恋姫✝無双 ~Fate of The beginning~ 作:userjpcafe
そんな意味をこめて投稿。
俺は今のこの状況について一言。
「(何が起きたんだァァァァァァッ!!!!!)」
だがそれも所詮、心の中でのつぶやき。意味のないことである。
変な息苦しさと疲労感を感じ、倒れ、意識が朦朧とし、走馬灯が流れ、見事にブッツン切りされたパソコンのように動かなくなった俺だが。
今なぜかここにいる。ここにいるぞ、俺が!
でも不可解なことがある。
あえて良い感じにフレーズをつけてみるならば、“赤ちゃんに逆戻りっ!?タイムスリップしちゃったよ♪テヘッ☆”か……。
……いやいや、タイムスリップじゃないだろ…てか、テヘッってなんだよ。
見事に他の人から見れば可哀想な人認定されるノリツッコミを披露した俺。
だが実際に起きたことなので、可哀想な人認定する他の人もいなければ自分で自分に可哀想な人認定しなければ気が収まらないという可哀想な事態である。
そう、俺は赤ちゃんになっていたのだ。
っべー、マジどうしよう、っべー……
首もこりんこりんって良い感じに回るのだが、ずっと回してるといつか首がごリッゴリッと鳴ってはいけない部類に入る音を発してしまうので自重。
そして言いたかった事が一つ。
「ばぶばあう、ぶああうあー(見た目は子供っ、頭脳は大人!)」
……迫力ねえ……。
それに子供っつか、赤ちゃんじゃん。見た目は幼児って……どこのアニメだよ。
ということでどうしよう。
まじどうしよう。
まっじぃ、どーしよぉーっ!
やばい、テンションがダメな感じにアガってる。
落ち着け俺っ。それもこれも全部“赤ちゃん”という力が作り出した幻想にすぎない!というか幻想だ!幻だ!幻影だ!
……ちょっとした現実逃避を脳内で繰り広げてからまじめに現実を直視する。
情報を整理。
今、俺はゆりかごらしきものにいてブランブラン揺れている。これがなかなかに愉快なので自ら赤ちゃんなりに頑張って揺らしているが。
そして状態は赤ちゃん。自分の手を見たときは驚いたものだ、「ぶえあー、ああい(俺の手ぇ、かわいっ!)」と叫んで(?)自分の声に驚愕したのを覚えている。
これらはどうしようもない。だって赤ちゃんですもの。
部屋らしきトコロにいるのはわかる。だけど現代かは怪しい。
機械がない!電気がない!時計がない!ああああ!!!、と最先端の現代っ子のように泣き喚くことはないがやはり現代の日本育ちだと身の回りにそういうのがあることが多いのでちょいと慣れない。
……まぁ、今こんな感じか。
それにしてもなんでこうなったんだろうか。
普通かつ平凡な高校生こと俺が、赤ちゃんに。
……ってか俺って死んだの!?
なんか走馬灯も流れた感じがするし。
あれって、ほんとに写真のコマ撮りみたいなあのパシャッパシャッって感じに映り変わるんだね。……いや、関係ないか。
取り敢えずそんなのも経験したんだし、死因は知らんけども……まぁ死んじゃったって事で。
そうでもしなければこの状況についてなにも説明出来んでしょうが!
というワケで……どうしよう。
もういいや、やけくそだやけくそ!ばぶばぶ言ってやるよこのやろう!
「ばぶあ~、ぶあぶびう~~ば~~~♪(ああ~~、暇すぎる~~わ~~~♪)」
「あらあら」
「ばぶっ!?(なにやつ!?)」
一人で昔に思いを馳せながら舌足らずどころか顎足らずの口で一生懸命歌っていたトコロにいきなり声をかけられたので驚いた。
というか、いつ来た。つか、人いたんかい。ってか誰よこの人。
そう思い、声をかけられた方向に顔をグリンっと向けると、そこには……。
「まぁ、可愛いわね~~~」
美人がいた。とびきり美人がいた。
燃え盛るかのような赤い髪を肩まで伸ばし、空色の瞳をこちらに向けその整った顔を歓喜に変えている。
いわゆる、絶世の美女である。
女にそこまで興味の無かった(ホモじゃねえ)あの俺が呆けてしまうほどに。
「あら?なにも言わなくなったわよ、あなた?」
「……驚いているだけではないのか?」
…………俺この人に育てられるんだね~。
「ばうばーー(やったーー!)」
そんな感じで喜びを必死に体現していると、ふと腹に手が添えられた。
なんじゃい、と思う暇もなく離陸した。
「ほ~ら、母さんだよ~」
取り敢えず抱えられているのがわかった。
でも、この圧倒的質量を誇りなおかつ程よい弾力が数々の男を魅了するであろうモノが俺のすぐ横にある。というか目の前だ。
でかっ!?何食ったらこんなにでかくなんの!?……まったくけしからんっ!
抱きかかえられながら、赤ちゃんが理性を保とうと手で顔をおおい隠すという構図はあまりにもおかしくないか?
まず赤ちゃんに理性うんぬんは早すぎだろ。
……だがご心配なく。私は見た目は幼児、中身は17歳恋に悩める平凡高校生!
決まったぜ。