東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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どうも!ラギアです!
えっと・・・
はい。今回で三章は終わりです。
何故終わらせたか?
というとですね。
・詰まらない小説、つまらない章は長々と続けたくない
・読んでてつまらない、面白くない
などです。
すべて自分で思ったのですが、ワンパターンはやはり面白くないです。
心機一転!
四章からは本腰入れて気持ち的に一からやりたいと思っています!
迷惑をかけますが、どうか宜しくお願いします!


第三章最終話「茜色の夕日」

今、真の腕には霊力が溜まっていた。

滞り、動けなくなっている、それは。

妖夢が手を触れ、動かした事によりわだかまりが解け。

霊力が暴発する。

暴発した勢いで。

 

血は体を巡りはじめ。

色んな所に溜まっていた霊力を押し出し、刺激し、また暴発させる。

暴発が重なり、加速した血は。

体全体を回り始める。

脳に廻り、知覚を確立させ。

心臓に廻り、生命活動を確立させる。

 

・・・今まで。死んでいた少年は。

 

ゆっくりと、目を開けるーーー

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うあ・・・」

びく!っと私の体が震える。

だって。

その声は。

「・・・真さん・・・!」

私は顔を上げる。

・・・気のせいでは、無かった。

真さんは、確かに生き返っていた。

「あー・・・」

真さんは何度か呻き、一言。

「お腹すいた」

「ぶん殴らせて貰って良いですかね?」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はああ!?俺死んでたの!?」

「はい。氷塊になってました。」

今いる場所は人里の定食屋。

そこで俺は今までの事を教えて貰ってたのだが・・・

まさか、死んでいたとは。

つくづく俺は生命力が高い。

小説だったら主人公補正かかりすぎで叩かれるぞ・・・

「・・・あの、これ」

俺の向かいっかわに座る妖夢が、折りたたまれた何かを差し出してくる。

俺が受け取り広げてみると、それは俺がさっき渡した黒いスーツだった。

「ああ、ありがとう。」

俺はそれを椅子に掛ける。

さっきは氷塊だったらしいが、今はもう夏真っ最中の地に住む少年だ。

「・・・その、助けてくれてありがとうございました。」

俺がご飯を喉に詰まらせ、水を飲んでいると突然妖夢が話し始めた。

「大丈夫だから。妖夢はケガ無い?」

俺は笑いながら答える。

あそこで見捨てるのは人間としてダメだと思う。

「わたしは・・・大丈夫です。」

といいつつ右手を隠す妖夢。

・・・分かりやすいなあ。

「剣士にとって手は大事だからな。大切にしろよ」

俺は一応警告をしておく。

妖夢・・・この少女は恐らくすぐ無茶をする。

「一つ、聞きたいことがあるんです。」

「ん?どうした?」

妖夢は息を深く吸い込み、話し始める。

「・・・何で、貴方は私みたいなーーー」

そこで妖夢は言葉を切り、俺に聞こえるか聞こえないかの音量で残りを呟く。

「虫けらを、助けたんですか?」

妖夢は机の下で拳が震えるぐらい手を握りしめている。

「・・・助けちゃ、ダメだったの?」

俺は箸を置き、語りかける。

「いえ!そうでは、ないんですが・・・。」

妖夢は机に身を乗り出し、そのまま下がっていく。

「妖夢は虫けらじゃないと思うよ?」

妖夢は一瞬体を震わす。

でも、俯いたまま動かない。

「・・・もし本当に虫けらでも。これから成長していけばいい話だよ。・・・簡単な事さ。」

俺は妖夢の手を引き、立ち上がる。

「・・・さ、行こうか」

「・・・はい。」

妖夢はまだ何か言いたそうだった。

でも。

今の俺じゃ、妖夢の思いを聞いて諭す事なんて出来ない。

自分はあまりにも無力すぎた。

俺は一度、自分の中にある霊力の量を見たはずだ。

・・・あれだけの力がありつつ、何故俺はこんなに弱いのか。

何故、いつも誰かに助けられているのか。

自分の中には、幻夢が居る。

・・・妖怪の山で戦った幻夢は、とても強かった。

俺は、あの人と同じくらい強くなれるはずなんだ。

・・・いや、俺の周りにはいろんな人が居る。

 

幻夢に追いつくだけじゃあ、足りないーーー。

 

真は夕焼けの空を見つめる。

茜色に光る空は、何かを囁いているようだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「チェストオオォ!!」

私は気合い一発、拳に封印を纏わせて今回の異変の元凶をぶん殴る。

琴を持った妖怪は虹色の光に包まれ、動きが止まる。

「散りなさい・・・!」

もう一度、私は拳を叩き込む。

すると、固まっていた妖怪はパリン、と割れ。

欠片は空へ散っていった。

ふう、終わった終わった。

これで神社でゆっくりできるわ・・・

霊夢は一息つく。

魔理沙や咲夜も異変解決には気づいたろう。

・・・帰るか。

私はぐううと体を伸ばし、夕日の反対側に歩いて行った。

 

 


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