場所は変わって博麗神社。そこではマスターハンドとの戦いで突然現れた綿月姉妹に驚く霊夢、妖夢、ルーミアがいた。と、マスターハンドが口を開く。
「君達がいるということは何処かに稀神サグメが潜んでいるな?まぁ、どうでもいいけれどね。」
「マスターハンド、私達がここへ来た理由は分かりますか?」
「崩壊された月の都の恨みを果たすためだろう?」
彼の言葉を聞いた瞬間、霊夢は目を見開いた。そんな中、マスターハンドは再び言う。
「君達との戦いはすぐに終わらせなければならない。殃禍の最中にエリュシオンが来たら人溜まりもないからね。」
「・・・やはり、化身であるあなたも奴を恐れているのね。」
綿月姉妹とマスターハンドが話している中、霊夢が依姫を見ながら言う。
「ちょっと、エリュシオンって一体何者なのよ!!」
「・・・申し訳ありません、霊夢。エリュシオンのことはこの殃禍を終わらせてからでよろしいでしょうか?今私達には奴のことを話している暇なんてないのです。」
「・・・分かったわよ。その代わり、殃禍を終わらせたら必ず言うのよ。」
「えぇ、勿論ですとも。」
そう言うと二人はマスターハンドを睨む。それを見た彼は笑みを浮かべながら言う。
「さぁ、始めよう。」
そう言った瞬間、マスターハンドは空いている左手を前に出した。その瞬間、彼の指先から青いレーザーが放たれた。
「くっ!!」
豊姫と依姫はそれを避けながらマスターハンドの元へやっていく。と、マスターハンドの姿が一瞬にして消えた。
「なっ!?」
すぐさま五人はマスターハンドを探す。彼は博麗神社の屋根の上にいた。と、マスターハンドが口を開く。
「残念なお知らせだよ。僕のもう一人の存在であるクレイジーハンドがやられたようだ。」
「つまり、クレイジーハンドを倒したということですね?」
「その通りさ、半霊。どうやら彼は半悪魔の怒りをかってしまってやられたようだ。」
「ということは楓か悠岐がやったのね。」
「彼がやられても僕がいる。」
彼がそう言った時だった。突如彼の背後から黒い空間のようなものが彼を包んだ。それを見た霊夢が言う。
「ルーミア!!」
空間の中ではルーミアがマスターハンドを攻撃していた。と、依姫がルーミアに向かって言う。
「妖怪さん!ギリギリまでその状態にしておいてください。私との御姉様で止めを刺します!」
「待って、二人とも。」
その声が聞こえた瞬間、四人の上から片翼で赤い目をしている銀髪の少女が現れた。彼女を見た豊姫が言う。
「サグメ様!」
「止めを刺すなら複数人いたほうが効率的だろう?ここは五人でやるんだ。」
「はい!!」
「ちょっと片翼の天使!私の神社はどうなるのよ!!」
「誰が片翼の天使だ!!」
二人のボケを見た妖夢と綿月姉妹は思わず溜め息をはいてしまう。と、豊姫が口を開く。
「あの妖怪の力なら神社は壊れない筈よ。ほら、ご覧なさい。」
彼女が言った瞬間、マスターハンドを包んでいる黒い空間が宙に浮かび始めた。それを見たサグメが唐突に口を開く。
「今だ!!」
彼女が言った瞬間、五人が同時にスペルカードを放った。直撃する直前でルーミアはマスターハンドから放れる。と、マスターハンドは五人の一斉攻撃を見て言う。
「あぁ、僕も彼と同じ運命を辿るのか・・・。」
そう言った瞬間、五人の一斉攻撃がマスターハンドに直撃した。そしてそのまま彼は地面に倒れていった。それを見た依姫が言う。
「・・・終わり、ましたね。」
「そうなのかー?」
「そんな筈ない!!」
その声が聞こえた瞬間、マスターハンドがヨロヨロになりながら立ち上がった。それを見た霊夢が口を開く。
「なっ、まだ立っていられるの!?」
「僕は・・・まだやれる、さ・・・。ガイルゴール様の、お役に立てるまでっ!?」
その瞬間、マスターハンドが背後から何者かに斬られ、地面に倒れた。彼の背後にいたのは黒髪に赤い目、黒い刀を持っている青年だった。彼を見た瞬間、妖夢が口を開く。
「悠岐さん、来てくれたんですね!!」
「あぁ、少し遅れてしまったがなんとか着いたぜ。」
「なるほど、君が来るとはね。」
その声が聞こえた瞬間、悠岐はマスターハンドを見る。そして口を開く。
「テメェ、まだくたばらないのか。随分と体の硬い野郎だな。」
「フフフ、残念ながら僕はここまでだ。僕の力の全てを君の大切な者と戦っている彼に送るよ。さぁ受け取ってくれ、クレイジー。あとは、任せたよ。」
そう言った瞬間、マスターハンドの体が光となって消えていった。と、悠岐が霊夢達に言う。
「お前ら、すまない。俺はもう移動しなくては。」
「どうしたのです?西田悠岐。」
「マスターハンドが・・・クレイジーハンドを蘇らせやがった!」
「!?」
自らを贄として力の全てをクレイジーハンドに捧げたマスターハンド。
次作もお楽しみに!