ラ「四章の頃から。」
霊「ふーん・・・あ、勝った。」
ラ「・・負けた・・・。でも、ラストは結構衝撃だと思うよ。」
霊「何人か予想してるでしょうけどね。」
ラ「ね。どうやったらあんなに予想できるんだろう。」
霊「あんたみたいな馬鹿には一生無理よ。」
ラ「えー・・・。あ、では、どうぞ!」
「はい、じゃあオーバーレイが禁止されたのは何故なのか!霊夢と咲夜が戦ってる為このスーパー魔法少女、魔理沙ちゃんが説明しちゃうぜっ♪」
「・・・お、おー」
魔理沙が俺の目の前で決めポーズを取り、呆気にとられた俺はぺちぺちと手を叩いた。
今は二日目の早朝。
まだ七時ちょっと過ぎ位で、吐く息は白く濁っていく。
咲夜さんの拳骨が脳天に突き刺さった俺はそのまま気絶。疲労もあってか、そのまま朝まで寝てしまったらしい。
妖夢が朝ご飯を作ってくれているが、それを待たずにもう戦いは始まっている。
「・・・れ、霊夢?」
「あ、どうしたの?」
「・・・い、言い終わったんだぜ・・・?」
「嘘!見たかったのに・・・!!」
見る見る赤く染まった魔理沙は、帽子で顔を隠しながら今にも消え入りそうな声で呟いた。咲夜さんのナイフを全て叩き落としながら聞き返してくる霊夢に、魔理沙はやはり小さく報告する。
どうやら霊夢との戦いに負け、罰ゲームとして魔理沙があの様な事をしたらしい。
中々にえげつない。まあ、可愛かったが。
「こほん。じゃ、詳しく説明するぜ?」
「うん。宜しく。」
わざとらしく咳払いをした魔理沙は微妙に顔を赤くしながら、次の様に説明をした。
「オーバーレイって言うのはな、真自体の霊力を、初代?の霊力に重ねる事で、上書きしているんだ。勿論真の霊力が無くなれば上書きが出来なくなって、オーバーレイは使えなくなる。自分自身の霊力を使い過ぎた事で、真自体もぶっ倒れる。これが昨日の出来事だな。こんな欠点がありながらも、しかしオーバーレイは強力だ。長く使って居たい。じゃあ、どうするか?」
「結論は、真の霊力を溜めて置いて、ここぞという時だけ使う。これなんだ。」
神妙な面持ちで言い切った魔理沙は、更に詳しく話を進めた。
「だから霊夢の許可があるまでオーバーレイを禁止。バーストのみで戦う。分かったな?」
「うん。・・・でも、バーストじゃあ暁とかは倒せない・・・。」
「だから、今回合宿があるんじゃ無いか?」
指を鳴らし、魔理沙は不敵な笑みを創る。大胆ながらも安心感のある何時もの魔理沙は、堂々と言い切った。
「任せろ。この魔理沙様が真を強くしてやるぜ。」
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「・・・黄昏。こっちの準備は整ったわよ。」
「すまないね、紫。・・・助かるよ。」
「いいえ、気にする事は無いわ。協力してくれてるんだもの。」
暗い洞窟の中、一つの蝋燭だけを明りとして紫と黄昏は話し込んでいた。
「ふう、夢幻魂歌は・・・あと数百人の魂があれば完成するんだね?」
「ええ。長くて、一か月内には幻想郷が過去に戻る。」
「素晴らしい力だね。流石は博麗幻夢と言った所か。」
ゆったりと話す二人。しかしその眼は遠い過去を思い出している様だ。
少しの沈黙。そして、紫が立ち上がった。
「私はそろそろお暇させて頂くわ。・・・妖力を溜めとかないとね。」
「そうかい、頼んだよ、八雲紫。」
「貴方こそね、七賢者の一人。」
そして、紫は妖絶な笑みを浮かべたーーーー
「八雲黄昏」
そして、運命の歯車は動き出す。
未来へ回るのか。過去へ回るのか。
全ては、すぐ先に。