]なのか。」

「お前は、分かってるんじゃないか?」

あっちの俺は立て続けに言う。

そして、二ヤっと笑い、最後まで言葉を発する。

「爛漸苦をぶっ倒して、紅魔館の連中の信頼を取り戻したいってよ。」

俺の胸が痛む。

・・・そして。

「そんで!?また信頼を失うのが怖くて戦えねえってんだ。だから、お前は、俺は。自然に、本能的に求めたんだよ・・・」

守る力が、使えないのはーーー

「俺の意思に反する力を。皆を守るために強くなる、じゃなくて。」

「邪魔なやつを、ぶっ壊すための力を。」

「今の俺を使って戦えば、お前は更に強くなれるんだ・・・立ちふさがるものなんて全部・・・」

 

 

「壊しちゃえよ」

 

 

「・・・真!真!戻って来なさい!」

黒い俺の言葉を最後に、俺はレミリア様の部屋に意識を戻される。

レミリア様はもう人差し指を離していて、代わりに霊夢が俺の頬を叩いていた。

俺が起きたのを確認した霊夢は、叩くのをやめる。

「・・・もう一人に、会ったのね。」

俺は正直に、今あったことを思い出しながら答える。

「・・・はい。」

霊夢はそのままレミリア様の隣に座り、一息つく。

「話しましょうか。」

霊夢は凛とした顔になり、俺を見る。

「・・・霊力の、陰と陽を」

俺は紅茶を飲み、一回大きく息をつく。

そして、俺も霊夢を見た。

「霊力は、力の結晶。・・・でもね、力には色々あるの。」

「一つ目。”自分の意思がそのまま反映される力”・・・これを、陽。」

「二つ目。”自分の意思の正反対が反映される力”・・・これを、陰。」

「光があれば影があるように、この二つは必ず存在する。」

光と、影。

俺の守る力の反対が、壊す力と黒い俺だってことか。

「・・・幽霊異変、あったでしょ?二つの力が同時に体内にあるとき、暴走するって奴。今私たちが心配してるのは、その暴走なの。」

「え?でもあれは妖力と霊力だった・・・同じ霊力なら、大丈夫じゃないんですか!?」

俺はチルノを思い出しながら言う。

暴走。

その力は凄まじいが、抑えれなければ多大な被害を被る諸刃の剣だ。

「・・・幾ら同じ力だと言っても、それは部類の話。正反対の力なら、噛合わないこともあるわ。」

でもね、真。

と霊夢は続ける。

「この陰と陽は自分の中にある、力なの。これらを上手く混ぜて使うことができれば。」

 

「自分の意思では補えない部分を補うことが出来るのよ。」

 

守る。

では出来ない攻撃・・・破壊の力。

この二つの力を合わせることで、お互いがお互いを補いあって強くなれるということか。

陰陽玉。

これはいくら俺でも知っているが、霊力の陰と陽をこんな風に混ぜ合わせれば良いんだろう。

「でも、それは容易く出来ることじゃないの。それらを混ぜ合わせるためには、正反対の自分を認めさせなければならないの。・・・つまり、今の自分を超えるっていうこと。」

俺は紅茶を一口飲み、カップを机に置く。

「まあ、人によってどうするかは違うから・・・私からアドバイスが出来ることは、一つだけよ。」

霊夢はすこし笑みをもらす。

「自分を、信じ続けなさい。何があっても、挫けたらダメ。」

その後にはいつもの顔に戻っていた。

「困ったことがあったらいつでも来なさい。・・・あと、反対の霊力。すこし使ってみたら?」

その後霊夢は窓から飛んで神社に帰った。

ちゃっかりお茶菓子を持って。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・今は2時くらい。

レミリア様と俺はさっきの霊夢と同じように向き合っていた。

「さ、貴方の心の声は聞かせて貰ったけど・・・」

え?聞かれた?

レミリア様は肩をすくめ、ジトーっとこちらを睨む。

「凄く下らない話ね。私や咲夜があの程度で貴方を見放すとでも?」

レミリア様は日傘をくるくる回しながら続ける。

「確かに爛漸苦の方が強いかもしれない。でもね、私たちは強い弱いで判断してなんかいない!」

高く庭に響いた声は、空気を揺らす。

「貴方はここに来てからずっと頑張っていた。私はそれを知ってる。」

レミリア様は大丈夫、と笑う。

「敗北は、誰にでもある。一回でそんな悩んでたら、それこそ離れていくわよ?」

俺は、自分にいつもの感情が戻ってきているのを感じた。

思えば、負けてから笑ったことはあっただろうか。

・・・無かった。

俺は、本当に下らない事で悩んでいたんだな、と。

自然に、俺は笑っていた。

「・・・さ、貴方の破壊を私に見せてみなさい。」

魔力が渦を巻き、レミリア様に集まる。

相対して、俺は思う。

幻夢に追いつくには、この人も倒さなきゃならないのか、と。

そして、爛漸苦程度に迷っていたら、勝てないと。

「・・・行きます!」

俺は久しぶりに、声高く叫ぶ。

「バースト!」

俺の体に、いつも通りの霊力が流れ始める。

でも俺は、あえて黒い霊力を引き出した。

体が黒く光始める。

でも、俺はまだ笑っていた。

上等だ。

破壊を。お前を認めさせて、俺は強くなるんだ、と。

俺は黒い霊力を外に放出し、生成するーーー

 

それは段々大きくなり。

黒く大きな翼を広げ、大きく咆哮する。

レミリア様は少し目を見開き、

「面白いわね・・・それでこそ天音真!紅魔館の一員として、私の家族よ!」

獰猛に笑い、叫ぶ。

生成が終わった俺は、そいつの名を呼ぶ。

身長3mほど。

翼を広げれば横に8mは行くだろう大きな体を持ち。

黒く光る鉤爪と嘴を持つそいつはーー

「-ーー八咫烏」

名前を呼ばれ、黒い霊力を辺りに漂わせた。




咲夜は次回出てくるよ!
・・・予定通り行けば、次回からタグにあるものを追加しそうです・・・

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