もう春休みなので明日から頑張ります。すみません。
今日はヒントを強調しました。
黄昏は無敵であって無敵ではないです。はい。
何度も何度もすみません。では、どうぞ!
「おや・・・流石にあの程度の妖怪には倒されないか。」
「当たり前だろ。」
「まあ、ここで死ぬのは変わりないんだけどね。」
黄昏の掌に拳を当てたまま、俺は黄昏を睨みつける。
蒼き霊力が焔の様に吹きあがり、何とか黄昏と渡り合っていた。
売り言葉に買い言葉。お互い同時に飛び退り、俺は桜ノ蕾を抜刀する。
さっき吹き飛ばされた暁も小太刀を構え、俺の隣に並ぶ。
黄昏の周りを妖力で出来た鴉が飛びまわり、起きた風が俺達の頬をくすぐった。
「行くぞ!」
己を奮い立たせるために俺は大きく叫び、刀を振り上げながら走り出す。
言うまでも無く黄昏は強い。生半可な技を繰り出せば一瞬でやられることは目に見えている。
だからこそ、俺は今まで培った事を全て出そうと改めて意気込んだ。
「結界[双対ノ禊]」
走りながらもしっかりと宣言し、四つの結界を体の周りに展開する。
ゴオオ…と蒼い霊力が刀を中心に渦を巻きはじめ、力を一点に極限まで集中させた。
「うおおおおおおおお!!!」
一歩大きく踏み出し、俺は姿勢を低くする。
低空姿勢から放たれる必殺の一撃。蒼い軌跡を描いた突きは黄昏の足に衝撃を与えるがーーー
「言っただろう?効かないって。」
”大妖怪と同じほどの妖力”を込めた足で、俺を蹴り飛ばした。
結界を壁の様にし後ろを覆い、そこに両足を付ける事で俺は勢いを殺す。
それと入れ替わる様に、今度は赤い影が飛び出した。
小柄な体躯から撃ちだされる鋭い一撃は徐々に黄昏の隙を削り、露わにしていく。
「・・・はあっ!」
突如、黄昏が声を張り上げた。
掠った斬撃が初めて黄昏に傷を付け、同時に黄昏から放たれた衝撃波によって暁は後ろに弾き飛ばされる。
空中で何回か回転し、暁は音も無くその場に降り立つ。
・・・そして、俺の中でまた一つの仮説がたった。
そうだ。本当に奴が無敵なら。
ーーーーこんな無駄な戦いをしている訳が無い!
「暁!月光ノ夜桜を合図と同時に最大出力!」
「・・・分かった」
再び蒼い霊力を桜ノ蕾に集中させながら俺は暁に告げ、自身は真上の岩盤に狙いを合わせる。
洞窟を抜けた岩肌の、更に上に在る大きな大きな洞窟。
ここを選んでしまったことが、黄昏の命取りになる。
「楼符[彼岸桜]!!」
刀を振ると同時に、刃から無数の弾幕が放出された。
高速でで飛ぶ弾幕は全て天井に当たり、その衝撃で洞窟が揺れ。
「行っけえ!!」
天井を、幾つかの巨大な岩に分断しながら叩き落とした。
轟音、巻き上がる粉塵。
「ふふ、威力が高ければ良いって問題じゃ無いんだよ。」
しかし黄昏はこの”自然災害”を目の前にしても余裕そうに佇み、笑みを顔に浮かべていた。
「ああ、そんくらい分かってるよ。」
だから俺は、それに笑顔で答えた。
指を鳴らすと同時に、砂塵の中で刃が黒く輝く。
「月光ノ夜桜!」
そして、撃ちだされたのは黒き半月。
空気を切り裂きながら直進するそれに、黄昏は今日初めてーーーー
顔を歪めた。