東方混沌記   作:ヤマタケる

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兄のアイアルト・モルトとの再開を果たしたユニ。メルト・グランチの薦めにより、現世を回ることに。


第64話 現実世界

御所を出たユニ達は外へ出る。

 

「うわぁ・・・。」

 

三人の前に広がる光景。そこには巨大な建物が建っていた。しかも建物は一つではなく20ほどだ。そして地面には灰色と白い線の道があった。そこにはタイヤのついた機械が道を走っている。と、楓がユニ達に言う。

 

「驚いたか?ユニ。幻想郷と現世の大きな違いを。」

 

「す、すごい。こんな大きな建物が現世にはあるんだ!!」

 

驚きのあまり声を上げてしまう中、ビオラが笑みを浮かべて三人に言う。

 

「さ、ユニに霊夢に魔理沙。現世をご案内しますよ。着いてきて下さい。」

 

そう言うとビオラは建物の下へと移動し始めた。それを見たユニ達も後に着いていく。歩いている中、ヴァンがユニの隣に並び、建物を指差して言う。

 

「あれはビルと言って、世界の様々な会社が貿易や交流、さらには商品の製作を行う場所なんだ。」

 

「ヴァンさん、ぼうえきって?」

 

「そうか、幻想郷の者は貿易を知らないんだな。貿易と言うのは国と国との商品の売買を行うことなんだ。」

 

「へぇ、初めて知ったわ。」

 

ユニとヴァンが話している中、魔理沙がヴァンを見て目を見開いていた。そんな彼女を見てヴァンが口を開く。

 

「次に魔理沙が言う台詞は、『ヴァンさん、どうして太陽の光が当たっているのに砂にならないんだ?』だ。」

 

「ヴァンさん、どうして太陽の光が当たっているのに砂にならないんだ?・・・なっ!?」

 

「ヴァンの十八番(おはこ)には参りましたよ。」

 

そう言ったのはビオラだった。と、霊夢がヴァンに言う。

 

「ヴァンさん、今度は私が何を言うか、当ててみなさい!!」

 

「う~ん、次に霊夢が言う台詞は、『私の考えなんて誰にも当てられないわ。』だな。」

 

「私の考えなんて誰にも当てられないわ。なっ!?」

 

それを見たユニは目をキラキラ輝かせて言う。

 

「すごい!これはヴァンさんの能力なんだね!」

 

「お、おいユニ。勘違いしないでくれ。私の能力はこれではないよ。」

 

「えっ、能力じゃないの!?」

 

それを聞いたユニ達は目を見開いた。そんな中、悠岐が口を開く。

 

「ヴァンの特技さ。こいつは人の心を読んでそれを利用して戦うのが好きなのさ。」

 

彼が言ったのと同時にヴァンが再び口を開いた。

 

「その通りだ。ちなみに何故私が太陽の光を浴びても死なないか、それはメルト・グランチ様に特殊な薬を飲まされたあらゆる吸血鬼の弱点を克服した。」

 

「す、すごいわ。」

 

と、ピンが突然前を指差して言う。

 

「ミテ!アソコニヒトガアツマッテルヨ!」

 

ピンの言葉を聞いたユニ達はその方向を見る。そこには金髪で青いマントをしていて右手には鳩の彫刻がついている斧を持つ少年がいた。それを見たビオラが口を開く。

 

「みなさんはここで待っていて下さい。行きますよ、ヴァン。」

 

「はい、陛下。」

そう言うと二人は少年の元へ行った。と、啓介が霊夢達に言う。

 

「おっと、言い忘れていたが現世には『獣神祭』といって毎年この時期になると英雄が一人来てくれるんだ。」

 

「それで、あの英雄さんは?」

 

魔理沙の問いには啓介ではなく楓が答えた。

 

「彼の名前はノア。方舟(はこぶね)を使って世界を旅する英雄だ。他にもアグナムートやストライク、ロビンフットやパンドラがいるんだ。」

 

「それで、今年はノアだっていうの?」

 

「その通り、今年はノアが来てくれたな。」

 

話している中、ノアと言葉を交わし終えたビオラとヴァンが戻ってきた。と、ビオラが口を開く。

 

「ノアの話なのですが・・・少々、他の英雄達に何か影響があるようです。」

 

「何か影響?」

 

「何の影響なのか分かりませんがきっと私達にも及ぶと思います。」

 

「そうですね・・・。」

 

辺りに沈黙が漂う中、ヴァンが口を開く。

 

「さ、行きましょう。」

 

そう言うとユニ達はビルの下へと移動する。ビルの下には小さいが店舗が並んでいた。と、啓介が口を開く。

 

「ここには俺の知り合いが多い。よく働いている奴がいるよ。」

 

「へぇ、啓介のご知り合いが?」

 

「そうなんです、陛下。」

 

「よう悠岐じゃねぇか。焼きそばでも喰ってくか?」

 

ビオラと啓介が話している中、焼きそば屋の店員が悠岐に話しかけてきた。それに答えて悠岐も答える。

 

「おう!焼きそば屋のおっちゃん。」

 

「それに、楓ちゃんやあまり見ない嬢ちゃんもいるじゃねぇか。」

 

「この町を案内していてな。」

 

「そうかいそうかい。そうだ、焼きそば喰ってくか?」

 

「そうだな、食べる人はいるか?」

 

「「「「食べる!!」」」」

 

即答したのはユニ、霊夢、魔理沙、楓だった。そんな四人とは別にビオラやヴァンも口を開く。

 

「私はご遠慮させていただきますわ。」

 

「俺も遠慮しておく。」

 

「私もだ。」

 

「食べるのは5人だな。おっちゃん、焼きそば5個頼む。」

 

「あいよ!1000円だぜ。」

 

「はいはい。」

 

そう言うと彼はポケットから財布を取りだし、5人分の料金を払った。しばらく移動して9人はベンチに腰を下ろすことにした。そして悠岐、ユニ、霊夢、魔理沙、楓の5人は同時に口を開く。

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

5人は速攻でも焼きそばを食べ始める。食べた瞬間、ユニ、霊夢、魔理沙は目を輝かせながら言う。

 

「お、美味しすぎるぅぅぅぅぅ!」

 

「このそばの味の漬け方がいい感じにフィットしているわ。」

 

「久しぶりにうまいもん食べれて嬉しいぜ!!」

5人の食べっぷりを見たビオラは笑みを浮かべて口を開く。

 

「アハハ、相変わらず食欲旺盛ですね。」

 

「私も若い時はあれほど食べていましたね。」

 

「私はまだヴァン、あなたの知らないことがたくさんあります。他にも色々教えてくださいね?」

 

「えぇ、勿論ですとも。」

 

二人が話している中、5人は既に焼きそばを食べ終えていた。それを見たビオラが目を見開きながら言う。

 

「め、目を離した隙に・・・。」

「す、すごい。最近の人間は男女関係なく食欲は凄まじいですね。」

 

二人が話した中、楓がビオラに言う。

 

「陛下、霊夢達に私作町(マイクラシティ)を案内するのはどうですか?」

 

「いいアイデアですね、楓。そうしましょうか。」

 

そう言うとビオラは立ち上がり、ユニ達を見ながら言う。

 

「みなさん、これからみなさんを私作町(マイクラシティ)にご案内します。ヴァン、あれを用意して下さい。」

 

「はい、陛下。」

 

そう言うとヴァンはポケットから青い長方形を取りだし、それを地面に置いた。その瞬間、1㎝程度しかなかった長方形が3mほどまで巨大化した。と、ビオラがユニ達に言う。

「さぁ、みなさん。行きましょう!」

 

そう言うとビオラとヴァンは長方形の中へと入っていいった。それに続いて悠岐、楓、啓介も中に入っていく。

 

「まっ、待ってくださいよ~!」

 

そう言いながらもユニ、霊夢、魔理沙も長方形の中へと入っていった。

 




現世を堪能出来たユニ達が次向かう場所は四角世界の私作町へ!
次作もお楽しみに!

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