東方混沌記   作:ヤマタケる

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マスターハンドを倒すことに成功した霊夢達。しかしマスターハンドは自らを贄にしてクレイジーハンドを蘇らせる。


第86話 化身再び 女王の臣下

場所は魔法の森。そこではクレイジーハンドを倒して力を出しきった楓がいた。と、楓が倒れる。それを察したユニが駆けつける。

 

「楓ちゃん!!」

 

地面に触れる前にユニが彼女を抱えた。彼女を見て魔理沙とピンも駆けつける。と、楓がユニに言う。

 

「・・・ユニ、奴は倒せたのか?」

 

「うん・・・楓ちゃんが止めを刺したよ。」

 

「アトハマスターハンドダケダネ。」

 

ピンが言った時だった。突如空からやってきた青い光が倒れているクレイジーハンドを包み込んだ。それを見た魔理沙が口を開く。

 

「おい、おいおいおいおいおい冗談だろ?」

 

魔理沙が目を見開きながら言った。彼女の言葉を聞いた三人もクレイジーハンドの方へ顔を向ける。そこには傷をおおった筈のクレイジーハンドが無傷で立っていた。

 

「そんな!!」

 

「マスター、お前の贄は決して無駄にしない。」

 

そう言うとクレイジーハンドは左手に剣を握った。

 

「楓ちゃん!!」

 

「くっ・・・。」

 

楓はなんとか立ち上がろうとするが体が震えていて立ち上がれなかった。それを見た魔理沙が口を開く。

 

「クソッ、堕天(モードオブサタン)の影響で力をあまり発揮出来ないのか。」

 

「ボクタチモサッキノキズデアマリチカラヲダセナイヨ。」

 

そんな中、クレイジーハンドがユニ達を笑みを浮かべながら見て言う。

 

「今のお前達に私を倒すことなど不可能!!この場で私は・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前の次の台詞は・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が聞こえた瞬間、声が重なる。

 

「『お前達全員まとめて始末してやる』だ。」

 

「なっ!?」

 

「え?」

 

その瞬間、クレイジーハンドは目を見開きながら声のする方向を見る。ユニ達もその方向を見る。そこには白い肌に整った目鼻立ち、赤い瞳に長い銀髪を黒いリボンで束ねている男が木にぶら下がりながらユニ達を見ていた。と、再び口を開く。

 

「更にお前は、『こいつ、いつから私の戦いぶりを見ていたんだ?』と言う。」

 

「こいつ、いつから私の戦いぶりを見ていたんだ?・・・ハッ!!」

 

「私はつい先程陛下達と共にここへ来たのさ。お前達を止めるためにな。」

 

「ヴ、ヴァンさん!!」

 

銀髪の男、ヴァンの名前をユニが呼ぶ。と、ヴァンが木から降り、口を開く。

 

「お前の相手は私がさせてもらおう、化身よ。ユニ、お前達はそこらで休んでくれ。」

 

「うん!」

 

そう言うとユニ達はヴァンから離れた場所へ移動する。その途中、ヴァンは死んだ啓介を見て少し目を細める。と、クレイジーハンドが口を開く。

 

「おい何処を見ている吸血鬼よ。お前の相手はこっちだ。」

 

「知っているとも、化身よ。」

 

そう言った瞬間、クレイジーハンドはヴァンの目の前に現れる。

 

「危ない!」

 

ユニが咄嗟にヴァンに叫ぶ。しかし彼はクレイジーハンドが突然現れたことに恐れず、そのまま彼を爪で斬りつけた。

 

「何っ!?」

 

「フッ。」

 

腹にダメージを覆った彼は後退する。そんな彼とは別にヴァンがスペルカードを発動する。

 

「連射『ニードルスパイラル』」

 

その瞬間、彼の左手から無数の針が放たれた。それを見たクレイジーハンドは避け続ける。と、ヴァンが拳銃を手に持ち、そのまま発砲した。

 

「ぐっ!?」

 

彼の攻撃は走りながら避けるクレイジーハンドの左足を捉え、そのまま彼は地面に倒れる。そんな中、魔理沙が口を開く。

 

「す、すごい。ヴァンってあんなに強いんだな。」

 

「あいつはあまり戦わないイメージを出しているが、元帝王軍の手下だったからな。ヴァンが弱い訳がない。」

 

「すごい、あれがヴァンさんの力。」

 

ユニ、楓が話している中、ヴァンがスペルカードを再び発動した。

 

「爆撃『フレイムランチャー』」

 

「まだだ・・・私はまだ倒れるつもりはない!!」

 

そう言ったのもつかの間、クレイジーハンドはヴァンの攻撃をまともに食らった。




破壊の化身クレイジーハンドに圧倒的な強さを見せたヴァン。
次作もお楽しみに!

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