当分、リアルが忙しく成る為投稿を停止させて頂きます。
皆さまのご理解の程宜しくお願い致します。
音速で飛来する桜花改。
喝Ⅵ型噴式エンジンの唸り声と共に出るソニックウェーブ。
喝Ⅵ型噴式エンジンは実質試作エンジンではあるが問題なく稼働する。試作機だが量産機である桜花を超えるマッハ2.5を出せためそのせいかパイロットにもその分負荷が掛かる為十分な訓練を受けて居なければ大抵は耐えられない。
事実、後部座席に乗る提督が良い例だ。
だがお構いなしに桜花改は飛翔する。
高度を二百メートルに保っている。
妖精は見計らったかの如く、ヘルメットに搭載してある通信機に電源を入れるとおもむろに自動チャンネルのボタンを押すと通話を開始した。
《こちら、桜花。翔鶴応答せよ。》
通信を入れるとともにエンジンの出力を少し落とす。
桜花はその飛行性能故いとも容易く通信影響下に入れるため最大域とされる範囲から通信を行わなければ通り過ぎてしまうので早めに通信を行ったのである。
その桜花の反応を見つけたのか翔鶴から入電が入る。
《こちら、翔鶴。通信を確認した。》
相手の反応を確認すると淡々と通信を続けた。
《こちら、桜花改。翔鶴への着艦を求む。》
《翔鶴、いつでもどうぞ。貴機の着艦の手筈は済んでおります。着艦予想進路に合わせて着艦して下さい。》
《了解。以後、非常時のため作戦規定に則り通信は繋げておく。》
その通信終わりと共にフラップとエアブレーキの確認を始める。
丁度その頃になると第一艦隊が目視の範囲で見え始めた。
更に接近し翔鶴の位置を確認する。
航空隊所属の人間は大抵が目が良いため空母か否かの確認は簡単で、すぐに判別が出来る。
予定航路に機体を安定させるとエンジンを切り滑空状態に突入する。
元々がロケットエンジンの推進力である程度飛行し特攻することを主眼に置いて設計された桜花にとって滑空することはいとも簡単に行える。
高度を保ちながら滑空をする桜花。
残り1000と目測をするとフラップとエアブレーキの展開、更にランディングギアと着陸用ソリも同時に展開する。
元々桜花は着陸に関してはソリでありそれは特攻機としての桜花や局地戦闘機として生まれ変わった桜花でもそうであった。
しかしその他の事を考慮し試作実験機として改修された桜花改はランディングギアとソリを併用している。
これにはちゃんとした事例があっての事だ。
事例は多数報告されているがその大部分が同じで初期の配備時がほとんどである。
初期の配備時、ソリだったためそれに適応すべく訓練が行われた。
そのためかソリはランディングギアと違っており、いつも通りランディングギアの要領で着陸をしてしまったためバランスを崩し事故を起こしてしまった。
今は改修や訓練等で収まっているがまだ難点が残っていた。
それは一般航空兵の緊急搭乗や滑走路が爆撃された際の着陸である。
前述述べた通りソリはランディングギアとは仕様が異なっており良く訓練を受けなければ大抵の場合は不時着をしてしまう。
もし迎撃隊のパイロットが出撃済みで取りこぼしが来た際の対応には空母航空隊も出撃することになっているためだ。例え航空隊であって錬度が凄いとしてもミスするときはするものだ。
それで不時着をしてしまった際のその分修理費や修理時間が掛かってしまうこと、そしてこれに対応すべく訓練を行えば航空隊の士気にも関わることがあるため難点に挙げられてしまう。
また、滑走路への爆撃が防げなかった際のことで配備後、物議をかもした。
桜花はソリ故に着陸の際その滑走路が真っ直ぐでなければいけない。
もし下手に爆撃で穴が空いていれば其処にはまり事故を起こす。
例え応急で鉄板などで作っていてもそれまで桜花が持つかわからない。
その難点を踏まえ桜花改ではソリとランディングギアの併用思想が生まれた。
桜花改は中心にソリ。翼部腹部付近の中間にライディングギアを搭載している。
そのため非常に安定性が高まりまた、難題とされた空母への着艦、滑走路からの離陸も可能となった。
エアブレーキとフラップの影響か速度がみるみる落ちていくそして空母に付くと着艦フックが着艦ケーブルに引っかかり止まった。
「ふう...疲れたぁ…」
そう言い体を伸ばす妖精さん。
自分が提督を乗せていることを思いだし後ろを向くと泡を吹きだしながら失神している姿があった。
「あちゃ~」
やべ。どうしようと迷っていると何かにうなされたのか急に提督は起きた。
「此処は…」
一瞬記憶が飛んだが目の前にいる妖精さんを見るなりすべてを思い出した。
「着いたのか…」
その声は非常に弱弱しかったが信念が伝わってきた。
「生きていて何よりだ。」(死んでたら困るが…)
提督の安否を確認するなりキャノピーを開ける。
外界の空気を取り込み復活する提督。だが妖精達の手により桜花改後部座席から降ろされた。
精巧な作りの人形から魂を吹き込まれ人間に戻った提督は周りを見渡す。
何か準備をしている妖精たちが見える世界から鉄の柱…艦橋を見ると歩いてくる人影が見えた。
非常に美しい。
髪が白でその美しさを際立たせている。
服は…弓道を思わせる格好であった。
ゆっくり近づいてくる。
非常に意識が朦朧とする中やっと頭が起動した。まるでWindous10が起動するかの如く。
「大丈夫ですか提督!」
美人が駆け寄り目線を合わせる。
この時初めてその美人が何者なのか判別出来た。
翔鶴。
艦これに登場する翔鶴と判断出来た。
「此処は空母なのか?」
駆け寄った翔鶴顔を上げ問う。
「はい。そうです。提督は今、この翔鶴型一番艦航空母艦翔鶴に到着したのです。」
「そうか。」
生き残れた…と思い大きく瞼を閉じた。
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