東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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霊「・・・そういえば、今回のラストはどれくらいから決めてあったの?」
ラ「四章の頃から。」
霊「ふーん・・・あ、勝った。」
ラ「・・負けた・・・。でも、ラストは結構衝撃だと思うよ。」
霊「何人か予想してるでしょうけどね。」
ラ「ね。どうやったらあんなに予想できるんだろう。」
霊「あんたみたいな馬鹿には一生無理よ。」
ラ「えー・・・。あ、では、どうぞ!」


第十章第五話「七賢者」

「はい、じゃあオーバーレイが禁止されたのは何故なのか!霊夢と咲夜が戦ってる為このスーパー魔法少女、魔理沙ちゃんが説明しちゃうぜっ♪」

 

「・・・お、おー」

 

魔理沙が俺の目の前で決めポーズを取り、呆気にとられた俺はぺちぺちと手を叩いた。

今は二日目の早朝。

まだ七時ちょっと過ぎ位で、吐く息は白く濁っていく。

咲夜さんの拳骨が脳天に突き刺さった俺はそのまま気絶。疲労もあってか、そのまま朝まで寝てしまったらしい。

妖夢が朝ご飯を作ってくれているが、それを待たずにもう戦いは始まっている。

 

「・・・れ、霊夢?」

「あ、どうしたの?」

「・・・い、言い終わったんだぜ・・・?」

「嘘!見たかったのに・・・!!」

 

見る見る赤く染まった魔理沙は、帽子で顔を隠しながら今にも消え入りそうな声で呟いた。咲夜さんのナイフを全て叩き落としながら聞き返してくる霊夢に、魔理沙はやはり小さく報告する。

どうやら霊夢との戦いに負け、罰ゲームとして魔理沙があの様な事をしたらしい。

中々にえげつない。まあ、可愛かったが。

 

「こほん。じゃ、詳しく説明するぜ?」

「うん。宜しく。」

 

わざとらしく咳払いをした魔理沙は微妙に顔を赤くしながら、次の様に説明をした。

 

「オーバーレイって言うのはな、真自体の霊力を、初代?の霊力に重ねる事で、上書きしているんだ。勿論真の霊力が無くなれば上書きが出来なくなって、オーバーレイは使えなくなる。自分自身の霊力を使い過ぎた事で、真自体もぶっ倒れる。これが昨日の出来事だな。こんな欠点がありながらも、しかしオーバーレイは強力だ。長く使って居たい。じゃあ、どうするか?」

 

 

「結論は、真の霊力を溜めて置いて、ここぞという時だけ使う。これなんだ。」

 

神妙な面持ちで言い切った魔理沙は、更に詳しく話を進めた。

 

「だから霊夢の許可があるまでオーバーレイを禁止。バーストのみで戦う。分かったな?」

 

「うん。・・・でも、バーストじゃあ暁とかは倒せない・・・。」

「だから、今回合宿があるんじゃ無いか?」

 

指を鳴らし、魔理沙は不敵な笑みを創る。大胆ながらも安心感のある何時もの魔理沙は、堂々と言い切った。

 

「任せろ。この魔理沙様が真を強くしてやるぜ。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「・・・黄昏。こっちの準備は整ったわよ。」

「すまないね、紫。・・・助かるよ。」

「いいえ、気にする事は無いわ。協力してくれてるんだもの。」

 

暗い洞窟の中、一つの蝋燭だけを明りとして紫と黄昏は話し込んでいた。

 

「ふう、夢幻魂歌は・・・あと数百人の魂があれば完成するんだね?」

「ええ。長くて、一か月内には幻想郷が過去に戻る。」

「素晴らしい力だね。流石は博麗幻夢と言った所か。」

 

ゆったりと話す二人。しかしその眼は遠い過去を思い出している様だ。

少しの沈黙。そして、紫が立ち上がった。

 

「私はそろそろお暇させて頂くわ。・・・妖力を溜めとかないとね。」

 

「そうかい、頼んだよ、八雲紫。」

 

 

 

 

 

「貴方こそね、七賢者の一人。」

 

 

 

そして、紫は妖絶な笑みを浮かべたーーーー

 

 

「八雲黄昏」

 

 

そして、運命の歯車は動き出す。

未来へ回るのか。過去へ回るのか。

全ては、すぐ先に。

 

 


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