はい、投稿がすっごい遅くなりましたが、100話記念の番外編です!
バレンタインのお話となっております。
まあ、イチャイチャは無いです。
強いて言うなら・・・真×アリス?
あ、アリスがまだ出て来て無いとか言う突っ込みは受け付けておりません。
最後gdってます。すみません。
本編とは違うので、コメディです!
紫が出てきます!
では、どうぞ!
「・・・後は冷まして・・・仕上げ、ね。」
二月十三日、深夜。
電灯などがあるはずも無い幻想郷は闇に包まれ、それは紅魔館も例外では無かった。
しかし、そんな暗闇の中でも厨房だけは明るく光っていた。
何をする為か?
普段から忙しいメイド長が寝る間も惜しんで取り組むと言う事は、どれだけ大変な事なのか?
否。全然大変な事ではない。
来たる、二月十四日。
「・・・バレンタインデーかあ・・・。」
十六夜咲夜は呟き、未完成のチョコを冷蔵庫に入れた。
☆
「あっ!ダメですよつまみ食いしちゃ!」
「え~。良いじゃない一つくらい。」
「ダメです!未完成ですから!明日幽々子様にも渡しますよ!」
「む~。妖夢の行けず~。」
「古いです!」
「ナウいわよ!」
「それ、死語です!!」
「あ、アリス大先生・・・チョコが爆発したんだぜ・・・。」
「何で!?魔理沙、何でそうなるの!?」
「私が知りたいんだぜ!!」
「ね、霊夢。勿論私の分もあるのよね?」
「あるわけないでしょ。てか紫は今敵でしょ!?何でここに居るのよ!」
「番外編のコメディ回だからよ!」
「メタいわよ!!」
様々な場所で少女たちは奮闘しながら。
遂に時は流れ、針は重なった。
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「おはよーございます・・・。」
「ああ真。おはよう。」
所々跳ねている髪を手で撫でつけながら、俺は厨房に足を踏み入れた。
まだ朝は早く、レミリア様やフランは起きていない。
そんな中でも咲夜さんは一人で頑張っていて凄いと思う。
(何気にここの咲夜さんは眼鏡かけてるんだよなあ。皆忘れてそうだけど)
「あ、あの?真。今日何の日だか分かる?」
「え?・・・今日?」
今日は二月十四日。日曜日だ。
平日、では無いが何も無い日では・・・と思い、俺はある事を思い出す。
「・・・バレンタインデー?」
「そう!・・・はい!これチョコレート!」
俺が答えると、満面の笑みを咲かせた咲夜さんが丸い箱を手渡して来た。
有り難く受け取り、中身を空ける。
「・・・おお・・・何か分かんないけど凄い・・・!」
「でしょ!?生チョコって言うの。」
「ほ、ほお・・・。生ラムネなら食べた事あるけど、生チョコは初めてです・・・。」
得意げに胸を(薄い)張る咲夜さんに答えつつ、俺は一つ口の中に放り込んだ。
ほろ苦くねっとりとしたチョコが口の中に広がり、溶けていく。
それでもしつこくない甘さのチョコは、甘いものが苦手な俺でも美味しいと感じる代物だった。
「美味しいです!」
「でしょ!?上手くできたのよ!」
「ふおお・・・すげえ・・・!!」
そういえば隔もこんなの作ってたっけ。
二個目、三個目を口に放り込みつつ俺は昔の事を思い出す。
成程、こういう美味しいチョコが一つくらい食べれるならバレンタインデーは良いものかもしれない。
・・・この淡い期待は、これから続く怒涛のチョコ連鎖で軽く打ち破られるのだった。
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「・・・後は・・・シイタケの乾物・・・!?何に使うんだ・・・!?」
最早日課となってきている買い物で、俺はいつも通り人里を歩いていた。
店の位置も段々と覚えて来た俺は、使用方法に頭を捻りつつもそこに向かった。
「あ、真じゃねえか。」
「魔理沙か。こんちゃー。」
「・・・」
”絶賛キノコ”。
人里にある唯一のキノコ専門店で、何の需要があるか分からないのに潰れない何故の店だ。
そこにはもう見慣れた霧雨魔理沙、そして金髪のショートカット?と言うのだろうか。
人形みたいな容姿に、清楚な佇まい。
遠くから見れば魔理沙のお姉ちゃんとも見れる人物が、一歩離れた場所から俺を観察していた。
「あ、そうだ!真、これやるぜ!」
「・・・おお!チョコか!」
「ああ、なんたって真にはお世話になってるからな。義理だがやるぜ。」
「ありがとう!頂きます!」
星形に象られた大きなチョコに、俺は大きくかぶりついた。
口の中に広がるチョコの甘味。
そして、
「魔理沙・・・すっごい塩っ辛い・・・」
それらを消し去る強烈な塩ッ気。
大きく齧り付いたのが災いし、口の中の水分が急激に失われていく。
もう何も言えない。辛い。ただただ辛い。
「・・・えええっ!?貸すんだぜ!」
魔理沙は慌てて俺からチョコを取り、端っこを折ってかじる。
すると瞬く間に魔理沙の顔も青くなり、涙目になりつつもこちらを見上げ。
「・・・砂糖と塩を間違えた。本当にごめんなんだぜ・・・。」
「・・・!!」
素直に、謝って来た。
女の子に涙目で謝られて許せんと言うほど性格は悪くないので、しかし口も開けれないので、親指を立てて前に突き出す。
「・・・もごっ・・・」
「・・・!?こ、これどうじょっ!?」
そして少し戻しそうになった瞬間、おろおろしていた人形の様な人が水筒を差し出してくれた。
お礼何て言えるはずも無く、素直に受け取った俺は直ぐに口を付けた。
「・・・ごはああ!!ぜえ・・・ぜえ・・・あ、ありがとうございます・・・。」
「い、いえ!?当然の事をしただけですし!」
荒く呼吸をしながらお礼を言うと、何故か慌てながら返事をしてくれた。
そして蓋を閉め、水筒を渡そうとした時に。
「あれ?アリスそれさっき飲んで無かったか?」
「「ふぁっ?」」
魔理沙が爆弾を投下した。
二人そろって奇声を上げ、そして瞬く間に真っ赤になる。
水筒をひったくる様に取ったアリスと言う女性はそのまま駆け出し、魔理沙はそれを追いかける様にして遠ざかっていった。
「じゃーなー!また今度あおうぜー!」
「あーい、じゃなー!」
角を曲がる寸前で魔理沙が手を振って来たので、俺もそれに返す。
「・・・ふう。疲れた。塩辛いなあ。・・・。」
「ん?じゃあこれ要る?」
「あ、ありがとう。」
隣から差し出されたのは四角い箱。
中に入ってるのは丸いチョコ。
何の疑問も持たずそれを口に入れると、優しい甘味が口の中に残る塩を流してくれた。
「・・・」
「・・・」
「・・・あれ!?霊夢!?」
「ん、こんにちは」
隣に立ち、俺を見上げる様に立つのは博麗霊夢だった。
いつもの紅白衣装に身を包んだ彼女は少しそわそわし、落ち着きが無かった。
「ねえ真。・・・魔理沙知らない?」
「ああ、魔理沙ならそこの角曲がっていったよ。」
「!!ありがとう!」
「あーい、じゃなー」
「またね!今度は結界の強化よ!」
霊夢はそれだけ聞くと走り出し、直ぐに見えなくなった。
「・・・ふう。疲れた。」
「お疲れ様です。」
「ああ、妖夢か・・・。・・・妖夢!?」
「どうも、妖夢です。」
霊夢と入れ替わる様に隣の立ったのは、銀髪の妖夢だった。
「・・・まあ、真さんとは何回か一緒にお出かけしてるんで。はい、”義理”チョコです。」
妖夢はバッグの中からチョコを取り出し、やたらと義理、を強調しながら四角い箱を渡して来た。
それを有り難く受け取り、早速俺は蓋を開ける。
「・・・おお、緑だ。・・・抹茶?」
「お、良く分かりましたね。そうです、抹茶を混ぜたチョコケーキです。」
「よっしゃいただきます」
「早く無いですか!?」
何を隠そう、俺は抹茶と抹茶味が大好きである。
直ぐにかぶりついた俺は、目を輝かせながら感想を述べた。
「お、美味しい・・・!!今までので一番美味しい!!」
「へ、へえ。まあそう言われて嫌な気はしませんね。」
一気に平らげた俺は、胸を(薄い。推定Bカップ)反らしながら得意げに応える妖夢に話しかけた。
「何故ここに?」
「え?ああ。真さんにこれを渡すため・・・じゃなくて!買い物です買い物!」
「ああ成程。・・・ふう、もうチョコ要らないや・・・ご馳走様。」
「お粗末様でした。・・・さて、じゃあ私は帰りますね。」
「え?買い物は?」
「あ、え、・・・もう終わったんです!」
何故か顔を赤らめながら慌てる妖夢はそう叫んだあと、直ぐに飛び立った。
「・・・俺も帰るか。」
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夕食。
「今日の晩御飯はチョコスペシャルよ!」
「もうチョコはいやだあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
真「・・・で、ラギアチョコ貰えなかったんだろ?」
ラ「残念。貰いました。」
真「・・・!?」
ラ「ねえ止めない!?その世界の終わりみたいな顔止めない!?」
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改めて、100話も行けたのは読者様、暖かい感想を下さる方等等、俺以外の皆さんの協力もあってここまで来れました!
本当に有難うございました!そして、これからも宜しくお願い致します!
(辛口な改善点等を求めてます!何かあったら是非お願いします!)
では、また明日!