東方混沌記   作:ヤマタケる

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月の都を崩壊させたガイルゴール達。だが嫦娥を復活させようとするが謎の鎖により復活を阻止される。


第72話 化身の企み ネザーへ

場所は最果ての星。星が見える空とは別に反対側には何もない、真の果ての星。そこの建物の中で二人の少女、宇佐見蓮子とマエリベリ・ハーンはいた。二人は牢屋に入れられて数時間が経っていて話す気にもなれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁやぁ、おまたせ。宇佐見蓮子にマエリベリ・ハーン。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如声が響いた瞬間、二人の目線に二人の白い服を着た紳士、マスターとクレイジーが現れた。二人を見た瞬間、蓮子は檻を掴み、揺らしながら言う。

 

「早くここから出しなさいよ!!」

 

「あぁ、出すさ。」

 

そう言うとクレイジーは二人を閉じ込めていた檻の鍵を開けた。その瞬間、二人は牢屋から出て建物から逃げようとする。そんな二人にマスターが言う。

 

「無駄だよ、ここは最果ての星。逃げることなんて出来ないさ。」

 

「なっ!?」

 

彼の言葉を聞いた瞬間、蓮子とメリーは思わず足を止めてしまう。そんな二人にクレイジーが口を開く。

 

「お前達は今、地球から何億光年も離れた星にいる。逃げても逃げられる場所などない。」

 

「・・・どうやったら逃げられるの?」

「簡単なことだよ。僕達に着いてくればいいんだ。」

 

そう言った瞬間、マスターは蓮子とメリーの手を取る。その瞬間、その場からマスター、蓮子、メリーの姿が消えた。それを見たクレイジーも消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、着いたよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターの言葉が聞こえた瞬間、蓮子とメリーの二人は目を覚ます。

 

「こ、ここは!?」

 

二人の目線に広がる光景。そこには辺りはネザーラックがあり、天井からマグマが流れている。そんな中、クレイジーが二人に言う。

 

「ここはネザー。現世や幻想郷、月の都とは違う世界、四角世界(マインクラフト)の地獄だ。」

 

二人が呆然となっている中、マスターが二人に近づき、言う。

 

「不思議だろう?本来ならマグマの熱さが伝わる筈なのに伝わっていないことが。これは僕の能力で君達にマグマ体勢のポーションを飲ませた。これで君達はマグマに落ちても服は燃えないし君達も燃えない。」

 

そう言った瞬間、クレイジーは辺りを見回す。そしてマスターに言う。

 

「マスター、近くにいるようだ。すぐに終わらせよう。」

 

「あぁ、そうだね。」

 

そう言った瞬間、四人から20mほど離れたマグマの中から体が正四角形で目を閉じていて足が9本あり、大きさは10mほどある化物が現れた。

 

「ひっ!!」

 

化物を見た瞬間、蓮子とメリーは思わず声を上げてしまう。そんな二人とは別にクレイジーが言う。

 

「あれはガスト。ネザーに来た者達を追い払おうとする番人だ。安心しろ、真の番人のウルガストは我々が月の都侵略の際に負傷したため、動けぬ。」

 

「月の都を・・・・侵略した?」

 

「その通り。我が主、ガイルゴール様と共に侵略に成功した。だが、嫦娥の復活は不可能だった。既に奴に先越されたのだ。」

 

「や、奴って?」

「お前達に言っても分からぬ。」

 

クレイジーと蓮子、メリーが話している中、マスターがガストを見ながら口を開く。

 

「クレイジー、二人は任せたよ。涙を回収してくる。」

 

そう言うとマスターは笑みを浮かべながら刀を剣を取り出す。

「ウガァァァァッ!」

 

と、ガストがマスター目掛けて火玉を放った。マスターはそれを片手で受け止めた。

 

「すごい・・・何なのあの人。」

 

「宇佐見蓮子にマエリベリ・ハーンよ。あれは人間ではない。人間の振りをした化身よ。私とマスターはガイルゴール様から生み出された化身なのだ。」

 

「・・・あっ、聞いたことがあるわ。」

 

「メリー、何か知ってるの?」

 

「えぇ、前一人で図書館へ行った時に化身のことが書かれている本を読んだわ。何億年も前、シヴァと呼ばれる神様がいたの。ガイルゴールはその神を2つに分けた。創造と破壊、それがマスターハンドとクレイジーハンドなのよ。」

 

「その通りだマエリベリ・ハーン。私とマスターは本来は二人で一つだった。」

 

三人が話している中、マスターは既にガストに止めをさそうとしていたところだった。マスターに怯えるガストとは別にマスターは表情を変えずにガストに言う。

 

「怖がる必要はないさ。僕が欲しいのは君の命じゃない。君の涙さ。僕は君の涙が欲しいだけだ。」

 

彼が言った瞬間、ガストは目から涙を流し始めた。それを見たマスターは笑みを浮かべながらポケットの中に入っていたビンを二つ取り出した。そして彼はガストの涙から流れる涙を回収する。そしてあっという間にビンの中はガストの涙で一杯になった。

 

「さ、もういいよ。」

 

彼が言った瞬間、ガストは何処かへ飛んでいってしまった。と、マスターは二人にガストの涙が入ったビンを渡した。

 

「え、これは?」

 

「飲んでみなよ。味は普通の水と変わらないから。」

 

彼が言った瞬間、蓮子とメリーは少し抵抗があるものの、ビンの中にある涙を飲んだ。

 

「!?」

 

その瞬間、蓮子とメリーは何かを感じ、思わずビンを落としてしまう。ビンが割れた瞬間、中に入っていた涙が一瞬にして蒸発してしまった。そんな中、クレイジーが笑みを浮かべながら言う。

 

「どうだ?涙の味は。」

 

「すごく・・・不味いわ・・・。」

 

「さて、僕らの役割はこれで終わりだ。」

 

そう言った瞬間、マスターは再び二人の手を取るとそのままクレイジーと共に消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が目を覚ますとそこにはマスターとクレイジーに出会った場所だった。と、マスターが二人に言う。

 

「君達の役目は終わりだ。ご苦労さん。」

 

そう言うとマスターは消えていってしまった。二人が目を合わせた瞬間、クレイジーが二人に言う。

 

「予め言っておこう。帝セコンドに協力を依頼しても無駄だ、何故なら我が主は神。誰にも負けぬ存在だ。」

 

そう言った瞬間、クレイジーもマスターと同じように消えていった。と、メリーが蓮子に言う。

 

「・・・蓮子、どうする?」

 

「奴は無駄だと言っていたけれど、依頼するしかないわ。急ぎましょう。」

 

「うん。」

 

そう言うと二人はセコンドのいる御所へと走っていった。




二人の化身が二人に涙を飲ませた理由とは?
次作もお楽しみに!

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