黄昏の能力が明らかに!?
・・・あ、後今回結構フラグ立てました。
短いです。
では、どうぞ!
最終章第一話「最後の冒険」
「ふ・・・ふふふ・・・」
博麗神社にて。
夕刻、晩御飯を作らずに四人の少女はちゃぶ台の周りを囲んでいた。
皆の思いはたった一つに寄せられ、耐え切れなくなった霊夢が不気味な笑い声を上げる。
「ふははっ!!真の馬鹿野郎がああああああああああああ!!!」
「何でまた出て行ったんだぜ!?」
「これは・・・お仕置きね。」
「素振り五万で良いですかね?」
彼女達は、皆静かに微笑んでいた。
この表情で優雅に紅茶とかを飲んでいても、別段違和感は感じない程に。
・・・正し、眼は笑って居ない。
四人が本気を出す時にだけ見せる殺気。低級妖怪だけならばその殺気だけで圧倒できるんじゃないかと言うほどの重たい空気、冷たい雰囲気。
「よっしゃあ真に殴り込みじゃあ!行くぞ西へ!!」
「「「了解!!」」」
バン!!
霊夢がちゃぶ台を思いっきり叩き、タンスから札やスペルカードを取り出す。
魔理沙もマジックアイテムの確認、妖夢と咲夜は一度刃を抜き刃こぼれが無いかどうかを確認した。
これがこの異変最後の戦いになる事は、何となく理解していたのだろう。
空はすっかり夜を感じさせ、太陽は山の奥に沈んでいった。
目指すはあの場所。太陽が沈み、明日へと繋がる地点。
「・・・行くわよ」
噛みしめる様に、霊夢は小さく呟いた。
境内から長い階段を一回の跳躍で下り、そのままの勢いで走り始める。
もう誰も、振り返るものは居なかった。
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俺は今、暁の先導に従って黄昏の居る所に向かっている。
通り過ぎ様に襲い掛かって来る妖怪を数体切り伏せ、枯れた木が幾つも並ぶ森の中を駆け抜けていた。
黄昏と言う七賢者を前にして、あいつに対抗できるのは恐らくオーバーレイのみ。
しかし、必殺技である滅壊ノ星撃は片手で受け止められ、ビクとも動かなかったのは良く覚えている。
零式でもあれなのだ。無印ならば結果は見えている。
能力は何なのか。こればかりは暁も分からないらしい。
・・・そして、黄昏の妖力の少なさは何なのか。
一回拳を合わせただけだが、あいつから感じた妖力は上級妖怪と同等かちょっと下。
はっきり言うと少なく、俺の一撃を受けきれるとは到底思えない。
滅壊ノ星撃を受け止められた事に悔しさと焦り感じながらも、俺は走っていた。
これで、魂を集めてある場所を壊せば全ての魂が解放され、肉体の残っている物は全て肉体に残るだろう。
・・・しかし、もう肉体が死んでいる魂はどうなるのか。
その魂の中に、隔は居るのだろうか?
「着いた。・・・あの洞窟に入って、そこからまた登る」
「分かった。」
自問自答を繰り返す間にはもう目的地に着いており、俺と暁は意を決した様に一度頷いた。
地面を蹴り、そのまま洞窟の中に飛び込む。
もう後戻りは出来ない。
遂に俺の、最後の冒険が始まるーーーー