東方混沌記   作:ヤマタケる

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部屋で楓の悲惨な過去を聞いたユニは彼女を慰める。そんな時、町中に鐘の音が響く。


第66話 ゾンビ奇襲

二人が外に出ると既にビオラ達が外に出ていた。と、ヴァンが口を開く。

 

「何故我々が来た時に奇襲して来るんだ!」

 

「ヴァン、もしかするとこれはあれの前兆かもしれません。」

 

「あれの前兆?」

 

「今は話す余裕がないので後で話します。悠岐、楓、啓介、ヴァンはゾンビの駆除を。ユニ、霊夢、魔理沙、ピン、ユニは私と共に町の人達の非難をお願いします。」

 

「了解!」

 

そう言うと悠岐、楓、啓介、ヴァンはゾンビの駆除へ向かい、ビオラ、ユニ、霊夢、魔理沙、ピンは町の人達の非難を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠岐、楓、啓介、ヴァンはそれぞれ武器を手に取り、門から町の中へと入ってくるゾンビ達の元へと到達した。と、ヴァンが門を見て口を開く。

 

「何故だ・・・。何故見張りが大砲を打って大抵は撃破出来る筈なのに・・・。」

 

「・・・おい!あれを見ろ!!」

 

そう言うと悠岐はある方向を指差した。それにつられて楓、啓介、ヴァンもその方向を見る。そこには見張り灯の見張りがゾンビに襲われそうになっていた。それを見た啓介が口を開く。

 

「なんてこった、見張りが襲われてちゃ、意味がねぇじゃねぇか。これは手分けして倒したほうがいいな。ヴァン、俺達は南をやるぞ。」

 

「分かった、悠岐と楓はここを頼んだ。」

 

「分かった。」

 

そう言った瞬間、啓介とヴァンは南へと行ってしまった。二人が行ったのを見た悠岐はゾンビ軍団を見て口を開く。

 

「さて、一仕事やりますか。」

 

「いくぞ、悠岐。」

 

そう言うと二人は同時に刀を取りだし、ゾンビ軍団の元へと走っていく。ゾンビ達は一斉に二人に襲いかかる。しかし二人はゾンビ達の攻撃を避け、次々とゾンビ達を斬っていく。途中で二人は背中を合わせて言葉を交わす。

 

「クソッ、数が多すぎる!」

 

「確かに奇襲としては数が多すぎるな。楓、踏ん張るぞ。」

 

「分かってる。」

 

そう言うと二人は再びゾンビ達を斬っていく。しばらく斬っていくとゾンビ達が二人に怯えたのか、一斉に逃げ出した。それを見た悠岐と楓は呆然と見る。と、楓が悠岐に言う。

 

「急いで門を閉じるぞ!!」

 

「おう!」

 

そう言うと二人は6mほどある門を軽々と閉じた。二人は荒い息づかいになりながら辺りを見回す。そんな二人の体はゾンビの返り血が付着していた。と、楓が悠岐に言う。

 

「これで、終わりか?」

 

「あぁ、町に侵入しようとするやつは・・・!?」

 

「ど、どうした悠岐!!」

 

「今、気配を感じた。ユニ達がいた方向に・・・ミュータントの気配だ。」

 

「まさか、ミュータントゾンビ!?」

 

「最悪だ・・・急いで向かうぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、啓介とヴァンは見張り灯の見張りを襲うゾンビを倒していた。

 

「ありがとうございます!!」

 

見張りの男は何度も二人に頭を下げた。と、啓介がヴァンに言う。

 

「見ろ、ヴァン。ゾンビ達が町の外へ逃げていく。」

 

二人が見る方向には町の外へ逃げていくゾンビ達の姿があった。それを見たヴァンが口を開く。

 

「悠岐と楓がやったんだな。」

 

「ヴァン、ユニ達の元に戻って合流しよう。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

二人がユニ達の元へ戻ろうとした瞬間、二人はある動く物体を目にした。大きさはゾンビの2倍くらいはあっり、建物の上を飛びながら移動していた。それを見た啓介が口を開く。

 

「おいヴァン、あいつまさか・・・。」

 

「陛下達の元へと向かっている!!急ぐぞ啓介!!」

 

そう言うと二人は急いでユニ達の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ユニ達は町の人達を非難させていた。と、ビオラがユニ達に言う。

 

「みなさん、あと一息です。頑張ってください!!」

 

彼女の言葉を聞いたユニ達は必死で町の人達を非難させた。その時だった。突如ユニ達の背後からドスンという鈍い音が響いた。その音を聞いたユニ達は恐る恐る後ろを振り向いた。そこにはゾンビの2倍くらいあり、体が太くなっているゾンビがいた。それを見たビオラが目を見開きながら言う。

 

「ミュータントゾンビ・・・どうしてこんな時に!!」

 

「ミュータントゾンビ?」

 

「ミュータントゾンビは、ゾンビが突然変異を起こして生まれたゾンビの覚醒というものでしょう。」

ビオラが言った瞬間、ミュータントゾンビは口から白い息を吐いてユニ達を見つめる。それを見た魔理沙が口を開く。

 

「み、見ていやがる・・・。あいつ、完全に私達に狙いを定めている!!」

 

「ユニ、魔理沙、ピンさん。やるわよ。」

 

そう言ったのは霊夢だった。それを見たビオラが四人に言う。

 

「待ってください!ここでスペルカードを使うつもりですか?お止めください!町に被害があたります!」

 

「じゃあどうしろって言うんだよ、女王さん!!」

 

魔理沙が言った瞬間、ピンが一人でミュータントゾンビの元へと走っていく。

 

「クラエェェ!」

 

ピンの拳はミュータントゾンビの腹に命中する。だがミュータントゾンビはピクリとも動かない。

 

「ナニッ!」

 

ピンが動揺した瞬間、ミュータントゾンビがピンにアッパーを食らわした。

 

「グハッ!」

 

そのままピンは上空に上げられる。さらにミュータントゾンビはピンの元まで飛び上がり、ピンの腹を両手で殴りつけた。

 

「グハアッ!」

 

そのままピンは地面に叩きつけられる。

 

「ピンさん!!」

 

三人は同時に声をあげる。そんな中、ミュータントゾンビは地面に倒れるピンの元へと降りる。その瞬間、ミュータントゾンビの顔にピンのパンチが炸裂する。ピンの拳をまともに受けたミュータントゾンビはそのまま吹っ飛ばされ、地面に倒れる。

 

「やった!」

 

思わず声を上げられるユニ達。しかしビオラは目を細めて口を開く。

 

「いいえ、まだです。」

 

彼女が言った瞬間、ミュータントゾンビが何事も起こらなかったかのように立ち上がった。それを見たユニ達は驚きを隠せなかった。と、ピンが口を開く。

 

「ユニチャン、カネンブツトカモッテナイ?」

 

「か、可燃物をどうして?」

 

「チョットツカイタクテ。」

 

そう言った瞬間、ユニは空間からライターを取り出した。それをピンに渡す。と、ピンはライターの火をつけてミュータントゾンビに近づく。それを見たミュータントゾンビはゆっくりとピンから距離を取る。それを見た魔理沙が口を開く。

 

「そうか!ミュータントゾンビは火に弱いんだ。だからピンさんに近づかないんだ。」

 

「そうだ、きっとピンさんはそれを理解して!!」

 

それに納得したユニはピンの戦いぶりを見る。と、突然ミュータントゾンビの頭が何者かによって撃ち抜かれた。

 

「今だピン、燃やせ!」

 

その声が聞こえた瞬間、ピンは倒れたミュータントゾンビにライターの火をつけた。その瞬間、ミュータントゾンビは跡形もなく消えてしまった。

 

「危なかったな、ピン。」

 

ピンを助けたのは右手に拳銃を持っているヴァンと彼の後を追ってきた啓介だった。

 

「ヴァンさん、啓介君!!」

 

思わずユニは二人の名前を叫ぶ。そんな中、身体中ゾンビの血で服が真っ赤に付着している悠岐と楓も戻ってきた。それを見た霊夢が二人に言う。

 

「ちょっとあんたら大丈夫なの!?」

 

「いや、大丈夫だが?」

 

「そもそも私達は傷一つもついてないぞ。」

 

「そ、そうなんだ・・・。」

 

「みなさん、話したいことがありますので講堂へお集まりください。」

そう言うとビオラは講堂へ行ってしまった。ユニ達も彼女の後を追っていった。




突然のゾンビの奇襲。普段現れる筈のないミュータントゾンビ。何か関係性があるのか!?
次作もお楽しみに!

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