東方混沌記   作:ヤマタケる

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霊夢と魔理沙がピンチの中、突如として現れた謎の長身の男。


第59話 神再臨

カオスを軽々と蹴り飛ばした男は霊夢達を見て口を開く。

 

「久しき顔だ。あの日のことを思い出す。」

 

「わ、私はあんたと会ったことはないぜ?」

 

「あぁ、そうだったな。まだお前達は余のこの姿を見るのは初めてだったな。まぁ後に正体を明かそう。」

 

男が言った瞬間、カオスは起き上がり、男を見ながら言う。

 

「貴様、何者だ?幻想郷の者か?現世の者か?どちらでも構わぬ。我を邪魔する者は皆敵だ!」

 

そう言うとカオスは男に向かって走り出す。男はそれを黙ってみている。

 

「死ね!」

 

カオスが叫んだ瞬間、男は一瞬にして彼の下に移動し、左手を腹に刺した。

 

「ガハァッ!」

 

「・・・そこか。」

 

そう言うと男はカオスの腹から三人の少女を引きずり出した。それを見た魔理沙が言う。

 

「天子、衣玖、妖夢!!」

 

三人の少女を引きずり出した男は霊夢達に渡した。そして口を開く。

 

「お前達が何故あのような者に勝てないのか、教えてやろう。」

 

「・・・?」

 

「お前達がカオスに勝てない理由、それは正しい戦い方をしていないからだ。」

 

「正しい戦い方、ですって?」

 

「そうだ。余から見れば正しい戦い方をしているのはあの五大王だけだ。特別にお前達に見せてやろう。」

 

そう言うと男は右手をパーの形にした。その瞬間、男の手に刀が現れた。そして手に取る。と、カオスが男に言う。

 

「貴様ァ、余程我に殺されたいみたいだなぁ!まるであの時の五大王みたいになァ!」

 

「お前、今なんと言った?この余を五大王と同じ扱いをするな。ヘドが出る。」

 

そう言うと男は刀をカオスに向かって振り下ろす。カオスもそれに対抗すべく巨大な剣で撃ち合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「霊夢、魔理沙、ユニ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如女性の声が聞こえたかと思うと霊夢の背後に目玉だらけの世界、スキマが現れ、中から妖怪の賢者、八雲紫が現れた。それを見た魔理沙が彼女に言う。

 

「来るのが遅いぜ、紫。一体何をしていたんだ?」

 

「ごめんなさいね、ちょっと幽香と競争してて・・・。そうだ、ユニ!!」

 

そう言うと紫は倒れているユニの元へと駆け寄る。彼女に続いて二人も寄る。紫はユニの喉に優しく手を置く。

 

「・・・まだ生きてる。」

 

そう言うと彼女は安心した表情を見せた。彼女に続いて二人も笑みを浮かべる。そんな中、カオスと男が激しく争っていた。と、魔理沙が紫に言う。

 

「なぁ、紫。あの男の人は誰だ?なんか五大王よりも地位が高そうな人に見れるんだが・・・。」

 

「おかしいわねぇ、現世で王よりも地位が高い人なんていないわ。」

 

「じ、じゃああの男の人は何者だっていうんだ!」

 

二人が話している中、男はカオスに向かって言う。

 

「どうした?その程度で終わってはつまらぬではないか。」

 

「黙れ!貴様にはまだ我は本気を見せていないだけだ!!」

 

「愚かな・・・。自分の仲間を食らい、そして食らった仲間の能力を使っているというのに本気を見せていないというのはおかしな話ではないか?」

 

「黙れェ!」

 

そう言うとカオスは巨大な剣を男目掛けて振り下ろす。男はそれを素早く避け、空中に浮く。そんな彼にカオスが言う。

 

「避けているばかりでは我にダメージは与えられぬぞ!」

 

「もう与える準備は整っている。」

 

そう言った瞬間、カオスの足元に星の形をした光が描き出された。

 

「こ、これは!!」

 

「星激『(ほろび)』」

 

男はここにいる者達が気づかない間にスペルカードを発動していた。そして発動した瞬間、光の攻撃がカオスを襲う。

 

「ぐぁぁぁぁっ!」

 

男の攻撃をくらったカオスはヨロヨロになりながら壁に寄っ掛かる。それを見た男が口を開く。

 

「あれをくらって立っていられるとは、大した体の丈夫さだ。」

 

「何故だ・・・何故我の気づかぬ内に!」

 

「カオスよ、お前は余がお前の攻撃を避けている間に魔法陣を張っていることに気がつかなかったようだな。」

 

「魔法陣だと!?」

 

「こうしてお前と話している内に既にスペルカードを発動している。」

 

男が言った瞬間、突然天井に穴が開き、空いた穴の外から6つの隕石がカオス目掛けて落ちた。

 

「やられるか!」

 

そう言うとカオスは巨大な剣で隕石を全て切り刻んだ。

 

「爆暗『闇のフレア』」

 

その声が聞こえた瞬間、カオスの真下に男がスペルカードを発動しており、そのままカオスを吹っ飛ばした。と、魔理沙が言う。

 

「何なんだよあの人は。五大王を遥かに越えるような力を持っている。それに、戦術も今まで会ってきた奴とは違う。」

 

魔理沙が話している中、男は身体中傷だらけでヨロヨロとゆっくり歩くカオスに言う。

 

「さて、そろそろ終わりにさせてもらうとしよう。これ以上時間が掛かる作業は嫌いなのでな。」

 

そう言うと男は刀を右手から消すと左手を上に上げた。そして言う。

 

「受けるがいい、神に背きし者に与えることの出来る神の鉄槌を。」

 

そう言った瞬間、男の左手の上にメラメラと燃え盛る巨大な炎の玉が作られた。それを見たカオスが目を見開きながら言う。

 

「聖なる焔・・・まさか、貴様は!!」

 

そう言った瞬間、男の左手から巨大な炎の玉が放たれた。

 

「四重結界!」

 

その瞬間、紫は7人を守るためにスペルカードを発動した。そんな彼女に霊夢が言う。

 

「これで防げるの?」

 

「恐らく、四重結界じゃあ到底防ぎきれそうにないわ。」

 

紫が言った瞬間、辺りに激しい爆風が襲った。その威力はカオス城の一部を破壊するほどの威力だった。




突然現れた強き謎の男。その正体をとは!?
次作、東方混沌記カオス編完結。
お楽しみに!

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