東方混沌記   作:ヤマタケる

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幻想郷に現れたガイルゴールの軍勢のルシファーとニライカナイ。


第74話 レミリアvsルシファー

「堕天の王、ルシファーですって?」

 

そう言うとレミリアは宙に浮き、彼女を見ながら言った。そんな彼女にルシファーが口を開く。

 

「レミリア・スカーレット、お前は我が主ガイルゴール様の命により、始末させてもらう。」

 

「何処の妖怪かは知らないけれど、あなたはこの私、レミリア・スカーレットを倒すことは不可能よ。」

 

「可能だとも。何故ならお前の戦いの全てを見てきたのだから。」

 

「何っ!?」

 

彼女の言葉を聞いたレミリアは思わず声を上げてしまう。そんな彼女とは別にパチュリーがルシファーに言う。

 

「堕天の王、ルシファー。それは一体どういうことなの?」

 

「考えてみろ、お前達の周りに悪魔はいないか?」

 

彼女が言った瞬間、レミリア達は一斉に小悪魔の方を見る。と、小悪魔が慌てながら口を開く。

 

「わ、私じゃないですよ!!だって私はルシファーを知らないんですから!!」

 

「怪しいわね。小悪魔、正直に・・・。」

 

「その通りだ、小悪魔の小娘。」

 

咲夜が責めようとした瞬間、口を開いたのはルシファーだった。と、彼女は右手を上にあげ、赤い光と青い光を出した。それを見たレミリアが口を開く。

 

「ルシファー・・・一体それは何なの?」

 

「お前達の周りには、悪魔というより半人半悪魔がいるのを知っているか?」

 

「ま、まさか・・・。」

 

「そう、よく気づいたな魔法使い。何故我がお前達と戦うことになっても負けないか。それはあの二人の半悪魔、西田悠岐と出野楓の視界からお前達の戦いぶりを見ていたからだ。」

 

「そっ、それじゃあ悠岐と楓に悪魔の力を与えたというのは!!」

 

「そう、この我だ。本来ならもう二人いたが冥狼神とエリュシオンの手により命を落とした。最も、エリュシオンに至っては助ける術が無かった。」

 

「フン、アヌビスやエリュシオンのことなんてどうでもいいわ。あなたは私達を倒すためにここへ来たんでしょう?なら始めましょうよ!」

 

「準備は出来ているか?では、来い!」

 

ルシファーが言った瞬間、レミリアはすぐにスペルカードを発動した。

 

「神槍スピア・ザ・グングニル!」

 

彼女の放った攻撃は真っ直ぐルシファーの元へ向かう。しかしルシファーはそれを黙って見ている。そして彼女にグングニルが彼女に命中し、煙が発生した。

 

「フン、大した相手ではなかったわね。」

 

「いいえ、まだよレミィ。」

 

煙が晴れた場所をパチュリーは汗を流しながら見つめる。それを見たレミリアもその場所を見る。そこにはレミリアの攻撃をくらっても無傷でいるルシファーがいた。

 

「そんな!お嬢様が放ったグングニルを受けても平然としていられるなんて!!」

 

「みんな見て!なんか紫色の何かが見える!」

 

フランの言葉を聞いた瞬間、レミリア達は一斉に彼女の方を見る。ルシファーの回りにはフランの言うとおり、紫色の何かがあった。と、ルシファーが笑みを浮かべながら言う。

 

「お前達にはこのバリアを壊すことは出来ない。お前達はこのバリアの法則を知らないのだから。」

 

「ならば、私達が壊して見せるわ。咲夜!!」

 

レミリアが叫んだ瞬間、咲夜が彼女の元まで飛び上がり、スペルカードを発動した。

 

「幻世ザ・ワールド!時よ止まれっ!」

 

その瞬間、辺りの時空が歪み、そのまま時間が止まった。と、咲夜はナイフを数本取りだし、そのままルシファーの回りに投げつける。数十本のナイフがルシファーの回りで止まる。と、咲夜が口を開いた。

 

「こうすれば、例え堕天の王のルシファーであろうと一溜まりもないはず。時は動き出す。」

 

その瞬間、止まっていた時間が再び動きだし、ルシファーの回りに止まっていたナイフが一斉に彼女に向かって飛んで来る。しかしナイフは全てルシファーのバリアによって弾かれてしまった。

 

「隙ありぃぃぃぃ!」

 

「!?」

 

声が辺りに響いたかと思うとフランがルシファーの上から飛んできていてスペルカードを発動していた。

 

「禁忌レヴァーテイン!」

 

それを見たルシファーは右手を上げ、指を鳴らした。

 

「みんな伏せてっ!」

 

パチュリーがすぐさま他の五人に言う。しかし五人は状況が把握出来ないまま、その場でとどまる。そしてルシファーの回りに紫色の輪の光線が放たれた。

 

「ぐはっ!」

 

彼女の攻撃をくらったレミリア達は地面に倒れてしまう。そんな中、ルシファーが彼女達を見ながら言う。

 

「これはエナジーサークル。我が最も得意とする技だ。しかし、この程度でやられるのはまだ早い。」

 

そう言うと彼女は立ち上がり、手をあげて再び口を開く。

 

「これで終わりにしてやる。大号令を受けるがよい!」

 

彼女の言葉を聞いた瞬間、美鈴は目を見開きながら言う。

 

「大号令!?まさか・・・」

 

「美鈴、何か知っているの?」

 

「危険です、パチュリー様。最悪の場合、全滅します!」

 

「ま、マズイ!」

 

慌てるレミリア達とは別にルシファーは上げた右手に紫色のオーラを漂わせながら口を開く。

 

「我、堕天の・・・!?」

 

彼女が続きを言おうとした時だった。突如彼女の目の前に腰まで伸びる黒髪に赤い瞳、袖のない黒い服を着ていて氷のオーラが漂う刀を持っている少女が現れた。その瞬間、彼女は刀をルシファーの回りにあるバリアに突き刺した。その瞬間、バリアにヒビが入り、対にはガラスが割れるような音を立てて壊れた。

 

「何っ!?」

 

これを見たルシファーは思わず目を見開く。そんな彼女とは別に少女はレミリア達の前に降り立つ。と、少女がレミリア達に言う。

 

「ルシファーはお前達だけじゃ勝てる相手じゃない。私も混ぜさせてもらう。」

 

「あなたは・・・楓!!」




ルシファーの攻撃によりピンチになったレミリア達を助けた楓。悪魔vs悪魔の戦いが始まる。
次作もお楽しみに!

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