東方混沌記   作:ヤマタケる

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悠岐、楓、幽香、依姫、啓介、ピンによって敵mob達が次々と倒される。そんな時に雷鳴が鳴り響く。


第58話 現実化する悪夢

霊夢が見る光景。それはあの悪夢と同じで薄暗く、王が座るような玉座が目線にあり、右側にはうつ伏せで倒れている咲夜、左側には仰向けで倒れている魔理沙がいる。そして自分の目線にいる大男、カオスが片手で傷だらけの妖夢を摘まみ上げた。

 

「ま、まさか・・・。」

 

霊夢が察した瞬間、カオスは信じられないくらい大きな口を開き、彼女を口の中へ入れるとそのままゴクンという音を立てて彼女を丸飲みした。

 

「ひっ!」

 

現実化した悪夢の光景を見て思わず霊夢は声を上げてしまう。と、カオスが霊夢を見ながら言う。

 

「次は博麗の巫女、貴様だ。」

 

そう言うとカオスはゆっくりと霊夢の元へと歩み寄る。

 

「嫌っ!」

 

霊夢は逃げよとするがカオスの恐怖により足が言うことを聞かず、動けなかった。そしてカオスが目の前までやって来るとニヤリと不気味な笑みを浮かべる。

 

「あぐっ!?」

 

その瞬間、カオスの右の細い手で首を締め上げられる。抵抗するが鉄のように硬く、放れなかった。そしてカオスは軽々と霊夢の体を持ち上げる。

 

「ぐ、あぁ・・・。」

 

カオスの力が強すぎるため、徐々に霊夢の意識が遠くなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宝符ゲートオブバビロン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かがスペルカードを発動する声が聞こえた瞬間、カオスの翼に4本ほどの剣が刺さる。

 

「何ッ!?」

 

突然の攻撃をくらったカオスはそのまま霊夢を放してしまう。

 

「ゲホッ、ゲホッ。」

 

慌てて空気を取り入れた霊夢は激しく咳き込む。そんな中、カオスは後ろを振り返る。そこにはヨロヨロになりながらスペルカードを発動していたユニがいた。と、ユニが言う。

 

「絶対に・・・仲間を、殺させ・・・ないわ。」

 

翼から剣を抜いたカオスはユニを鋭い眼差しで凝視する。そして口を開く。

 

「仲間が助かるならば自分の命など必要ない。それが我の勝手な解釈だがどうだ?」

 

「えぇ・・・7、8割正解ね。」

 

「フン、決まったな。」

 

そう言うとカオスはゆっくりとユニの元へと近づく。そして彼女の首を細い両手で締め上げる。そして持ち上げる。

 

「かはっ、ぐはぁ・・・。」

 

ユニは必死に抵抗するが霊夢と違って両手で締められているため、放れなかった。そんな中、カオスが言う。

 

「貴様はチェスでいう、チェックメイトに陥ったのだ。これで我は『幻想郷の守護者』を倒すことができるのだ!」

 

カオスが高笑いをしながら話している中、ユニはスペルカードを取りだした。

 

「極符コールザゴット・・・。」

 

ユニは最後まで言い切ることが出来たがそのまま瞼が閉じ、手に持っていたスペルカードを落とした。それを見た霊夢が目を見開きながら言う。

 

「そんな・・・ユニ!!」

 

「れ、霊夢・・・。」

 

「魔理沙!?」

 

カオスがユニを放した瞬間、気を失っていた魔理沙が目を覚ました。そんな二人とは別にカオスは口を開く。

 

「ハッハッハ!!これで幻想郷の守護者は消えた。我に歯向かったからこのような有り様になって当然なのだ!!」

 

カオスが叫んだ瞬間、辺りに突如として雷鳴が鳴り響いた。

 

「雷・・・なのか?」

 

「フフフ、遂に我は雷を発生させることまで力を得たようだな。素晴らしい、素晴らしいぞ!我は遂に世界を一つ制圧することが出来るのだ!幻想郷よ!!我が力の前に膝をつくがよい!!これでエリュシオンに再び対抗することができる!」

 

一人で言ったカオスは霊夢と魔理沙を見て口を開く。

 

「今なら降伏をしてもよいぞ?さぁ、どうする?」

 

「冗談じゃないぜ!お前なんかに従ってたまるか!」

 

「そうよ!絶対に従わない!!」

 

「ほほう、そうか。お前達は降伏しないのだな。では殺す。」

 

そう言うとカオスは巨大な右腕に巨大な剣を持った。そして二人の元へと歩み寄る。

 

「ひっ!」

 

「く、クソッ・・・。」

 

二人の前まで来た瞬間、カオスは笑みを浮かべて口を開く。

 

「死ねェ、博麗の巫女、魔法使い!!」

 

そのままカオスは巨大な剣を振り下ろした。思わず二人は目を瞑ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしカオスの剣は二人に中々当たらない。

 

「い、一体何が・・・!?」

 

「えっ!?」

 

「なん・・・だと・・・。」

 

二人が目を開けた瞬間、二人は驚きを隠せない光景を目の当たりにした。そしてカオスも驚いていた。三人の目に写る光景。それはあの巨大な剣によるカオスの攻撃を腰まで伸びる黄色髪に青い瞳、貴族の薄橙色の服を着ていて背丈は2mを越えている男が右手だけで受け止めていたからだ。驚く三人とは別に男は口を開く。

 

「混沌を象徴するお前の力がこの程度とはな。」

 

そう言うと男はカオスの腹を蹴りつけた。その瞬間、カオスは部屋の一番端まで吹っ飛んだ。男から一番端までの距離は約15mほどあった。




突如現れた長身の男。その正体とは!?
次作もお楽しみに!

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