恋姫✝無双 ~Fate of The beginning~ 作:userjpcafe
……それは自業自得か……くぅ~プロットないのに書き始めるとか俺って馬鹿!?
はぁー、早速挫折まっしぐらの暗黒街道を行きそうな気分……
「うむうむ、あんな事もあったなぁ」
「こらぁ!ボケっとすんなぁっ!」
「あいさ!」
あの赤ちゃんになっちゃった事件から8年の月日が流れた。
わかったこともあった。俺は転生というヤツで赤ちゃんに戻ったらしい。うん、“らしい”とのことだから推測でしかないことだが。
そしてここは中国。しかも古代のだ。更に三国志時代、のちょっと前ぐらい。
……ということは俺、戦争出るんじゃねぇ?
みたいに思って危機感を覚え、親に相談。「母さん、俺強くなりたーい」「あら、いいわよ」。そんな簡単に決めていいのか我が母よ。まぁ親だから子供が危機に瀕したときに対処できる力を持たせようという魂胆だろうけど。
そんなこんなで、中国だから中国語で話してみよーと「ニーハオ」って何回も言ったら、すごく優しい目を向けてきたりといろいろな事があった。
体も成長してきた。やっぱ人間成長するものだね。
赤ちゃんの頃は誘惑に耐えず首をごろんごろんとやっては、ゴキっと鳴らして親がびっくりしていたり。
お母様の超重量大迫力のボインを目の当たりにして鼻血がちょろっと出たり。
いろいろと迷惑をかけてしまった感がある。申し訳ない……不甲斐ない息子で。
あ、そういえば名前を決めてもらった。
性は項(コウ)、名は征(セイ) 字は斬華(ザンカ)。真名は煌龍(コウリ)。
中々にイケてんじゃね、名前?龍とかカッケーわぁ、と貰ったときに思った。やっぱ良い名前っていいよね。
そして名付け親である二人のご紹介。
まずあの超兵器を標準装備している母こと、性は項、名は英(エイ) 字は織凪(シキカ)。真名は奏(ソウ)
真紅の髪は腰辺りまで無造作に伸ばされており、だがそのグラマラスな肢体と鋭い目つきが合わさって不思議と似合うという美人な人だ。
そして寡黙な父こと、性は項、名は采(サイ)、字は呈北(テイホク)。真名は秋駆(シュウカ)
青い髪をオールバックにした感じ。体格は良く、太刀を使うので筋肉が凄い。結構無口。
という感じである。
二人共腕っ節のほうはかなり強く、巷で「双太刀」と称される程だ。うむ、そんな人を親に出来て本当に嬉しいぜまったく。
ちなみに今、何をしているかというと家の庭で母さんに太刀の使い方を教えてもらっているトコロだ。
「休憩!もう休みましょう」
「はい」
そう言って母さんは木陰に立って様子を見ていたお父さんのトコロへ行く。
僕はそれについて行き、木陰に座る。
お母さんとお父さんがイチャイチャ(お母さんが一方的に攻めているが)し始めたところで、俺はいわゆる座禅を組み意識を奥深くまで沈める。
そして先ほどの母さんとの練習を思い描く。
いつの間にか手に握っていた太刀を構える。
ほどなくして目の前に現れる太刀を構えた母さん。
全身の力を緩め、かつ神経全てを母さんに集中させ研ぎ澄ませる。
母さんの一挙手一投足。それを見極め、そこからどの動きをするかを脳内で予測する。
ふと、母さんが重心をずらした。
俺は好機と見て、腰をひねり右足を踏み込んで太刀を横に振る。
今目の前にいる母さんは本物ではないので、殺す気で太刀を振る。
体のねじりが上乗せされたこの斬撃はいかに母さんとはいえ、捌くのは難しい。それどころか避けてしまえば確実に怯む。
それほどまでに強い一撃。
だが。
「(っ!?)」
地面スレスレという具合にまで体を沈めた母さんには当たらない。
母さんがちょっと顔を上げただけで当たるぐらいのトコロを刃が通る。
俺はその予想外の動きに一瞬戸惑いながらも、気を取り直し母さんの攻撃を対処する。
母さんは沈みこませた体を急浮上させる。その力も利用して、下から太刀をすくい上げる。
俺はそれを半身になって避ける。
そこから振り下ろすかと太刀を構えたかと思いきや、こちらに背を向け一回転して横に凪いできた。
これには流石に予想外で、振り下ろされることを予想して上に構えていた太刀を引き戻し、脇を締めてなんとか苦し紛れに横から来た刃に当てる。
直撃は免れたものの、不安定な姿勢で遠心力の加わった一撃を受けたので衝撃で腕がしびれる。
「っぐ!」
母さんは既に次の攻撃を俺に叩き込もうと動き出している。
「くそっ」
腕はしびれており、太刀を持つだけでも精一杯だ。
ここは回避に専念する。
そこで五感を母さんとその周囲に集中する。
相手の呼吸、心拍、筋肉の収縮、目の動き、風向き、地面の質、全てのありとあらゆる情報が頭に流れ込んでくる。
それらを脳内で計算・処理をし、相手の動きを予測から予知に近いレベルにまで引き上げるのだ。
無論、それに必要な情報量は半端じゃない。0.1秒先を読み取ろうとするのにもその情報量で頭痛がするのだ。
だがその痛みも勝つことに比べればどうということはない。
母さんの呼吸が一瞬止まり右足が僅かに前に動く、そして右手が動き始める。
この動きは上から下へと振り下ろす動作だ。右手の小指の向いている方向に太刀は振り下ろされる。
だが避けるタイミングも重要だ。早く避けても、母さんならばそれを修正してくるかもしれない。いや、する。
だからギリギリで避ける。
俺は足運びに注意しつつ、太刀が振り下ろされる速度に合わせ横に跳ぶ。
そして俺が居たトコロに太刀が振り下ろされる。つまり俺は避けるのに成功したのだ。
俺は思考加速を止めて、しびれが比較的引いた左腕で太刀の柄を握りなおす。
遅々として進んでいた時間が急に戻る。その感覚には慣れているのでそれについてスルー。
振り下ろしている態勢の母さんに袈裟懸けで太刀を振るう。
避けられるか?と思うも、母さんはその振り下ろしに相当力を込めていたのか、その反動で動けなくなっている。
その心配も杞憂かと思い、太刀を振った。
一瞬の抵抗のあと、刃が空を切る。
母さんは陽炎のように揺らめき、フッと消える。
……やはり、母を斬るのは毎回の事ながら嫌になるな。
と思っていると、立っていられなくてへたりこんでしまう。
心の中でも疲れて立っていられなくなるとか……しかもたった2回太刀をふっただけでだ。まあ思考加速のせいでもあるが。
そういえば、説明をしていなかったな。
ここは俺の精神の世界。自分が記憶したモノをいくらでも再現できる形なき無限の世界。
だがここにいれるのは少しの時間。でもなんでも出来るのっで練習にうってつけである。
先ほどの母さんは幻。そう、その幻で大軍を作って戦わせるなんてことも出来るのだろうが……その幻は自分の精神力から作られる。
この歳(まぁ精神年齢でも20超えてるがまだまだ若い)では一人が限界だ。
そして先ほどの母さんの動きは俺の記憶から読み取られたものだ。
なかなかに便利なこの精神世界。
これのデメリットはこの精神世界での1時間が現実世界での2時間という感じに、時間の流れが違う。
まぁ、メリットはいろいろあるのでそのデメリットはスルーできる。
あ、あとこの世界で休んでも逆に疲れる、という設計。
だからここに入って寝るという選択肢は取れないのである。というか寝たらその間にも精神力は減っていって生命維持に必要な精神力が無くなってご臨終という、雪山の遭難レベルの危険度がこの世界には孕んでいるのである。
ということでさっそく戻ろう。
この世界は己の中にあるため、意識を奥に沈みこませるって感覚でやれば行ける。すいませんね、俺は感覚で物事を覚える感覚派なんですよ。
そこで座禅を組み、意識を浮上させる感覚でやる。
目を開ければいつもの景色が広がる。
木の下でイチャイチャしていた項夫妻は今家の中にいるだろう。
俺が精神世界にいることを察したらしい。うん、俺が精神世界に行ってすることは戦うか修行だけだしな!
取り敢えず修行は終わった事を伝えに行こうではないか。
項征 斬華。今中国大陸で頑張ってます。
(や)っべー、まじどうしよ、(や)っべー。
続き……ィィ感じに伏線張らなきゃなぁ