あさひの方の気晴らしに描いたつもりが半分こっちが主力になっていますが気にしないでください。
その赤レンガの建物には汚れ一つなく、また欠けてもいなかった。アクセントとして入れてあるツタがその赤レンガ特有の赤を強調していた。柱は白で塗られ屋根は...あまりにも大きいため見れないが横の建物を見て何となく察した。
そうこう話しているうちにどうやらついていたらしい。
てっきり現代風にコンクリートで固めた堅固な建物やプレハブ小屋かと思ったがそこにあったのは作りが込んだ彫刻の様な赤レンガの建物であった。
「提督、此方へ。」
そう言われ長門についていった。
中に入ると其処は歴史溢れる木の温もりある空間が広がっていた。
初めての場所で興味津々となる子供の如く見ていた。
内部も内部で外見の美しさに比例していた。
良く磨かれた柱、木目が光る廊下、窓から入る太陽の光により更に白く見える壁、まさに其処は明治時代にタイムスリップしたかの様に思える程であった。
時々行きかう自衛官や小さい小人、艦娘が此処を軍の施設と思わせてくれるものがあった。
「提督、此方が指令室になっております。」
あまりにも周囲を見ることに夢中になり過ぎていたらしい。
長門がドアを開けると其処には多くのディスプレイが並び海域ごとに分かれた海図がかけられていた。
まるで映画やアニメの世界の様な指令室の代名詞たる光景であった。
手前には大きな椅子が置いてあり、その雰囲気を更に醸し出していた。
長門が一歩出て右手で敬礼するなり。
「長官、提督閣下を連れて参りました。」
それに伴い椅子が下がり立ち上がる様な音がした。
…立ち上がった人影は白の軍服で肩からは映画で見たことのある記章を垂らし、海軍の紋章らしき物をあしらえた軍帽を被った如何にも軍人な面持…
如何やらそれは私ののみが見えた幻影だったようだ。
実際其処に居たのは大きな二頭身の小人であった。
「ようこそ、提督君。我が硫黄島基地へ。私が此処の代理司令官山本五十六だ。宜しく頼むよ。」
山本五十六?
だがすぐに思い出した。
大日本帝國海軍聯合艦隊第二十六代司令長官山本五十六…真珠湾攻撃作戦を務め最後はブーゲンビル島にて米軍機の待ち伏せに遭い死亡、享年59歳。最終階級は…元帥だった覚えがある。
そんな御方が何でこんな姿になって居るんだ?
「えーっと、山本長官ご質問があるのですが…」
「ん? 何だね? 君は民間人だから長官なんて付けなくてもよいぞ。」
「何で長官ともう在ろう御方が何故こんな姿かと、思いまして…」
「ああ、これか。儂も知らん。」
そういうと自分の体を見始めた。
「え?」
拍子抜けした。てっきり説明を交えて解説してくれるのかと思ったがたった二言で切られた。
流石、連合艦隊司令長官…
って関係ないか。
そう思って居ると
「実はな儂が気が付くとこんな感じになっていたんだ。確かに私はブ島上空にて米軍機にやられたはずなのだが…」
どうやら死後の記憶はあるらしい。んなれば。
「つまり、山本閣下は一回死んでいると?」
「まあ、そういう事だ。」
転生か…でも転生先もまた海軍とは…
「だが、私はまたお国の為に働けるとは…何かのご縁かと思っているよ。」
如何やら当の本人は苦では無いようだ。
だが私は限界に来つつ者があった。
「山本長官、大変申し訳ありませんが宜しいでしょうか?」
「どうかしましたかね?」
「足が海水に浸かり大変気持ち悪いのでシャワーに浴びたいのですが…よろしいでしょうか?」
いかがだったでしょうか?
カロリーメイトはメープル派デス。