場所は無縁塚。そこでは小町、妹子から手紙を受け取った映姫がある場所へと向かっていた。そしてその場所に着いた瞬間、映姫は口を開く。
「黄泉殿、黄泉殿はおられますか?」
「その声、映姫か?」
低い男の声が聞こえたかと思うと暗闇からかつての日本軍が着ていた軍服に黒い帽子を被っていて紫色の髪に赤い目、後ろには異形な生物を連れてくる男、黄泉が現れた。と、黄泉が映姫を見て言う。
「お前が
「はい、実は妖怪の山の仙人からあなた様へと手紙が届いております。」
そう言うと彼女は黄泉に1通の手紙を渡した。それを受け取った彼は手紙を開いて内容を見る。それを見た黄泉は口を開く。
「事情は把握した。つまりガイルゴールという輩を倒すために力を借りたいというのか?あの仙人は。」
「そのようですね。一体黄泉殿に何を協力してもらうのか・・・。」
「聖獣を説得させるつもりか?」
「聖獣を説得させる?」
「この世界には
「まさか、今から行かれるのですか!?」
「すぐに戻る。なんせ奴は
そう言うと黄泉は何処かへ歩いていってしまった。映姫はそれを黙って見ていた。
場所は神霊廟。そこでは突然として現れた聖獣ニライカナイが神子達の前に立ちはだかっていた。と、華扇が口を開く。
「何故なのです!ニライカナイ。何故海の守護者であるあなたが神と手を組んだのです?」
「俺は・・・俺には神に仮を返さなければならないんだ。」
「神に仮を返す?」
「そう、それは数ヶ月前のことだった。俺の楽園が、ある者の手によって崩壊させられた挙げ句、仲間達を殺された。」
「ある者?」
「分かるか?カオスだ!カオスさえいなければ・・・俺がすぐに戻ってきていたら・・・仲間達が死なずに済んだというのに!!」
「ニライカナイ・・・。」
「怒った俺はすぐさまカオスの元へ行き、奴を倒そうとした。だが、その時にはもうカオスはいなかった。何故なら俺が来たときには既にガイルゴール様に倒されていたからだ。」
「・・・・。」
神子や妹子、華扇達は何も言葉を発さなかった。そんな中、ニライカナイが再び口を開く。
「カオスを倒してくれたガイルゴール様のために俺は!!神に仮を返す!!」
彼が言った瞬間、華扇が溜め息をつき、言う。
「やれやれ、私達ではどうにもなりませんね。救世主が来てくれるのを待ちましょう。」
「救世主?誰を呼んだというのです?茨木華扇。」
「見ていれば分かりますよ。」
二人が話している中、ニライカナイが口を開く。
「さぁ、行くぞ!!」
そう言うとニライカナイは持っている槍を構えた。
「ぐっ!?」
その瞬間、突如としてニライカナイが頭を抱え始めた。それを見た瞬間、神子達は目を見開いた。と、華扇が口を開く。
「お早いお出ましですね。」
華扇が言った中、ニライカナイの頭の中で何かが話しかけていた。
「久しいな、ニライカナイ。
「その声・・・まさか、黄泉か?」
「いかにも。ニライカナイよ、貴様は
「違う、黄泉!!俺はただ、仮を返そうとして・・・。」
「惚けるな!!もう貴様にはうんざりだ。元の地へ戻してやろう。」
そう言った瞬間、ニライカナイの体が徐々に消え始めた。それを見た妹子が華扇に言う。
「まさか、黄泉様に協力を依頼したのですか?華扇さん。」
「ええ、その通りですよ。守護者を止められるのは守護者だけですから。」
華扇が話した瞬間、ニライカナイの姿が一瞬にして消えてしまった。それを見た神子が口を開く。
「・・・呆気ないですね。まさか同じ守護者にやられるなんて・・・。」
「でも、これで神撃破には大きく近づきましたよ。感謝します、黄泉殿。」
場所は変わって妖怪の山。そこでは今回の異変の黒幕、ガイルゴールが様子を見ていた。と、不意に口を開く。
「ニライカナイが倒されたか・・・。今回は運が悪いな。ベータもやられ、ルシファーもニライカナイもすぐに倒された。やはり余が行くべきなのだな。」
そう言うとガイルゴールは何処かへ歩いていってしまった。
ニライカナイを倒した黄泉。遂に動き始めるガイルゴール。次作もお楽しみに!