ラ「うーん・・・あっさり進み過ぎても、遅くてもダメだからさ・・・今、一番難しいんだよね。話。」
真「後何話で盛り上がる?」」
ラ「1・・・2・・・3くらい?」
真「おい、五章の二の舞にはなるなよ。一章が長くても飽きるからな。」
ラ「おっけ。頑張る。では、どうぞ!」
真「今回も終わり方が微妙だ!」
「幻夢に会いに行く!?」
「うん。・・・あれ、まだどこか分かって無い?」
「・・・だって幻夢は今、爛漸苦の持ってる箱の中に・・・。」
「だからね。違う幻夢に会いに行くのよ。れっつごーとぅー・・・」
「妖怪の山!!」
霊夢がテンション高く叫ぶと同時に、虹色の渦が宙に現れた。
その中に次々飛び込んでいく中、俺はあの日の事を思い出す。
・・・今の自分の、原点を。
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「・・・むう。そろそろかねえ。全く、私の”半身”が取られてるだけなんだから、ここに来れば私が居るだろうに。・・・なあ私。そろそろ、あの時の約束を叶える時かね?」
妖怪山の山頂。
赤い宝玉に触れながら、誰に言うでもなく幻夢は呟いた。
虚空に散った言葉は空に消え、勿論答えるものは居ない。
血の様に赤黒い薙刀を構えながら、彼女は一人の少年を待ち続ける。
☆
「・・・登山?」
「いや、はっきり言ってそんな時間無いから、助っ人を呼ぶわよ。少し離れてなさい。」
「うん?・・・分かった。」
咲夜さんや魔理沙、妖夢と一緒に俺も下がる。
すると霊夢は急にお札を取り出し、呟いた。
「・・・封魔陣」
突如、暴風が吹き荒れ霊夢の足元に不思議な陣が浮かぶ。
恐怖すらも覚える霊力の高まりを察知したのか、一人が山の中から飛び出して来た。
「ちょ、ちょっと霊夢さん!?何してるんですか!!」
「あ、文。少し手伝ってくれない?拒否権は無いわよ」
「うう、酷いです。要件は?」
黒い羽を羽ばたかせ、霊夢の真正面に飛び出して来たのはいつかの射命丸文だった。
如何にも演技です、と言った様に体をくねらせる文を殴った霊夢は俺を指さした。
「真を山頂まで。なるべく速く。」
「ああ、その程度ならいつでも。行きますよ!!」
「え?」
文は言うが早いか俺を掴み。
「では、行ってきます!!」
「いってらっしゃい。」
「え、ちょ!?」
大きく膝を曲げ、全力で飛翔した。
冷たい風が俺の体を叩き、地面をどんどん引き離していく。
「おー、行った行った。」
「ねえ霊夢、何をさせるつもりなの?」
魔理沙が文達を見送る中、咲夜は霊夢に尋ねた。
「あー?ああ、真がいつも使ってる霊力はね、初代博麗の巫女の物なのよ。」
「初代いい!?」
「うん。私も最近気づいたのだけれど。・・・あの山の頂上には、その初代が眠っている。どうやら魂を半分に分けて、半分はこっち、半分はこっちってしたみたい。・・・簡単に言えばあの子は、今まで本気の半分しか出せなかったって事。・・・爛漸苦だっけ?私たちは確かに倒せるかもしれないけど・・・やっぱり、他の妖怪が来るわよね。」
「ええ。・・・来ましたよ!!」
霊夢が呟いた瞬間、無数の妖怪達が飛びかかって来た。
全てが低級妖怪なのにも関わらず、溢れ出る妖力は上級妖怪と大差が無い。
真は、はっきり言うと多数を一掃するのに向いておらず、逆に霊夢たちの方がこういうのには強いのだ。
八卦路を構え、ナイフを抜き放ち、刀を輝かせ、純白の紙を揺らしながら、少女は呟いた。
「真が戻ってくるまでに全部潰す!!文は多分真の警護についてくれる!!・・・全力で戦いなさい!!」
「「「了解!」」」
霊力、魔力、妖力が吹き荒れる。
嵐の様に全てを吹き飛ばすそれは、たった一人の少年を守る結界の様であった。