「やるじゃねぇか、悪魔!!」
そう言うと彼は起き上がった。そんな彼の体の所々に出血が見られる。それを見た悠岐が口を開く。
「あの一撃をくらってもまだ立っていられるとはな・・・。大した体の硬さだ。」
「ハッ、褒め言葉として受けていれるさ。俺は今、最高に楽しいぜ、西田悠岐!!こんなに楽しめる戦いをしたのはお前が初めてだ!!」
「・・・。」
「さぁ、もっと俺を楽しませてくれ。もっと楽しい戦いにしようぜ!!」
「お前と戦うのもそろそろ終いとさせてもらおう、小野塚篁。」
そう言った瞬間、二人は再び刀と鎖鎌を打ち合う。打ち合う衝撃で辺りの岩盤や木々が吹っ飛ぶ。それを気にせず打ち合う。そして二人が距離を取った瞬間、二人は笑みを浮かべて同時に走り出す。そして二人がすれ違った。その瞬間、悠岐の肩から鮮血が飛び散る。
「チッ・・・。」
「ハハハ、やっと傷をつけることが出来た。俺は、それだけで・・・満、足、さ・・・。」
そう言った瞬間、篁の体から鮮血が飛び散った。そのまま彼は地面に倒れた。それを見た悠岐の体は元の姿に戻った。そして悠岐は篁に言う。
「お前との戦い、存分に楽しめたぜ。悪いが俺はここで失礼させてもらう。ガイルゴール達を倒さないといけないんでな。」
そう言うと彼は自分の傷を気にせずに無縁塚を去っていった。
「兄さん!!」
「お兄様!!」
彼が去っていったのと同時に妹子と小町が倒れる彼の元へと駆け寄る。それに気づいた彼はある方向を見て言う。
「妖華、いるのか?」
篁が言った瞬間、草陰から腰まで伸びる銀髪に黒いリボンをつけていて白いシャツに青緑色のベストを着ている少女が現れた。姿は妖夢に似ているものの、背丈は彼女より高く、髪も長い。そんな中、篁は妖夢に似ている少女、妖華を呼んだ。彼に呼ばれた妖華は篁の側へ寄る。そして言う。
「篁、また戦ったの?そんな傷だらけになっちゃって。」
「あぁ。久し振りに負けちまったよ。」
「負けちまったよじゃないわよ!!なんで傷つくまで戦うの?私はそこまで望んでないよ!!」
「・・・妖華。俺が戦う理由、それはお前を守れるようにするためさ。」
「!?」
「妹子、小町、映姫様にこれを届けにいってくれ。」
そう言うと彼は妹子に1通の手紙を渡した。彼から手紙を貰った妹子は小町と共に映姫の元へと走っていった。それを見た篁は上体を起こした。そして言う。
「俺は、
そう言うと篁は隣に座る妖華を抱き寄せた。赤面する彼女とは別に篁が彼女に言う。
「許してくれ、妖華。これは俺のためでもあり、ましてはお前のためなんだ。」
「篁・・・。」
「妖華、俺の傷を治してくれないか?俺はこれからガイルゴールとかいう奴らと戦う。」
「分かったわ。でも、私も連れていって。」
「あぁ、勿論さ。」
そう言った瞬間、篁の傷がどんどん治っていく。と、妖華が篁に言う。
「一応、さっきの男の人の傷も治しておいたから。」
「あぁ、ありがとな。」
そう言うと篁は体を起こした。それにつられて彼女も立ち上がる。そして篁は妖怪の山を見て言う。
「さぁ、行こうか妖華。神をぶっ倒しにな。」
「えぇ、行きましょう!」
そう言うと二人は互いに手を取って飛び立っていった。
その頃、何処かへ行こうとした悠岐は自分の体を見て異変に気がつく。
「・・・傷が、治っている?」
首を傾げながらも彼は再び走り出した。守るべき人を守るために。
悠岐と篁の戦いに終焉がついた。しかし他の場所はどうなっているのか!?
次作もお楽しみに!