東方混沌記   作:ヤマタケる

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ゾンビ軍団の奇襲を防いだユニ達。


第67話 千年殃禍

講堂へ集まったユニ達はテーブルに座る。全員が座ったのを見たビオラが口を開く。

 

「実はみなさんに残念なお知らせがあります。」

 

「残念なお知らせですか?」

 

「えぇ。これは幻想郷だけでなく現世、四角世界(マインクラフト)、月の都にも関係することです。」

 

「全ての世界に関わること!?」

 

彼女の言葉にユニは思わず声を上げてしまう。そんな彼女とは別にビオラが再び言う。

 

「実は全ての世界には千年に一度起こる、『千年殃禍』というものがあります。」

 

「千年殃禍?」

 

「えぇ、全てを創造した神のガイルゴールが全ての世界に訪れては戦闘を仕掛けてきます。」

 

「どうして!?」

 

霊夢は声を上げてしまう。声を上げずにはいられなかった。そんな彼女にヴァンが答える。

 

「ガイルゴールは自分を超える力の持ち主を何千年も待ち続けている。だから千年に一度という期間をあけてやって来る。」

 

「ちなみにヴァンさん、今までガイルゴールに勝ったことがあるのか?昔の人達は。」

 

「残念ながら、まだ一度も奴を倒せていない。」

 

「そんな・・・。」

 

彼の言葉を聞いた魔理沙は思わず肩を落としてしまう。そんな彼女とは別にビオラは再び言葉を発する。

 

「ですが、私は必ずこの殃禍に終止符を打とうと思っています。今後、千年に一度多くの人達を犠牲にしたくない。」

 

「・・・。」

 

辺りに沈黙が漂う中、何か閃いたユニが立ち上がり、口を開く。

 

「勝てる可能性はあるよ!だって私達には五大王の方々がいらっしゃるし、何より悠岐君や楓ちゃん、霊夢や幽香がいるんだよ!」

 

「だがユニ、五大王や私達がいたとしても奴には幹部がいる筈だ。そいつらにも殺られる可能性はある。」

 

「・・・。」

 

黙り混むユニにヴァンが言う。

 

「嘗てガイルゴールはbeat(ベータ)と呼ばれる地球外知的生命体を何百体も連れてきた。人類の敗因はそれだと言われている。だが、今の科学では戦車やレーザー砲がある。beatを倒す手段としてはある。」

 

「だがヴァン、ガイルゴールの対策としてはどうするつもりだ?」

 

「・・・後程考えるつもりだ。ちなみに楓はどうするつもりなのだ?」

 

「私ならまず幹部を倒す。そしてガイルゴールを討つ。そんな感じだな。」

 

楓とヴァンが話す中、ビオラが二人に向かって口を開く。

 

「ガイルゴールの幹部には、まず創造心の化身、マスターハンドと破壊心の化身、クレイジーハンドがいます。」

 

「マスターハンド?」

 

「おや、霊夢はクレイジーハンドは知っているのですね。」

 

「えぇ、まぁ・・・。以前にユニが呼び寄せていましたからね。」

 

「成る程、それなら話が早い。マスターハンドはクレイジーハンドの逆の姿なのですよ。」

 

「クレイジーハンドの逆・・・右手か!!」

 

「そう、マスターハンドは右手、クレイジーハンドは左手の存在。」

 

「そ、そいつらの強さは一体どれくらいなんだ?女王さん。」

 

魔理沙が言った瞬間、ビオラは彼女を鋭い眼差しをして見ながら言う。

 

「魔理沙ったら、あなたは礼儀というものを知らないようですね。許可なしにタメ口で私に話しかけるなんて。身の程を弁えなさい。」

 

「ご、ごめんなさい。女王さ・・・陛下。」

 

「さて、改めて話しますがマスターハンドとクレイジーハンドの強さは恐らく、五大王の方々と互角になるかと思われます。」

 

「五大王と互角!?」

 

「そうです。ガイルゴールはそれより上の存在。勝つなんてことは不可能といっても過言ではないでしょう。」

 

「・・・・。」

 

「少し、疲れましたね。ゾンビ達を倒してすぐにこんな深刻な話をするなんて。今日はここで終わりとしましょう。みなさん、部屋に戻ってゆっくり体を休めて下さい。」

 

彼女が言った瞬間、ユニ達は黙って講堂から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は魔理沙と霊夢の部屋。魔理沙はベッドに寝転がりながら天井を見ていた。それを見た霊夢が彼女に言う。

 

「何よそんな真剣な顔になっちゃって。そんなに女王さんに注意されたことが気にくわないの?」

 

「当たり前だぜ。なんで礼儀を覚えなきゃいけないんだ。」

 

「現世の掟なのよ。まぁ、あんたは仕方ないわね。師匠の魅魔にもタメ口だったし。」

 

「魅魔様はタメ口を許してくれただけなんだぜ。私は正直礼儀なんて必要ないと思う。」

 

「はぁ。魔理沙、あんたは本当に幻想郷で生まれて良かったわね。」

 

「あぁ、本当に良かったぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて悠岐、啓介、ピンのいる部屋。三人はベッドに寝転がりながら話していた。

 

「悠岐、お前は千年殃禍を知っていたのか?ヴァンやユニが話していた時にお前だけ無口だったし、冷静な目をしていた。」

 

「1年前、爺さんの書庫にあった書物を読んだ。その内容に千年殃禍のことが書かれていた。」

 

「ドンナコトガカカレテタノ?」

 

「天から現れし大いなる脅威は全ての生物を滅ぼす。」

 

「そう、書かれていたのか?」

 

「あぁ。恐らくこれがガイルゴールのことだ。」

 

「ドウシテソンナコトガ・・・。」

 

「ガイルゴールの考えることなんて分かりきったことじゃない。しかも陛下はこの次期に訪れるとかなんとか言っていたし。」

 

「十分に警戒しろってことだな。」

 

「・・・。」

 

「あれ、ピン?」

 

突然ピンが無口になったため、二人はピンのいる方向を見る。ピンは既に布団に潜って寝ていた。それを見た二人は汗を流し、口を開く。

 

「相変わらず寝るのか早いな、土人形は。」

 

「人形でも睡眠はとるんだな。」

 

「さ、俺たちも寝よう。」

 

「あぁ、そうだな。おやすみ悠岐。」

 

「おやすみ啓介。」

 

そう言うと二人は布団に潜り、そのまま眠りについた。




ビオラのいう千年殃禍とは!?
次作もお楽しみに!

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