場所は博麗神社。そこではマスターハンドを倒して体を休める霊夢、妖夢、ルーミア、綿月姉妹、サグメがいた。と、霊夢が豊姫に言う。
「ねぇ、聞きたいことがあるのだけれど、あんた達はどうして地上に降りてきたの?」
「話すと長くなるから端的に話すわね。実は先に奇襲を受けたのが月の都なのよ。」
「ガイルゴールに?」
「それで私達は二人の親王に地上へ行くように命じられていてここへ来たというわけなの。」
二人が話している中、サグメが口を開く。
「親王達は私達に任せろと言っていたが、正直勝ったとは思ってない。」
「みなさん。」
突然女性の声が響いたため、霊夢達はその方向を見る。そこには腰まで伸びる赤髪に赤いリボンがついているヘッドフォンをつけている女性がいた。彼女を見た瞬間、サグメが立ち上がり、口を開く。
「これはこれは・・・お初にお目にかかります。ビオラ女王陛下。」
そう言った瞬間、依姫と豊姫も立ち上がり、胸元に手をあてて頭を下げる。それを見たビオラがサグメを見て言う。
「・・・やはり、親王達も月余美も負けたのですね、ガイルゴールに。」
「仕方ありませんよ、女王陛下。相手は全てを全うする神。勝てる者なんて奴以外考えられませんよ。」
「そう、ですね。」
と、妖夢がビオラに言う。
「あ、あの・・・現世の女王陛下でいいんですよね?」
「ん?えぇ、そうですよ。私が現世の女王、ビオラ・ハイラルドです。」
「あ、初めまして!!私は魂魄妖夢と言います。」
「よろしくお願いします、妖夢。」
ビオラは優しい笑みを浮かべながら言う。彼女を見て妖夢の顔にも笑みが浮かぶ。と、サグメがビオラに言う。
「しかし、あなた一人でここへ来るとは・・・臣下の者は何処へ行ったのです?」
「私はここにいる!」
その声が聞こえた瞬間、ビオラの隣に白い肌に整った目鼻立ち、赤い瞳に長い銀髪を黒いリボンで束ねている男が現れた。彼を見た瞬間、霊夢が口を開く。
「ヴァンさん!」
「私だけではないぞ。」
彼が言った瞬間、箒を使って空からやって来る少女と飛び跳ねながら博麗神社に来る黄色い土人形もやって来た。彼らを見た瞬間、妖夢が言う。
「魔理沙さん、ピンさん、ユニ!」
二人が霊夢達の元へ降りた瞬間、何処からか爆発音が響いた。それを聞いたユニ達はその方向に目を向ける。と、サグメが口を開く。
「あそこに、ガイルゴールがいるのだな。」
「ガイルゴールが!?」
魔理沙が声を上げる中、ビオラがヴァンを見ながら口を開く。
「ヴァン、マスターハンドとクレイジーハンドはどうなったのです?」
「マスターハンドは彼女らが倒し、クレイジーハンドは私の手で倒そうとしましたが何者かの奇襲によって倒されました。」
「そうですか・・・。」
と、依姫が立ち上がり、爆発音のした方向を見て口を開く。
「私はガイルゴールの元へ向かいます。奴を倒して、親王達の敵討ちをします。」
「正気なのか依姫。奴は全てを全うする神だぞ。お前が行っても倒せるか・・・。」
「私も行きます、サグメ様。」
彼女が続きを言おうとした時に口を開いたのは豊姫だった。と、ビオラがサグメを見て言う。
「稀神サグメ、あなたにお願いがあります。」
「・・・何でしょう?」
「月の都へ戻り、親王達に神を倒すように伝えてほしいのです。彼らは恐らく蓬莱の薬を服用していますので死んではいません。」
「・・・依姫と豊姫はどうするのです?」
「安心してください。私は彼女らを死なせません。責任は取ります。」
「・・・分かりました、二人はあなたに任せます。依姫、豊姫、決して死なないように。」
「分かりました。」
二人が声を合わせて言った瞬間、サグメは何処かへ飛んでいってしまった。それを見届けたヴァンが辺りを見回しながら口を開く。
「陛下、そういえば小宝様の姿が見られないのですが、どちらへ?」
「小宝!?小宝って小宝剛岐様のことですか!?」
「ユニ、あなたは見てませんか?」
「いいえ、見てません。」
「あのニート王が来てるの!?」
「誰がニート王だ馬鹿者ォォォォォ!」
男の声が響いた瞬間、空から降ってきた男が霊夢の頭を掴み、そのまま地面に叩きつけた。それを見た瞬間、一同は目を見開く。と、霊夢が額から血を垂らしながら言う。
「何すんのよ!!痛いじゃない!!」
「痛いじゃねぇー!何俺の悪口言っとるんじゃー!」
二人の言い合いを見てユニ達は唖然となる。そんな中、ビオラが二人に言う。
「お、落ち着いて下さいお二方!!今はそんなことをしている場合ではありません。」
彼女の言葉を聞いた瞬間、二人は言い合いを辞め、ビオラを見ながら言う。
「すいません、女王陛下。」
「悪い、ビオラ。」
二人がビオラに謝っている中、依姫が豊姫を見て言う。
「私達は先に行きましょう、お姉様。」
「えぇ、そうね。」
そう言うと二人は爆発音のした方へ飛んでいってしまった。と、ヴァンがビオラに言う。
「陛下、そろそろ話されてはどうでしょう?」
「えぇ、そうですね。」
そう言うと彼女は霊夢、魔理沙、ユニ、妖夢を見て口を開く。
「今回私達が来たのは他でもない、あなた達に協力してもらいたいのです。」
「協力してもらいたいこと?」
「ガイルゴールを倒すための作戦ってやつだ。そのために俺もここへ来た。」
「し、しかし小宝様。私の兄様はどちらへ?」
「モルトとマーグルは現世が襲われぬように現世へ残った。ユニ、俺はモルトにあることを任されているんだ。」
「あること、ですか?」
「あぁ、『ユニを守ってほしい』ってな。だから俺はモルトの代わりにお前を守るぜ、ユニ。」
「あ、ありがとうございます。」
二人が話している中、ビオラが再び口を開く。
「本題に戻りますが私達がガイルゴールを倒すための方法、それはガイルゴールの能力を誰かのと入れ換えることです。」
「能力を入れ換える!?」
「そうさ、ガイルゴールの能力を誰かのと入れ換えることによって奴に特殊攻撃を制圧させなくするんだ。」
「で、でもそれが本当に出来るのか?私達だけじゃ不安な気がするぜ。」
「だからこその悠岐と楓だ。あの二人が時間を稼いでくれる。俺達はその間に奴を倒す。いいな?」
「わ、分かったぜ。」
「さぁ、行きましょう。」
ビオラが言った瞬間、ユニ達はガイルゴールがいる場所へと向かっていった。
ビオラのガイルゴール撃破作戦。果たして成功するのか!?
次作もお楽しみに!