場所は紅魔館。そこでは突然現れてレミリア達を圧倒したルシファーと彼女に立ち向かう一人の少女、楓がいた。と、ルシファーのバリアを壊した楓が彼女に言う。
「私の主、ルシファー。何故だ!」
「楓か・・・。何故お前が?」
「私から聞きたい。何故ガイルゴールと手を組んだんだ!!」
「我の意志だ。神と手を組むことによって我に得を得られる。」
「そんな理由で神と組んだのか、ルシファー!!」
「然り。それでは我も問おう。楓よ、何故我の元へと来た?そして、あの小僧はいないのか?」
「悠岐は別の場所でこの世界のために戦っている。私がここへ来た理由、それはお前を倒すためだ!!」
「成る程、他の場所でか。まぁ、よい。我にとっては気にすることのない事だ。」
「ルシファー、私はこの場でお前を葬る。本来なら尊敬するべき存在だが、ガイルゴールと手を組むと言うのならば、今のお前は敵に過ぎない。」
「我を裏切るか・・・。面白い。」
そう言った瞬間、ルシファーは玉座から立ち上がるとそのまま楓を見つめる。
「くらえ!!」
そう言うとルシファーは楓目掛けて青い光線を放った。それを見た楓は咄嗟に攻撃を避ける。再びルシファーは光線を放つ。楓もそれを避け続ける。それを見ていたパチュリーが心の中で言う。
(あの堕天使の攻撃を完璧に避けている。体が咄嗟に反応しているの?いいや、違う。知っているのかしら?あの攻撃を。かつてこの攻撃を見ていたかのように、体が動いているわ。楓、あなたは一体どんな過去を・・・。)
パチュリーが心の中で言う中、楓はスペルカードを発動していた。
「氷界ブリザード!!」
彼女の攻撃を見たルシファーはそれを容易く避ける。その瞬間、楓はルシファーの目の前に現れた。
「なにッ!?」
「葬る!!」
そのまま楓はルシファーの腹を斬りつけた。
「ぐっ!?」
腹を斬りつけられたルシファーは思わず後退してしまう。それを見たレミリアが言う。
「流石悠岐と同じ存在、楓ね。例え相手が主であろうと躊躇なくやっていく。」
レミリアが言った瞬間、ルシファーが出血する腹を押さえながら楓に言う。
「貴様・・・主によくもこのような傷をつけたな!!」
「フフッ、ただ傷つけただけじゃない。」
そう言うと楓は先程斬りつけたルシファーの腹を指差す。それを見たルシファーは腹を見る。それを見た瞬間、美鈴が口を開く。
「傷口が凍っている!?いつのまに凍らせたんですか?」
「気化冷凍法。奴の腹を切った瞬間に刀の先から放っておいた。傷口が凍ってしまえば自由には動けないだろう。」
「くっ・・・。フフ、流石我が見込んだ小娘だ、楓。だが、次はうまくいくとは思うなよ。奴を撃破した後に、いつか相手してやる。」
「奴を撃破?ルシファー、それって・・・。」
「お前には、関係のないことだ。それではまた会おう。」
そう言うとルシファーは楓達に背を向けてそのまま消えていってしまった。それを見た楓はレミリア達を見て言う。
「これから私は残っているガイルゴールの僕達を倒しにいく。レミリア達は少し休んで後から来てくれ。」
「分かったよ、楓姉ちゃん。」
「・・・中々馴れないな。フランから『姉ちゃん』って呼ばれるのは。」
赤面しながら言う楓を見てフランは微笑む。そんな彼女とは別にレミリアが彼女に言う。
「ねぇ、楓。ルシファーの言っていた、『奴』って一体誰なの?」
「・・・私も詳しくは分からないが、恐らくはあの神だろう。」
「そう・・・。」
そのまま楓は何処かへ走っていってしまった。それを見ていたパチュリーが口を開く。
「彼女が言っていたのは恐らく、ガイルゴールじゃない気がするわ。」
「ガイルゴールじゃない?じゃあ一体何だって言うの?パチェ。」
「楓とルシファーが言っていた、奴って言うのは恐らく・・・。」
パチュリーが続きを言おうとした瞬間、何処からか爆発音が響いた。
その頃、ガイルゴールは無縁塚から幻想郷を見ていた唐突に言葉を発する。
「ルシファー・・・。お前の敗北は決して無駄ではない。後は余やマスター、クレイジー、ニライカナイに任せろ。神の絶対権力は決して覆させぬ。」
そんな彼の後ろには二人の紳士がいた。と、ガイルゴールが二人に言う。
「マスター、クレイジー。行動を開始せよ。」
「はっ!」
そう言うと二人は何処かへ飛んでいってしまった。ガイルゴールはそれを見た後、無縁塚の奥へ歩いていった。
撤退するルシファー。何か目的があるというのか!?
次作もお楽しみに!