東方混沌記   作:ヤマタケる

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過去の出来事を語られたユニ。そんな中、一人の男がガイルゴールを殴り飛ばす。


第92話 決着の時

「ユニ、大丈夫ですか?」

 

女性の声が聞こえたのと同時にユニの意識が戻った。彼女に話しかけたのは赤いリボンがついたヘッドフォンをつけていて紳士のような服に赤いスカートを履いている女性がいた。彼女を見た瞬間、ユニは目を見開きながら言う。

 

「陛下!!」

 

「良かった、無事ですね。」

 

ビオラが言った瞬間、二人の隣にガイルゴールを殴り飛ばした男、剛岐がやって来る。そんな中、剛岐によって吹っ飛ばされたガイルゴールがゆっくりと起き上がった。ガイルゴールの頭からは剛岐に殴られた衝撃によって血が垂れていた。と、魔理沙が口を開く。

 

「あ、あのメルト・グランチやセコンドでも傷を与えられなかったのに、小宝さんは普通にダメージを与えた。すごいぜ、私はあんたを見直したぜ。」

 

「ドウシテアンナキュウニコウゲキデキタンダロウ?」

 

魔理沙とピンが話している中、ガイルゴールがビオラ達を見ながら言う。

 

「お前達もいたのか・・・。余の隙を見計らって攻撃してくるとは大した作戦だ。だが、この程度で余を倒せると思うなよ!!」

 

「・・・いいえ、あなたはもう私達の作戦の中にいます。」

 

「・・・なんだと?」

 

「先程、あなたが小宝様に殴り飛ばされた瞬間、私の能力を使わせていただきました。私のもう一つの能力は、『能力を入れ換える程度の能力』。つまり私はある人物とあなたの能力を入れ換えさせていただきました。」

 

「何ッ!?」

 

「あなたと能力を入れ換えさせたのは西田悠岐の波動を操る程度の能力です。」

 

「じ、じゃあ今のガイルゴールには!!」

 

「えぇ、今のガイルゴールに弾幕等の攻撃は有効です。」

 

ビオラの言葉を聞いた瞬間、ユニ達の顔に笑みが浮かんだ。そんな中、ガイルゴールが口を開く。

 

「能力が入れ換わったからなんだ?余が弾幕等を制圧出来なくなったからなんだ?余には関係ないのない話だ。余は能力が変わったとしても、お前達には絶対に負けたりなどしない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ私達もいるのですよ、ガイルゴール。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性の声が聞こえた瞬間、ガイルゴールはその方向を見る。そこにはガイルゴールとの戦いで気絶していた白蓮達が立っていた。それを見たビオラがユニを見て言う。

 

「良いですかユニ。私が魔力を溜めます。その間にあなた方は時間を稼いでください。止めを指すのはあなたに選んでいただきます。これは殃禍を終わらせる絶好のチャンスです。これを逃す訳にはいきません。」

 

「・・・分かりました。」

 

そう言うとユニは立ち上がり、霊夢の元へと歩み寄る。そして言う。

 

「霊夢、全てはあなたに任せるわ。」

 

「ち、ちょっとユニ!?唐突に言われてもそんなこと出来るわけ・・・。」

 

「出来ないじゃない、やるのよ!!私達はなんとしてでも殃禍に幕を閉じさせなければならないの。それが守護者である私の役目。私に力を貸して!」

 

「ユニ・・・。分かったわ、やってみる。」

 

「ありがとう霊夢。」

 

そう言った瞬間、ユニと霊夢はガイルゴールの方を見る。ガイルゴールからはただならぬオーラが漂っていた。と、ユニの隣にある人物がやって来て口を開く。

 

「少々やられたが、今の状況でなら反撃出来るな。守護者よ、私も君に全力を注ごうではないか。」

 

「メルト・グランチ様!!」

 

ユニの隣にやって来たのは先程まで気絶していたメルト・グランチだった。と、ビオラが言う。

 

「皆さん、私が魔力を溜めます。その間に皆さんは出来るだけ時間を稼いでください!」

 

「分かりました!」

 

ユニが言ったのを合図にユニ達はガイルゴールの元へと向かっていく。

 

「魔法『マジックバタフライ』!」

 

始めに白蓮がガイルゴールに向かってスペルカードによる攻撃を放つ。それを避けたるイルゴールに魔理沙が追い討ちのようにスペルカードを発動した。

 

「彗星『ブレイジングスター』。」

 

「何ッ!?」

 

魔理沙の放った攻撃はガイルゴールに見事命中する。それを見たビオラがユニ達に言う。

 

「その調子です!それで時間を稼いで下さい!」

 

彼女が言葉を発した瞬間、ガイルゴールは目線をビオラに向け、口を開く。

 

「そうか、ビオラ。お前が指揮しているのだな。ならばまずはお前から処理すべきだな!」

 

そう言った瞬間、ガイルゴールはゆっくりとビオラの元へと向かっていく。それを見た白蓮達がガイルゴールの前に立つ。

 

「邪魔だ!お前達に用などない!」

 

そう言うとガイルゴールは右手で空気を払った。その瞬間、ビオラの前に立った白蓮達が吹っ飛ばされる。

 

「みなさん!」

 

彼女が言葉を発した瞬間、ガイルゴールがビオラの目の前にやって来て腕を振り上げた。

 

「し、しまった!!」

 

魔力を溜めている状況では能力を使うことの出来ないビオラにとって絶体絶命のピンチに陥っていた。

 

「覚悟しろ、ビオラ!!」

 

そう言った瞬間、ガイルゴールは右手をビオラに振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイルゴールの攻撃がビオラに当たろうとした瞬間、近くで倒れていた二人の少女が起き上がり、ガイルゴールの振り下ろそうとする右腕に両方向から刀を刺した。それとは反対に左腕には何処からか飛んできた鎖鎌が巻きついていた。

 

「待たせたなお前ら!冥界の特別死神部隊隊長のおでましだ!」

 

「あ、あんたは篁!!」

 

霊夢が急にやってきた篁の名前を呼ぶと篁は鎖鎌を自分の方へ引っ張る。その瞬間、ガイルゴールの目の前に一人の少女が現れた。

 

「フフッ。」

 

笑い声を上げると少女は持っていた日傘でガイルゴールを殴り飛ばした。その瞬間、魔理沙が三人の少女の名前を叫ぶ。

 

「幽香、依姫、楓!!」

 

「ここまで来たのよ。」

 

「負けるわけにはいきません。」

 

「この世界のために。」

 

三人が言葉を発した瞬間、三人の後ろから剛岐が飛び上がり、口を開く。

 

「メルト・グランチ、セコンド。行くぜ!」

 

そう言った瞬間、倒れていたセコンドが起き上がり、ガイルゴールの方へと向かう。メルト・グランチも二人の後についていく。そして三人は起き上がろうとするガイルゴールに向かって攻撃を放つ。

 

「爆暗『闇のフレア』」

 

「動震『大地の刃』」

 

「根源『シャドークリスタル』」

 

「ウアァッ!」

 

五大王の三人の攻撃をまともに食らったガイルゴールは起き上がれず、また倒れてしまう。そんな中、一人の青年と一人の少女がガイルゴールの真上に飛び上がる。

 

「くらえ、龍の波動!」

 

「私の弾幕を受けなさい、ガイルゴール!」

 

「悠岐、豊姫!」

 

霊夢が二人の名前を言ったのと同時にガイルゴールに二人の攻撃が命中する。と、ビオラがユニに言う。

 

「ユニ、今です!!」

 

「は、はい!」

 

そう言うとユニは咄嗟にスペルカードを発動する。

 

「剣符『アームストライク』」

 

彼女がスペルカードを発動した瞬間、小さな黄色の空間の入口が現れた。その中から一本の剣が出てくる。それを見た霊夢は咄嗟にそれを手に取り、ガイルゴールの元へと向かいながらビオラに言う。

 

「女王陛下、お願いします!」

 

「分かりました。私の力、受け取ってください!!」

 

そう言った瞬間、ビオラは溜めていた魔力の全てを霊夢の持つ剣に放った。その瞬間、霊夢の持つ剣が金色に輝き始めた。それと同時に力を出し尽くしたビオラがゆっくりと倒れていく。倒れそうになった彼女をヴァンが抱え、口を開く。

 

「無茶しましたね、陛下。」

 

「えぇ、殃禍に幕を閉じるのならばこれくらいは何ともありません。さぁ、霊夢!ガイルゴールに止めを指すのです!!」

 

そう言った瞬間、霊夢はガイルゴールに向けて刀を向ける。そして倒れているガイルゴールの場所に降りながら叫ぶ。

 

「これで終わりよ、ガイルゴール!!」

 

霊夢の攻撃がガイルゴールの元へ来た瞬間、激しい砂埃が辺りに飛び散った。




ビオラの作戦によりガイルゴールを追い詰めることに成功したユニ達。果たして結末は!?
次作もお楽しみに!





※最近、体長不良やこちらの都合で投稿するペースが遅くなってきています。
待っている方々、申し訳ありません。これから早くしていきますので何卒よろしくお願いいたします。

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