東方混沌記   作:ヤマタケる

81 / 183
悠岐と篁の戦いの末、悠岐が勝利を掴んだ。


第79話 堕天使vs悪魔

場所は紅魔館。そこでは突然現れてレミリア達を圧倒したルシファーと彼女に立ち向かう一人の少女、楓がいた。と、ルシファーのバリアを壊した楓が彼女に言う。

 

「私の主、ルシファー。何故だ!」

 

「楓か・・・。何故お前が?」

 

「私から聞きたい。何故ガイルゴールと手を組んだんだ!!」

 

「我の意志だ。神と手を組むことによって我に得を得られる。」

 

「そんな理由で神と組んだのか、ルシファー!!」

 

「然り。それでは我も問おう。楓よ、何故我の元へと来た?そして、あの小僧はいないのか?」

 

「悠岐は別の場所でこの世界のために戦っている。私がここへ来た理由、それはお前を倒すためだ!!」

 

「成る程、他の場所でか。まぁ、よい。我にとっては気にすることのない事だ。」

 

「ルシファー、私はこの場でお前を葬る。本来なら尊敬するべき存在だが、ガイルゴールと手を組むと言うのならば、今のお前は敵に過ぎない。」

 

「我を裏切るか・・・。面白い。」

 

そう言った瞬間、ルシファーは玉座から立ち上がるとそのまま楓を見つめる。

 

「くらえ!!」

 

そう言うとルシファーは楓目掛けて青い光線を放った。それを見た楓は咄嗟に攻撃を避ける。再びルシファーは光線を放つ。楓もそれを避け続ける。それを見ていたパチュリーが心の中で言う。

 

(あの堕天使の攻撃を完璧に避けている。体が咄嗟に反応しているの?いいや、違う。知っているのかしら?あの攻撃を。かつてこの攻撃を見ていたかのように、体が動いているわ。楓、あなたは一体どんな過去を・・・。)

 

パチュリーが心の中で言う中、楓はスペルカードを発動していた。

 

「氷界ブリザード!!」

 

彼女の攻撃を見たルシファーはそれを容易く避ける。その瞬間、楓はルシファーの目の前に現れた。

 

「なにッ!?」

 

「葬る!!」

 

そのまま楓はルシファーの腹を斬りつけた。

 

「ぐっ!?」

 

腹を斬りつけられたルシファーは思わず後退してしまう。それを見たレミリアが言う。

 

「流石悠岐と同じ存在、楓ね。例え相手が主であろうと躊躇なくやっていく。」

 

レミリアが言った瞬間、ルシファーが出血する腹を押さえながら楓に言う。

 

「貴様・・・主によくもこのような傷をつけたな!!」

 

「フフッ、ただ傷つけただけじゃない。」

 

そう言うと楓は先程斬りつけたルシファーの腹を指差す。それを見たルシファーは腹を見る。それを見た瞬間、美鈴が口を開く。

 

「傷口が凍っている!?いつのまに凍らせたんですか?」

 

「気化冷凍法。奴の腹を切った瞬間に刀の先から放っておいた。傷口が凍ってしまえば自由には動けないだろう。」

 

「くっ・・・。フフ、流石我が見込んだ小娘だ、楓。だが、次はうまくいくとは思うなよ。奴を撃破した後に、いつか相手してやる。」

 

「奴を撃破?ルシファー、それって・・・。」

 

「お前には、関係のないことだ。それではまた会おう。」

 

そう言うとルシファーは楓達に背を向けてそのまま消えていってしまった。それを見た楓はレミリア達を見て言う。

 

「これから私は残っているガイルゴールの僕達を倒しにいく。レミリア達は少し休んで後から来てくれ。」

 

「分かったよ、楓姉ちゃん。」

 

「・・・中々馴れないな。フランから『姉ちゃん』って呼ばれるのは。」

 

赤面しながら言う楓を見てフランは微笑む。そんな彼女とは別にレミリアが彼女に言う。

 

「ねぇ、楓。ルシファーの言っていた、『奴』って一体誰なの?」

 

「・・・私も詳しくは分からないが、恐らくはあの神だろう。」

 

「そう・・・。」

 

そのまま楓は何処かへ走っていってしまった。それを見ていたパチュリーが口を開く。

 

「彼女が言っていたのは恐らく、ガイルゴールじゃない気がするわ。」

 

「ガイルゴールじゃない?じゃあ一体何だって言うの?パチェ。」

 

「楓とルシファーが言っていた、奴って言うのは恐らく・・・。」

 

パチュリーが続きを言おうとした瞬間、何処からか爆発音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ガイルゴールは無縁塚から幻想郷を見ていた唐突に言葉を発する。

 

「ルシファー・・・。お前の敗北は決して無駄ではない。後は余やマスター、クレイジー、ニライカナイに任せろ。神の絶対権力は決して覆させぬ。」

 

そんな彼の後ろには二人の紳士がいた。と、ガイルゴールが二人に言う。

 

「マスター、クレイジー。行動を開始せよ。」

 

「はっ!」

 

そう言うと二人は何処かへ飛んでいってしまった。ガイルゴールはそれを見た後、無縁塚の奥へ歩いていった。




撤退するルシファー。何か目的があるというのか!?
次作もお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。