異世界集結戦線   作:玉城羽左右衛門

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ドーモ、ミナサン。タマキデス。
次回に向け騒然となった内容にしました。
楽しんで下さい。


第拾壱話 予兆

「ああ、良いぞ。環境が良くなければ持てる力の半分すら出せないからな。大淀は...ダメだし…明石、帰りついでに案内してくれないか?」

そういうと明石は反応し

「あ、はい。了解しました。」

これでこんな嫌な思いをしなくて済む…着替えられる事が出来喜びが込みあがって来た。

「大変、有難う御座います。」

明石が大淀に書類を渡すと自分の隣に寄って案内してくれる素振りを見せてくれた

「では、明石について行ってくれ。」

「提督、こちらです。」

「あ、はい。」

吊られるようにして明石に付いて行った。どうやら随伴してくれる艦娘は居ないようで現在、俺と明石の二人きりの状況だ。

明石に案内されて廊下を歩く。

この空気を見かねてか明石が切り込む。

「提督さんは驚いたりしてませんか?」

どうしよう。変に気を使い大丈夫だよって言うのも手だが此処は正直になろう。

「うーん、まあ、沢山ありますよ。いきなりPCから白い光に包まれたと思ったらいきなり提督になってくれって言われるし硫黄島は基地から鎮守府レベルになってるし。」

「そうですか。提督も大変ですねぇ。まあ、シャワーでも浴びてスッキリすれば落ち着きますよ。」

「そうだね。落ち着きも必要だし。」

落ち着かなければ見つかるものすら見つからないし。

一回深呼吸をして心を落ち着かさせると暖簾が架けられた所についた。暖簾を見ると『男』と『女』と別れていた。

「こちらです。提督。此方が風呂場になっております。」

あれ? シャワーって言ったけど…まあ、湯船に浸かるか否かのちがいだしいいか。

「では、ごゆっくり…」

見送られながら入り口で靴を脱ぎ、入っていた。

中身は昔ながらの風呂場…よく昭和のドラマなどで見られるタイプの脱衣室だ。桶に自分の服を入れ、そして入るっと言った感じだろう。

どうやら中には私一人らしく扇風機が独特な音を出しながら首を回していた。

そこでとある重要なことに気が付いてしまった。

タオルと着替えがない。

どうするべきか。

そんな悩みであったが目に留まった。入り口近くの据え置き用のタオルがそこにあった。どうやら、任務から帰ってきてすぐ風呂に入る人間がいるかもしれないと言う事を考慮しているのだろう。

一つ問題は解消された。しかしながらまだ問題が残っている。

そう着替えだ。

風呂から出て折角さっぱりしているのにもう一度同じ服を着る…あまり汗をかかないんだったら問題はないんだが流石に足が海水に浸かっているのは着たくない。

どうにもならないのかっと思った直後、タオルの近くに何かあるのを見つけた。

下着だ。勿論男物。Sから3Lまである。んでもって余裕のあるトランクスだ。

下着はいいんだ。

その上に着るもんが欲しいんだ。

だが、探せば大抵なんかあるもんだ。

もう一度見渡すと洗面台が並ぶなか受話器が見えた。

近づいて見てみる。『緊急時以外ノ使用ヲ禁止ス』と書かれていた。

まあ、緊急時だしいいよね?

受話器を取る。

電話がかかる音がする。

『プルルルプルルルル...こちら本部、また青葉か?また青葉が盗撮器具が見つかったのか?』

聞こえた声は半ば呆れた声であった。だが声の主は大抵判断出来た。

この声は大淀だ。

多分だがこういう事は一回大淀に回ってそして長官に回る感じになっているんだろう。

だがまた、青葉って…青葉何やってんだ…もしかしてガチムチ男の画像を取って売ってんのか?

「いいえ、そういう事ではなくて…あの着替えが無いもんでして…」

『着替えなら持って来て…もしかして提督ですが!?』

「まあ、あ、あ、そうです…ははは…」

あれ、提督になった気はないんだが…まあ、いいか。

『着替えでしたらそちらに妖精を派遣しときますので…』

「じゃ、お願いします。」

良かった…これでゆっくり入れる。

これで問題は消えた。

ゆっくり服を脱ぎ、タオルを巻き風呂の戸を開けた。

 

 

同刻司令部

「では、風呂場にお願いします…では」

大きく溜息をついた。

ゆっくり体を伸ばす。

「ふぅ~疲れた~」

提督が来てから仕事が大きく増えた。スケジュールの変更、艦隊の再編成、部下への指令などの仕事で机に貼り付けになってしまっていた。

「お疲れ大淀君。しばし休んでいいぞ。」

「長官、ではお言葉に甘えて…」

「長官、提督の着替えは頼んでおきましたので。」

「わかったよ。お疲れさん。」

張り付きになっていた成果、非常に喉が渇いた。だがそのことを感じたのか妖精さんが気を利かせお茶を持ってきてくれた。

会釈をし、お茶を取る。玉露の風味が口に広がる。疲れた体に染みる。

大きく溜息を付き、デスクトップの覗きお茶を片手に今後の予定を確認する。

「ええっと、本土からの提督歓迎艦の到着…か」

スケジュールを見て時間を確認する。

「到着が8:00ってなってるけど今8:00じゃ...」

時間的にはそろそろくるはずなんだけど…っと思って居ると上官から今自分が考えていることがが飛んだ。

「大淀君、そろそろ本土から歓迎艦が来るはずなんだが、どうなっている?」

「いえ、まだ反応ありません。もうそろそろレーダーの範囲内に入っても良い頃なんですが…」

それに呼応するかの如く『第一線海域』と呼ばれる地図に友軍の反応を捕らえる。

「あ、反応来ました。」

少し安堵した。

「友軍反応…ん?」

だがその安堵が束の間、違う反応が発見された。

「これって…」

別の反応が発見された直後、緊急入電が入った。

『こちら、歓迎特務艦あた…ご…救援を求む!』

指令室全員の目が一気に変わった。

「大淀、緊急第一号を発令する。基地全体を厳戒態勢に移行、現在行っている作業を一部を除き中断。友軍救出作戦を決行する!」

長官からの作戦発令を受け指令室はさっきまでの落ち着きが消えた。




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