東方夢幻魂歌 完結   作:ラギアz

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真「おそええよ!!!」
ラ「うーん・・・あっさり進み過ぎても、遅くてもダメだからさ・・・今、一番難しいんだよね。話。」
真「後何話で盛り上がる?」」
ラ「1・・・2・・・3くらい?」
真「おい、五章の二の舞にはなるなよ。一章が長くても飽きるからな。」
ラ「おっけ。頑張る。では、どうぞ!」
真「今回も終わり方が微妙だ!」


第九章第十七話「妖怪の山、再び」

「幻夢に会いに行く!?」

「うん。・・・あれ、まだどこか分かって無い?」

「・・・だって幻夢は今、爛漸苦の持ってる箱の中に・・・。」

「だからね。違う幻夢に会いに行くのよ。れっつごーとぅー・・・」

 

 

 

「妖怪の山!!」

 

 

霊夢がテンション高く叫ぶと同時に、虹色の渦が宙に現れた。

その中に次々飛び込んでいく中、俺はあの日の事を思い出す。

 

・・・今の自分の、原点を。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「・・・むう。そろそろかねえ。全く、私の”半身”が取られてるだけなんだから、ここに来れば私が居るだろうに。・・・なあ私。そろそろ、あの時の約束を叶える時かね?」

 

 

妖怪山の山頂。

赤い宝玉に触れながら、誰に言うでもなく幻夢は呟いた。

虚空に散った言葉は空に消え、勿論答えるものは居ない。

血の様に赤黒い薙刀を構えながら、彼女は一人の少年を待ち続ける。

 

 

 

 

 

 

「・・・登山?」

「いや、はっきり言ってそんな時間無いから、助っ人を呼ぶわよ。少し離れてなさい。」

「うん?・・・分かった。」

 

咲夜さんや魔理沙、妖夢と一緒に俺も下がる。

すると霊夢は急にお札を取り出し、呟いた。

 

「・・・封魔陣」

 

突如、暴風が吹き荒れ霊夢の足元に不思議な陣が浮かぶ。

恐怖すらも覚える霊力の高まりを察知したのか、一人が山の中から飛び出して来た。

 

 

 

「ちょ、ちょっと霊夢さん!?何してるんですか!!」

「あ、文。少し手伝ってくれない?拒否権は無いわよ」

「うう、酷いです。要件は?」

 

黒い羽を羽ばたかせ、霊夢の真正面に飛び出して来たのはいつかの射命丸文だった。

如何にも演技です、と言った様に体をくねらせる文を殴った霊夢は俺を指さした。

 

「真を山頂まで。なるべく速く。」

「ああ、その程度ならいつでも。行きますよ!!」

 

「え?」

 

文は言うが早いか俺を掴み。

 

「では、行ってきます!!」

「いってらっしゃい。」

「え、ちょ!?」

 

大きく膝を曲げ、全力で飛翔した。

冷たい風が俺の体を叩き、地面をどんどん引き離していく。

 

 

 

 

「おー、行った行った。」

「ねえ霊夢、何をさせるつもりなの?」

 

魔理沙が文達を見送る中、咲夜は霊夢に尋ねた。

 

「あー?ああ、真がいつも使ってる霊力はね、初代博麗の巫女の物なのよ。」

「初代いい!?」

「うん。私も最近気づいたのだけれど。・・・あの山の頂上には、その初代が眠っている。どうやら魂を半分に分けて、半分はこっち、半分はこっちってしたみたい。・・・簡単に言えばあの子は、今まで本気の半分しか出せなかったって事。・・・爛漸苦だっけ?私たちは確かに倒せるかもしれないけど・・・やっぱり、他の妖怪が来るわよね。」

 

「ええ。・・・来ましたよ!!」

 

霊夢が呟いた瞬間、無数の妖怪達が飛びかかって来た。

全てが低級妖怪なのにも関わらず、溢れ出る妖力は上級妖怪と大差が無い。

真は、はっきり言うと多数を一掃するのに向いておらず、逆に霊夢たちの方がこういうのには強いのだ。

 

八卦路を構え、ナイフを抜き放ち、刀を輝かせ、純白の紙を揺らしながら、少女は呟いた。

 

 

「真が戻ってくるまでに全部潰す!!文は多分真の警護についてくれる!!・・・全力で戦いなさい!!」

「「「了解!」」」

 

 

霊力、魔力、妖力が吹き荒れる。

嵐の様に全てを吹き飛ばすそれは、たった一人の少年を守る結界の様であった。


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