もしクレマンティーヌが装者で絶剣で女神だったら   作:更新停止

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幕間第一話
まずは、アルシェの話です。


幕間
とある魔道具屋の話


 ワーカーと呼ばれる存在がある。

 彼らは様々な人々から依頼を受け生計を立てる人々で、何でも屋とも呼べる存在だ。

 

 簡単に言えば、組合を仲介しない冒険者と言ったところだろうか。

 

 彼らは、実力、評判、教会による取り決めなどの様々な事情により冒険者組合に属さずに、個々に依頼主から依頼を引き受けている。

 

 

 

 かつて、帝国にはそんなワーカーが数多く存在していた。

 だが、それは二年前までの話。今の帝国には、ほとんどと言っていいほどワーカーが存在しない。

 

 何故か? それは、帝国に隣にある王国、そこのとある裏組織があらゆる手段を講じてかき集めたからだ。

 そして、集められたワーカーのほとんどが死亡したからだ。

 

 生き残った帝国のワーカーは、合計で12人。

 

 その生き残ったワーカー達の中には、『フォーサイト』と呼ばれるワーカーの集団の姿があった。

 

 

 

 

 リ・エスティ―ゼ王国、その王都にある魔道具(マジックアイテム)屋。

 そこは、一人の魔法詠唱者によって切り盛りされていた。

 

 切り盛りしている魔法詠唱者の名前は、アルシェ・イーブ・リイル・フルト。

 そのフォーサイトで、かつて魔法詠唱者として旅していた少女である。

 

 彼女の一日は、妹たちを起こすことから始まる。

 彼女が経営する店の二階にある部屋の一つ、妹たちの部屋に向かう。

 

「クーデ、ウレイ、朝よ」

 

 部屋のドア越しに声をかける。

 すると、中でドタバタと小さく物音がして、直後に勢いよくドアが開かれた。

 

「おはよー! お姉さま!」

 

 ドアが開くと同時に、中から女の子が飛び出してくる。

 部屋から跳び出すと同時に、彼女は「とうっ!」という掛け声とともに跳躍し、アルシェに抱き着いた。

 

「ふみゅっ! ―――かたーい」

 

 彼女のその言葉に、アルシェの心は少し傷ついた。

 かつてワーカーだった頃に同じことを言われたときは、革製の防具によるものだと考えて誤魔化していたが、今は一切の防具をつけていない。

 そんな今抱き着かれて「かたい」と言われたということは……ということは……胸が……

 

 アルシェは、そこで考えることを止めた。わざわざ自滅する必要はない。

 

「―――こら、怪我したら危ないでしょ」

「はーい、ごめんなさーい」

 

 その子供、アルシェの妹であるウレイリカの頭を撫でつつ叱ると、ウレイリカは楽しそうに笑いながら答えた。

 これは、いつものやり取りだ。毎朝アルシェは、ウレイリカ、またはもう一人の妹のクーデリカと同じやり取りをしていた。

 

「あー! ウレイリカずるーい」

「えー、昨日はクーデリカだったからいいでしょー」

「むー!」

 

 少しして、部屋の中からクーデリカが出てくる。

 そしてこの二人の会話も、いつものことだった。

 

 

 

 

 

 アルシェは自分と妹たちの分の朝食を作ると、妹たちが身支度を整えるまでの間に一階の魔道具店の品ぞろえを確認する。

 売っているものがマジックアイテムという希少な物であるために品ぞろえは豊富とは言えないが、一応最低限の物がそろっていることを確認すると二階に戻り妹たちを待つ。

 

 アルシェがリビングで静かに席について二人を待っていると、クーデリカとウレイリカは競うように扉を開けて入ってきた。

 

「やったー、私が一番乗りー!!」

「うー、まけたー」

 

 ……どうやら、本当に競争をしていたようだ。

 

「クーデ、ウレイ、あまり走るのはだめ。怪我したらどうするの」

「「はーい」」

 

 アルシェは、二人に走らないように注意して席に着かせる。

 三人がそろったところで、彼女らは朝食を食べ始めた。

 

 

 

 

 食事を食べ終え、食器などを片付けた後、妹達には洗濯や部屋の掃除を任せ、アルシェは一階の店を開店する。

 

 此処からはしばらく暇になるので、少しでも売り上げを伸ばすためにポーションを作る。

 ポーションは大きく分けて三種類あり、そのうちの薬草を使用した二種類は彼女には知識不足で作成できないが、錬金溶液を使用して製作する形のポーションだけは作成することができた。

 

 無論、ポーションを作り始めて二年ほどしか経っていないために、あまり品質の良いポーションは作成できていない。

 だが、店で売りに出すことのできる程度の品質、つまり『可もなく不可もなく』程度の物であれば作成できている。

 

 彼女は、昨夜の内に調合しておいた錬金溶液を手に取ると、そこに魔法を籠め始めた。

 

 

 そして、三本目のポーションを作っている最中、店の入り口が開かれ、本日一人目の客が入ってくる。

 

「よう、アルシェ。元気にしてたか」

「ヘッケラン! 久しぶりね、二ヶ月振り?」

 

 入ってきたのは、かつてアルシェと共に『フォーサイト』で旅をしていたヘッケラン・ターマイトだ。完全に身内の客である。

 

「ああ、大森林の調査依頼を受けて以来だから、だいたいそのぐらいだな。

 じゃ、いつものを頼む」

「わかった、ポーションとスクロールを用意する」

 

 アルシェは、店のカウンターの下からスクロールを十枚と、ポーションを五つ取り出す。

 

「はい、即効性のあるタイプのポーションと、魔力系第三位階魔法のスクロール十枚。

 スクロールの魔法は、いつもと同じでよかった?」

「大丈夫だ、まだ新しい魔法を習得してないからな。

 あいつの職業から考えると、もうそろそろ『火球』(ファイアーボール)なら習得してもいいと思ってるんだが……」

「しょうがない、二年前まではあんなことをしてたんだから。あの子の年齢と経歴を考えれば、この短期間で第二位階の魔法をあれほど習得できたことが奇跡」

「それもそうなのはわかってるんだけどな……お前のことを考えると、ちょっと高望みしちまうんだよ」

 

 そう言って、苦笑いをするヘッケラン。

 なんだかんだと言って、自分が無理を言っていることはきちんと理解しているようだ。

 

「そう言ってもらえると嬉しいけど、あまり比べないでほしい。

 私の場合は、師に恵まれていたこともある」

「へいへい、本人の前では間違ってもこんなことは言わねえって」

「ならいい」

 

 アルシェは、彼の言葉に満足そうにうなずいた。

 

 アルシェは、自分が抜けた後のフォーサイトがどうなっているのか、かなり心配していた。

 それは、かつての仲間たちであるということもあったが、何よりもフォーサイトというワーカーチームが二年前、王国の地下組織『八本指』に雇われ、壊滅寸前にまで至った原因がアルシェにあったためだ。

 

 

 

 

 二年前、アルシェは借金漬けの毎日を送っていた。

 別に何か彼女が悪いことをしたわけではない。単に、彼女の両親がお金を浪費したためだ。

 

 彼女の家系は、彼女の父の代まで貴族であった。

 しかし、帝国の皇帝が余計な貴族を粛清したことにより、彼女の家系は没落し貴族ではなくなってしまった。

 彼女が借金漬けの生活を送っていたのは、彼女の両親がその頃の生活を忘れることができずに、貴族でなくなったにもかかわらず貴族の様な生活を送るために借金をしていたためだ。

 

 アルシェは、その借金をどうにかするためにワーカーとしてお金を稼いでいた。

 

 

 それが変わったのは、二年前の春のことだ。

 

 彼女が家に帰ると、珍しく力尽きた様子の父の姿があった。

 それは本当に珍しい姿だった。彼女の父がそんな様子をしていたのは、没落したばかりのころだけだったからだ。

 

 父に対して複雑な感情を抱いているアルシェであったが、流石にそんな様子の父親を放っておくほど悪く思ってはいない。

 

 落ち込んだ様子の父親を励まし、何があったのか聞き出すことにした。

 

 しばらくして、父親が言い出したのは驚くべきことだった。

 なんと、アルシェの妹達であるクーデリカとウレイリカが借金のかたに連れていかれたというのだ。

 父が言うには、連れていかれた先はリ・エスティ―ゼ王国らしい。

 

 そこまで聞いて、アルシェはそれが人質だということに気が付いた。

 丁度三日ほど前に、王国のとある組織から高額の依頼が来ていたためだ。

 

 いかにも怪しい依頼であったために満場一致で断ったが、まさか人質を使ってくるとはアルシェは夢にも思っていなかった。

 

 彼女は、屋敷から自身の私物をかき集めると、父親に絶縁状を叩きつけて屋敷を出て行った。

 

 ……母親については聞かなかった。

 屋敷の母親の部屋から漂う強烈な血の匂いから、事を察したためだ。

 

 

 彼女は、その足でいつも集合場所に使っている酒場へと向かった。

 もちろん、フォーサイトの仲間を巻き込むためではない。フォーサイトから抜けて、一人でリ・エスティ―ゼ王国へと渡るためだ。

 

 酒場に付いたアルシェは、そこにいたヘッケランに事の次第を説明。フォーサイトを抜け、一人で王国へと渡ることを告げる。

 彼女は、それを告げると同時に、引き留めようとするヘッケランを振り切り酒場を出た。

 

 王国への道のりは、距離としてはかなりあるがそう遠い距離ではない。

 馬車を乗り継ぎ、大急ぎで国境を抜け、そして一週間ほどで王国側の国境にある都市、エ・ランテルへと到着した。

 

 そして、そこでまず彼女が見たものは、冷たい笑顔で笑う『フォーサイト』の仲間、イミーナの姿だった。

 

 あっという間に彼女に拘束され、アルシェは都市内のとある酒場に連れていかれる。

 連れていかれた酒場には、フォーサイトの仲間であるヘッケランとロバーデイクの姿が。

 

 彼ら曰く、アルシェがいなくなった直後に依頼人がやってきて、フォーサイトを雇ったらしい。

 多少怪しい依頼だったが、報酬が良かったので受けることにしたそうだ。

 

 絶対に嘘だと思ったが、彼女は何も言わなかった。

 彼らは、そういうことにしたい様だったからだ。

 

 そんなわけで、彼等はリ・エスティ―ゼ王国の王都へと向かうことになった。

 

 王都までの足の方は、依頼人側が用意してくれていた。

 かなり良い馬を用意したのか、王都には三日とかからず到着する。

 

 王都に到着した彼らは、依頼人側と話し合いつつアルシェの妹達のことを探し始めた。

 

 だが、そんな簡単に見つかることは無い。

 三日間ほど探したが、一切の手がかりを掴むことができなかった。

 

 そんなある日、依頼人側が警戒していた相手、謎の襲撃者が、フォーサイトを含めたワーカー達が守る娼館を襲撃した。

 

 

 

 

 

 

 ヘッケランが店を出てしばらくして、今度は別の客が店を訪れた。

 

 黒いローブに白い仮面を着けた小柄な人物と、筋肉の塊とも言うべき勇ましい女性だ。

 二人の名前はイビルアイとガガーラン、この王都を拠点とするアダマンタイト級の冒険者である。

 

「いらっしゃいませ」

「ふん」

「おう、元気そうだな」

 

 彼女らは、二年前にこの店を開いてからの常連客だ。

 マジックアイテムを売ってくれたり、逆に買ってくれたり、売り上げ的な意味で色々とお世話になっている。

 

「何か探してる?」

 

 店内を見て回る二人に、アルシェは尋ねる。

 普段であればこんなことは聞かないが、ちょうど今アルシェは暇であるし、二人は常連だ。困っているのであれば、手を貸すのもやぶさかではない。

 

「ん? ああ、実はとある鉱石でできた武器を探しててな」

 

 アルシェの問いかけに、ガガーランが答える。

 

「武器……?」

 

 アルシェは、彼女の言葉に困惑した。

 

 武器を探すなら、本来はこんな所に来る必要は無いはずだ。なにせ、ここはマジックアイテムを販売している店なのだから。

 魔法付与が施された武器などがあるため、まったく武器を置いていないわけではないが、特定の鉱物で造られただけの武器などはこの店には置いていない。

 

 そんなアルシェの疑問を察したのか、ガガーランは口を開いた。

 

「本来は武器屋を訪ねるべきなのはわかっているんだが、少々その鉱物が特殊な物でな、色々見て回ったが売ってなかったんだ」

 

 成る程、つまりその鉱物というのは、相当特殊な物なのだろう。

 彼女の言葉を聞いて、アルシェは少し興味が湧いた。

 

「どんな物? 良ければ私も力になる」

「本当か、なら……」

 

 そう言って、ガガーランはイビルアイに何かを出すよう手で催促する。

 それを見たイビルアイは、少し躊躇った後、渋々といった様子で懐から一本の短剣を取り出した。

 

 その短剣は、僅かに橙色をした、何となく熱を持っているように感じられる物だった。

 

 アルシェは、それを見て少しだけ顔色を悪くする。

 彼女には、その短剣を形作る鉱石に見覚えがあったためだ。

 

 無意識に胃が痛くなる。

 かつて胃に空いた穴が、再び開いたような気がした。

 

「それには、見覚えがある」

 

 胃に起こる痛みをこらえつつ、アルシェはガガーランにそう言って、カウンターの下から飛礫(つぶて)を一つ取り出す。

 その飛礫(つぶて)は、イビルアイの持つ短剣とかなり近い色合いをしていた。

 

「おお、よく持ってたな。で、これはいくらなんだ?」

「……悪いけれどこれは売れない」

 

 ガガーランの言葉に、アルシェは否定を返す。

 アルシェ自身としては、自分の胴体を貫通したことがある飛礫など持っていたくはなかったが、これを持っているという約束をしてしまったのだ。売り飛ばすわけにはいかない。

 

「あー、そうか。なら、これをどこで手に入れたのかだけでもいいから教えてもらえないか?」

「それは……教えられない。

 ただ、あなたたちが知っている人物だと言えばわかると思う」

 

 ガガーランの質問に、アルシェはまたしても否定を返す。

 ただ、流石にそれは悪いと思い、彼女はガガーランに少しだけヒントを与えた。

 名前を教えなければいいという約束だったのだ。少し思うところもあったし、知り合いだからいいだろう。

 

「おう、なるほどあいつか。やっぱり本人から貰うべきってことだな。

 ありがとなアルシェ。じゃあ、これの会計を頼む」

 

 ガガーランは、そう言ってカウンターの上にいくつかのマジックアイテムと金貨を置く。

 アルシェは、カウンターに置かれた金貨を回収すると商品との差額をガガーランに返金する。

 

 満足げな様子のガガーランと何故か挙動不審になったイビルアイは、商品を持って店を出て行った。

 

「……見たくもない物を見た。きっと、今日は厄日」

 

 飛礫をカウンターの下にしまいながら、彼女はそう呟いた。

 

 

 

 だが、彼女のその言葉に反して、日中は特に悪いことは起きなかった。

 普段より客も多かったため、どちらかと言えば吉日とも言えた。

 

 しかし、予感という物は当たるもので、閉店間際になって嫌な客がやって来た。

 

 

 

 日も暮れてきた頃、仮面を被った一人の女性が店に入ってくる。

 

「いらっ……お帰りください」

「いきなりお帰りくださいなんてひどいんじゃなーい?」

 

 仮面で顔を隠してはいるが、その声と彼女の生まれながらの異能(タ レ ン ト)が示す嫌な感覚。

 間違いなく、クレマンティーヌだった。

 

「やっほー、久しぶりだねー」

「帰って、もう店は閉店する」

 

 最悪の日だ。やっぱり勘は当たるものだ。

 

「良いでしょー、アルちゃんと私の仲じゃん」

「……」

 

 つい、アルシェは彼女を白い目で見る。

 

 確かに、彼女には恩義もある。

 妹たちを助けてくれたのも、ここで店が開けるようにしてくれたのも、全ては彼女のおかげだ。一生頭が上がらない存在と言っていい。

 

 だが、問答無用で胃に穴をあけた相手を、見るだけで気分が悪くなる相手を歓迎する人間がいるだろうか。いるわけがない。

 

 しかも、この女には妹たちが懐いている。はっきり言って、あまり面白くないのだ。

 

「何の用?」

 

 というわけで、一刻も早く目的を果たして帰ってもらうことにした。

 

「実は、高位の回復魔法を発動させることができるアイテムを探してるんだけど、何か置いてない?」

「回復魔法……怪我してるようには見えないけれど」

「そりゃー、見えないようにしてるからねー」

 

 クレマンティーヌはそう言うと、手に付けた革製のグローブを外す。

 

「―――っ!?」

 

 アルシェは、それを見て驚愕の表情を浮かべた。

 

 ―――そこには、金属があった。

 

 信じられないことであるが、彼女の手は金属となっていたのだ。

 

「いやー、某十三英雄の剣と同じでさー、低位の治癒魔法では治癒できないって効果の攻撃してくる敵がいたんだよー。

 そのせいで出血が止まらなかったから、こうやって止血しちゃったんだよねー」

「……あいかわらず、反則的な生まれながらの異能(タ レ ン ト)

 

 アルシェは、クレマンティーヌの手にグローブを被せる。

 

「残念だけど、此処にあるアイテムだと第四位階が最高。第五や第六みたいな高位の魔法を発動できるマジックアイテムは置いてない」

「やっぱり? あー、此処も駄目だったかー」

 

 そう言って、まるで落ち込んだかのようにわざとらしく肩をすくめてうつむく。

 

「ところで、『六腕』の人達は来た?」

 

 その直後、世間話をするかのような口ぶりで、そんな話題を振って来た。

 

「いや、来てない」

「ふーん、ならいいや。

 じゃー、引き続き囮をお願いねー」

「……わかってる」

 

 アルシェがこの店を開店できたのは、『六腕』に対する囮の役割を果たすという契約を結んだためだった。

 

 アルシェ達フォーサイトは、二年前の事件の際、依頼者である『六腕』を裏切った。

 裏切ったと言っても、敵対的な行動をとったわけではない。『六腕』のメンバーたちの居場所を彼女に漏らしたのだ。

 そのため、アルシェは『六腕』から狙われているらしく、彼女は『六腕』への囮のために妹たちの安全と生活基盤を対価に王国に雇われることになった。

 

 この店も、その生活基盤の一環である。

 

 クレマンティーヌはその後、生活魔法のスクロールをいくつか購入すると、店を出て行った。

 

「ふぅ、最後に嫌な客が来た」

 

 別に、アルシェはクレマンティーヌが嫌いなわけではない。

 色々と面白くないことはあれど、妹たちを助けてくれたことは本当に感謝している。

 

 ただ、アルシェの持つ生まれながらの異能(タ レ ン ト)が、クレマンティーヌを酷く気持ち悪い存在に見せるのだ。

 初めて会った時などは、アルシェの緊張状態と相まって吐いてしまったほどだ。それほどまでに、気持ちが悪い存在なのだ。

 

「クーデとウレイで癒されよう。うん、そうしよう」

 

 アルシェはそう呟くと、店を閉店させ、妹たちのいるこの家の二階へと上がっていった。

 




活動報告の方で、幕間に関してアンケート実施中です。
(期限は、1/10 23:59まで)

そういえば、黒髭だか赤髭だか曰く、○○には鮮度があるらしいですね。

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