東方混沌記   作:ヤマタケる

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化身達は何故か二人をネザーへ連れていった。そしてガストの涙を飲ませただけだった。


第73話 謎の女と海の聖獣

場所は変わって幻想郷の紅魔館。そこでは霊夢達から話を聞いたというのにのんびりしているレミリア・スカーレットがいた。その紅魔館の門番を務める少女、紅美鈴はいつものように門の前で眠っていた。

 

「・・・?」

 

と、美鈴は突然何かの気配を感じとり、閉じていた瞳を開ける。彼女の目線に写るのはフードを深く被っていてショートパンツをはいている女性がいた。彼女を見た瞬間、美鈴は口を開く。

 

「あ、あの~・・・どちら様ですか?」

 

「・・・。」

 

美鈴が話しかけても女性は言葉を出さない。そんな彼女とは別に美鈴は再び言う。

 

「何の用でここへいらしたのですか?まさか、泥棒するつもりですか?それともお嬢様の命を狙うつもりですか?」

 

「・・・・お前は、紅美鈴だな?」

 

美鈴は驚きを隠せなかった。女性が喋ったからではない。女性が自分の名を知っていたからだ。そんな彼女に口を開く。

 

「どっ、どうして私の名前を!?まさか、あなた私にストーカーしていましたね!!」

 

「・・・は?お前の言っている意味が分からない。何故名前を知っているだけでストーカーだと言うのだ?」

 

「あ、その・・・・すいません。」

 

「フン、まぁいい。それより紅美鈴よ、レミリア・スカーレットは何処にいる?」

 

女性の言葉を聞いた瞬間、美鈴の体がピクリと反応する。そんな彼女とは別に女性は口を開く。

 

「もう一度言う。レミリア・スカーレットは何処だ?」

 

彼女が言った瞬間、美鈴は女性に向かって弾幕を放った。

 

「!!」

 

それを見た女性は冷静に後退する。そんな彼女とは別に美鈴は戦う構えをして彼女に言う。

 

「お嬢様に会いたかったら私を倒してみなさい、この人間風情が!」

 

彼女が言った瞬間、女性は右手をレミリアのいる部屋に向けた。その瞬間、彼女の指先から青い光線が放たれた。彼女の放った光線はレミリアのいる部屋に命中する。

 

「お嬢様!!」

 

彼女がレミリアの名前を叫んだ瞬間、女性は突然紅くなる空を見て口を開く。

 

「流石だな。そう簡単にくたばる奴とは思ってなかったぞ。」

 

彼女が見つめる先、そこにはメイドの咲夜、パチュリー、小悪魔、妹のフランを率いる少女、レミリア・スカーレットがいた。と、レミリアが口を開く。

 

「あなたは何者?今は千年殃禍で忙しいのよ。」

 

「・・・フフフ」

 

「・・・何が可笑しいというの?」

 

「つい数時間前、月の都は我ら神の軍勢によって壊滅した。」

 

「なっ!?」

 

「月の都を崩壊させた?いい様じゃない。」

 

「そろそろ、我も姿を見せなきゃいけないな。」

 

そう言った瞬間、女性はレミリア達に背を向けた。その瞬間、彼女の前に階段が現れた。

 

「湖に、階段が!?」

 

パチュリーが驚いている中、女性はゆっくりと階段を上がっていく。そして一番上まで来た瞬間、彼女は上にあった玉座に腰を下ろす。その瞬間、彼女の背中から紫の羽が生えた。

 

「あ、あれは・・・。」

 

咲夜が言った中、女性の回りに紫色の渦が漂い始めた。

 

「な、何が起こってるの?お姉様。」

 

「分からないわよ。でも、何かヤバイかもしれないわ!」

 

レミリアがフランに言った女性の回りに漂っていた渦が消え、中から青い服を着ていて頭にはフードだけのようなものを被っていて薄紫の瞳の女性が姿を現した。そして女性はレミリア達に言う。

 

「我は堕天の王、ルシファーなり!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、悠岐と楓は無縁塚付近にいた。と、悠岐が紅くなる空を見ながら口を開く。

 

「この紅い雲・・・レミィじゃないぞ!!」

 

「この感覚・・・まさか、ルシファー!?」

 

「馬鹿な!!ルシファー!?」

 

「なんでだ・・・どうしてルシファーはガイルゴール側に回ってしまったんだ!!」

 

「こうなったら楓、ルシファーを倒しにいくぞ!!」

 

「あぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ち下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如悠岐と楓は誰かに呼び止められたため、動きを止めてしまう。二人の背後にいたのは白いシニョンをピンクの髪に着けていて紅い服を着ていて右腕を包帯で巻いている女性、茨木華扇だった。と、華扇は悠岐に手紙を差し出しながら言う。

 

「悠岐さん、お願いがあるのですがこれを黄泉に届けて欲しいのです。」

 

「黄泉だと!?黄泉って確か、黄泉軍(ヨモツイクサ)を率いる冥界の団長のことか?」

 

「はい、その黄泉です。」

 

「その黄泉は何処にいるんだ?」

 

「四季映姫のいる冥界の最下層にいます。無理であれば映姫さんに渡してもらってもいいですよ。」

 

「分かった、任せな。」

 

「悠岐!」

 

冥界へ向かおうとした悠岐の腕を楓が掴んだ。そして口を開く。

 

「・・・気をつけてな。いつガイルゴールの刺客が来るのか分からない。」

 

「あぁ、気をつけるさ。お前も気をつけろよ、楓。」

 

「勿論さ。」

 

二人が話している中、華扇が口を開いた。

 

「私は豊聡耳神子の元へ行きます。そこに神の軍勢の刺客の気配がするので。」

 

「あぁ、分かった。」

 

楓が言った瞬間、三人はそれぞれの場所へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は神霊廟。そこでは千年殃禍に備えて戦闘準備をしていた神子達の姿があった。

 

「神子様!信仰者の方が来ましたよ。」

 

と、布都が神子の叫んだ。それを聞いた彼女は布都のいる場所へと向かう。そこにいたのは青い髪に右手には鍵のようなものを持っている男がいた。彼を見た神子が頭を下げて言う。

 

「よくおいでになられました。私は豊聡耳神子と言います。」

 

「・・・お前のことは知っている。」

 

「なっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ち下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如神子の元へ白いシニョンをピンクの髪につけていて右腕を包帯で巻いている女性、茨木華扇がやって来た。と、華扇が神子の隣に並び、口を開く。

 

「油断しないでください、神子。あれはあなたの信仰者ではありません。あれは、神の軍勢の一人に過ぎません!!」

 

彼女が言った瞬間、男の持っていた鍵が青く光始めた。そんな中、妹子、青娥、芳香、屠自古がやって来る。と、妹子が男を見ながら口を開く。

 

「あ、あなたは黄泉様の知り合いのニライカナイ!?」

 

「妹子?何か知っているのですか?」

 

神子が妹子に問う瞬間、男が宙に浮き始め、回りには青い渦が漂う。と、妹子が再び言う。

 

「幻想郷にはそれぞれアヴァロン、ニライカナイ、シャンバラ、エデン、黄泉の5体の鍵の守護者がいるんです。その一人があの、ニライカナイなんです!」

「そのニライカナイが神の軍勢に回っているのは何故・・・。」

 

華扇が言った瞬間、男の回りを漂っていた渦が消えて中から青く、巨大な魚のような生物の上に男が乗っていた。と、男が神子達を見ながら言う。

 

「絶対なる神、ガイルゴール様に認められた神聖なる力・・・。俺の名はニライカナイ、彼方の楽園を守る者だ!!」




ルシファーとニライカナイ。幻想郷に現れる神の軍勢の者。レミリア達と神子達はこの強敵に勝てるのか!?
次作もお楽しみに!

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