東方混沌記   作:ヤマタケる

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黄泉とニライカナイ。出会った守護者は黄泉が圧倒的な強さを見せつけた。そしてガイルゴールが動き始める。


第81話 破壊の化身

場所は魔法の森。そこではユニ、啓介、ピン、魔理沙の四人がガイルゴールとの戦いに備えて待機していた。と、ユニが啓介に言う。

 

「ねぇ、啓介君。他の人達ってどうしていると思う?」

 

「どうしているってか?安心しろ、悠岐や楓、霊夢達は大丈夫だ。なんせ、セコンド、メルト・グランチらの異変も解決していったんだからな。」

 

「デモ、コンカイノアイテハカミサマダヨ?ボクタチニショウキハアルノカイ?」

 

「さぁな。それはやってみなければ分からない。だが、言えることはいつ誰が死んでもおかしくないという状況は変わらないことだ。もしかしたら魔理沙が死ぬかもしれないしユニが死ぬかもしれない。結果なんて誰にも分からないのさ。」

 

「私は最後まで諦めないぜ。例え相手が神だろうと何であろうとな。」

 

「そうね、魔理沙の言う通りだわ。負けを認めない限りはまだ負けてない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の始めの相手はお前達か。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如四人の背後から男の声が響いた。その瞬間、四人は一斉に後ろを振り返る。そこには腰まで伸びる銀髪に紅い瞳、白いスーツを着た紳士の男がいた。と、男が四人に言う。

 

「お前達の相手は私が務めさせてもらおう。」

 

男が言った瞬間、啓介が目を細めながら言う。

 

「テメェは・・・マスターハンド!!」

 

その瞬間、紳士の男は『ドテッ』と地面に倒れてしまう。そして男はすぐに起き上がり、口を開く。

 

「違ーう!!私はマスターハンドではない、クレイジーハンドだ!!」

 

「クレイジーハンド?ウソヲツクナ。ソンナクチョウハマスターハンドイガイアリエナイ!!」

 

「だからクレイジーハンドだって言ってんだろ!!ガイルゴール様の力で化身の時の私とマスターの口調が入れ替わってしまったんだ!!」

 

「ヘヘッ、笑えるぜ。」

 

「笑うな、魔法使いの小娘め!!」

 

そう言うとマスター・・・いや、クレイジーハンドは全身に力を込め始めた。そして口を開く。

 

「私の機嫌を悪くさせたことを後悔させてやる。覚悟するがいい!!」

 

そう言った瞬間、クレイジーハンドの姿が一瞬にして消えた。

 

「消えた!?」

 

啓介が言った瞬間、ピンの真横に紳士の男が現れた。そのままクレイジーハンドはピンを吹っ飛ばした。

 

「ピンさん!!」

 

「テメェ!!」

 

咄嗟に魔理沙とユニは戦闘体勢に入る。と、ユニがスペルカードを発動する。

 

「宝符ゲートオブバビロン!!」

 

その瞬間、彼女の背後に金色の空間が現れ、中から無数の武器がクレイジーハンド目掛けて飛んでくる。

 

「無駄だ。」

 

そう言った瞬間、クレイジーハンドは右手を前に突き出した。その瞬間、武器が全て吹っ飛んだ。

 

「闇のレクテリア!!」

 

その隙に啓介が背後から攻撃を仕掛ける。それに気づいていたのか、クレイジーハンドは彼の攻撃を容易く避けた。

 

「何ッ!?」

 

「見え見えだ。」

 

そう言うとクレイジーハンドは啓介の腹を殴りつけた。

 

「ガハッ!!」

 

吐血しながら啓介は木に叩きつけられる。

 

「ケイスケクン!!」

 

咄嗟にピンが彼の元へと急ぐ。そんな中、魔理沙がスペルカードを発動した。

 

「いきなりいくぜ、恋符マスタースパーク!!」

 

彼女の攻撃は一直線にクレイジーハンドに向かっていく。と、クレイジーハンドが左手を出した。そしてそのまま魔理沙のマスタースパークを片手で押さえた。

 

「なっ!?」

 

「これが、人間と化身の力の差だ。」

 

そう言った瞬間、クレイジーハンドはユニと魔理沙の元へ一瞬にして移動し、そのまま二人を殴り飛ばした。

 

「グハッ!」

 

「ぐっ!」

 

そのまま二人は木に叩きつけられる。それを見たクレイジーハンドが口を開く。

 

「相手にもならんぞ。もっと私を満足させてくれ!」

 

そう言った瞬間、クレイジーハンドは左手に剣を出現させ、そのままユニ目掛けて振り下ろす。彼女に当たる寸前で啓介がクレイジーハンドの攻撃を止める。そしてクレイジーハンドの腹を蹴った。

 

「ぬおっ!?」

 

「舐めてもらっちゃ困るぜ、クレイジーハンド。いくら俺達が弱いからといって一人でやるとは限らないぜ!」

 

「なるほど、絆の力とやらか。なら私はその絆の力を壊してやろう。」

 

そう言うとクレイジーハンドは右手に力を込め始めた。すると彼の手から赤い玉が出現した。

 

「くらえ!!」

 

そのままクレイジーハンドは赤い玉をユニ達に向かって放った。だが、その時だった。クレイジーハンドの放った赤い玉がユニ達とは全く別の方向に飛んでいってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前の相手はこの私だ、化身。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声のした方向を一同は一斉に見る。そこには腰まで伸びる黒髪に赤い目、黒いスカートに氷のオーラを纏っている刀を持つ少女がいた。彼女を見た瞬間、ユニは目を見開きながら彼女の名前を言う。

 

「楓ちゃん!!」

 

「待たせたな、ユニ。ルシファーとの戦いで少し苦戦してしまった。」

 

「遅いぞ、楓。そのせいで俺達の体はボロボロさ。」

 

「すまない、啓介。少し待っていてくれ。こいつは私が倒す。」

 

そう言うと楓はクレイジーハンドに刀を向ける。それを見たクレイジーハンドが溜め息をつき、言う。

 

「これは参ったな。出野楓が来るとは予想外な展開だ。」

 

「さぁ、始めるぞ。化身!!」




ピンチになったユニ達の元へ駆けつけた楓。化身と悪魔の戦いが始まる!!
次作もお楽しみに!

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